第 6回 美しく生ける準備 

毎日をちょっと楽しく、ちょっと華やかに。

生花の専門家が、花を楽しむティップを毎週紹介します。


第 6回 美しく生ける準備

今回は、花を飾る花瓶や、アレンジメントを美しく保つ秘訣(ひけつ)についてお話しましょう。

当店で主に使うのは、5×5インチ、もしくは6×6インチのガラスの花瓶です。ある程度の量の花がある場合、経験豊富な私たちにとっては、このサイズが一番使いやすいです。

生ける花の量にもよりますが、一般的に最も花が生けやすいのは、縦に長く、口が小さいタイプの花瓶です。花の本数が少なくてもすっきりまとまりますし、アレンジが横に広がって、崩れてしまうこともありません。

花を入れる口元が少し引き締まったデザインの花瓶だと、花がピタッと止まって生けやすいです。

 

花をきれいに見せる
土台を使ってみよう

口の大きな花瓶に生ける場合、そのまま花を入れていくと、花の位置を固定できないので、花がさまざまな方向に向きを変え、移動してしまいます。こういったアレンジメントには、土台の存在がかかせません。

当店では、花を入れていく前に、まずある程度のグリーナリー(緑)を入れて土台を作り、そこに花を生けていきます。本数がある程度になると、茎がそれぞれ絡んで、おのずと固定されていきます。

その他、これまではオアシスと呼ばれる、スポンジ状の土台が使われてきました。フォームに直接花を刺すのですが、これを使えば、360度花で覆うようなアレンジもできるんですよ。花の飾り方の可能性がグッと広がる、便利なアイテムです。

しかし環境への配慮から、最近は繰り返し使えるチキンワイヤーと呼ばれる格子状のワイヤーを丸め、花を刺してアレンジするようにしています。

当店で開催されるアレンジメント教室でも、このチキンワイヤーを提供しています。これがあると、驚くほどアレンジがしやすくなるんです!

 

飾った後もお手入れ
花ごとに相談を

飾った花をきれいに保つには、水をこまめに変え、キレのいい花用のハサミで茎を切って、花が水を吸いやすい状態を保つことが大事です。

当店でも1日に2回、店の花の手入れをしています。花によっては持ち具合や、切り方なども異なるので、生花店に相談してみてください。

 

今週のアレンジ

異なる形の花を合わせて

 

 

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