大学進学を考える 日本と米国、二つの国で学び暮らす選択
コロナ禍を経験して社会は大きく変わった。日本社会も例外ではない。未来を見据えて、グローバルな大学進学の選択肢の一つとして、米国と日本で自分たちのルーツを生かす学びについて掘り下げる。
音楽家の、霧生ナブ子さんとファーグソン若松かつみさんが、自身の半生と音楽について語り合った。
——2人が出会った、きっかけは?
霧生 ジャズピアニストのバリー・ハリス先生の音楽クラスに通っていて、そこでかつみさんの旦那さまのエンファーグさんに出会いました。以来、長年に渡りライブでピアノを弾いてもらってました。
ハリス先生の誕生日会でエンファーグさんに紹介され、初めてかつみさんにお会いしました。
若松 約10年前ですかね。実はその誕生日会の前、生まれた子供が生後44日で亡くなってしまって、本当に夫婦2人で音楽から遠ざかっていました。ナブ子さん的には、私は「音楽をする人」という印象では、なかったんじゃないですか?
霧生 そうですね。お子さまが亡くなってから、初めて公共の場に夫婦でいらしてたって、聞いていました。
若松 でも、子供のお葬式には、バリー先生のコーラスクラスの皆さんが来て、すごく愉快な音楽を演奏してくださいました。
霧生 実は私もそのコーラス隊にいたんです。スウィングのジャズの曲でしたね。
若松 そうそう。それを聴いた時、何かがぐっと胸に残りましたね。「本当に素晴らしい音楽だ」と感動しました。あんなことは初めてだった。でもジャズピアノに復帰するのは、まだまだ先のことです。
——霧生さんは来米以降、順調に音楽活動を?
霧生 実は私は2005年ごろ、ハーレムの交差点で車に突っ込まれ、脳内出血を負う交通事故に遭いました。頭がパックリと。
若松 うわあ、怖い!
霧生 大きな後遺症は残りませんでしたが、事故のショックで、しばらく記憶が混同していました。事故のことも、あまりよく分かっていなかったんです。
そんな中、病室のCDラジカセで初めてジャズ音楽を聴いた時は、号泣してしまいました。「生きててよかった」って。その時に、やっと事故のことがしっかり理解できたのかもしれません。
——2人とも、人生の辛い瞬間に、音楽がありますね。
霧生 うん。音楽は薬だと思います。
若松 あとは「出合い」ですよね。世の中には、いろんな音楽があふれていますけど、助けが必要な時に、その中から、とある音楽が、ふっと訪れる。
私たち音楽家は「音楽の神様」と呼びますが、本当にふっと、こちらの求めからではなく、そういう瞬間に「出合う」んです。それって、音楽家に限らず、誰でも起こりうることだと思います。
——そんな2人が一緒に音楽を始めたのが、つい最近だそうで。
若松 私がバイオリンを教えている子供たちに、ジャズボーカルを教えようと思った時、思い浮かんだ講師がナブ子さんでした。そのクラスに反響があったので、「赤ちゃん連れのお母さんのジャズ教室があればいいな」と思い付き、ママサロンでクラスを始めました。
霧生 トントン拍子で話が進みましたね。2回のトライアルクラスを終えて、今後は来年の1月まで、数回開催する予定です。
若松 私は元々クラシック音楽をやっていて、ジャズピアノはごく最近始めたので、見切り発車なんですが、「上手になってから」と考えていたら、一生機を逃してしまうな、と。
——2人ともフットワークが軽いですね。
若松 「紙一重」の経験をしてしまうとね。
霧生 そうですね。もたもたしていたら、本当に人生はあっという間ですから。
若松 それを思い知らされたのかもしれません。
——これからの展望は?
霧生 クラスではかつみさんはピアノを担当してくれていますが、実はすばらしいバイオリニストなので、皆さんに聴かせたいです。
若松 特別イベントで、ボーカルとバイオリンで組んで演奏したいですね。ピアノ担当には、うちの旦那がいますし(笑)
写真左:ファーグソン若松かつみ
2歳半からピアノとヴァイオリンを始める。九州女子短期大学卒業。日本でバリー・ハリス氏のジャズワークショップに参加後、2008年に来米。11年より、ニューヨーク・ファヴォーレ室内楽コンサーツ主宰。現在、ママサロンにて「「Let’s Sing Jazz!」クラスを開催。https://sites.google.com/site/katsumiferguson
写真右:霧生ナブ子
尚美学園短期大学を卒業後、1996年に来米。ジャズピアニストのバリー・ハリス氏、ジャズボーカリストのシーラ・ジョーダン氏に師事。2016年度発売のリーダーアルバム「リアル・ライフ」で、「日本ジャズヴォーカル賞」大賞を受賞。12月21日(土)に「Tsion Cafe」にてライブを実施。Facebook: NabukoKiryu
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