③投資物件の選び方

今月のテーマ:ハワイの不動産

今回は、ハワイでの投資物件の購入に関する情報と、物件の売却時の注意など、その他知っておきたいポイントを、専門家が解説する。税金制度の違いなども、しっかり理解しておこう。

 

Q. ハワイの投資目的の物件の選び方を教えてください


A.

ワイキキ周辺のホテル・コンドミニアムの他、これからの新しい物件やエリアは人口増加が見込まれるので、住居の先行投資として、開発物件を購入するのも一つの考えです。現在ニューヨーク在住で、これからハワイ移住を考えたいという人が、3年後に完成予定の建設中物件を現時点で購入するケースもあります。

ニューヨークと違って、常にあちこちに新築物件が建つわけでないので、築浅の物件価値は下がりません。今から押さえておくと、結果的に投資でも好条件につながります。

日本の「青田買い」より法律もしっかりしているので、登記的に崩れづらいという特徴もあります。第一期は安く、だんだん高騰していきますので、早めの購入がカギとなります。

 

Q. 節税対策の物件の特徴には、どんなものがありますか?


A.

日本の節税に効く投資物件には、コンクリート製で築47年、木造だと22年以上経過している必要があります。ハワイに木造は少なく、またワイキキのコンクリート製の物件は数が限られてきます。

約60年前にアメリカ合衆国の一部となったハワイでは、50年越えの物件というものは、まだまだ数が少ないのが現状です。

 

Q. ハワイで不動産投資を行う人の特徴は?


A.

アメリカでの不動産投資、特にハワイの物件は、リピーターが非常に多いです。毎年のように購入される人もいますよ。

ハワイで投資を始めて、アメリカでの不動産投資の面白さに目覚め、よりチャレンジングな条件の物件に買い換えるケースも、珍しくありません。

 

 

Q. 税金に関する注意点はありますか?


A.

ニューヨークに比べ、固定資産税も安いです。ニューヨークでは一般的ではない、エスクローシステム(弁護士の代わりに取引専門会社が第三機関となり、登記を行うこと)が適応されます。そのため、ニューヨークよりも出費が抑えられるかもしれません。

 

Q. 売却時の注意点を教えてください。


A.

売却を考える際、日本の不動産にはない制度として、源泉徴収がありますので、特に日本から来たばかりの人は注意しましょう。

ハワイ州のタックスリターンでは、連邦政府は15%、ハワイ州が7・25%。つまり利益にかかわらず、売値の22・25%が、源泉徴収として一旦ホールドされます。一時的にキャッシュフローが変わると思いますので、あらかじめ注意しておきましょう。

 

Q. ハワイに移住・投資をする際に、注意したいことは?


A.

移住を考えている人には、物価の高さがデメリットとして挙げられます。カリフォルニアやニューヨークに比べると、そこまでではありませんが、日本から移住を考えている人には高く感じるかもしれません。また島なので、行動範囲が本土より狭くなることは否めません。人によっては、暮らしに飽きてしまうこともあるようです。

投資物件を購入する際も、この辺りの条件を理解しておくことが重要ではないでしょうか。

〈おことわり〉

当社は、今月の掲載記事(全3回)の内容に関して、一切責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。

 

畑華子さん

スターツ代表。ハワイ、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンノゼなどを担当。
ハワイ在住25年。青山学院大学を卒業後、ハワイ大学大学院にて経営学修士を取得。
宅地取引士、ハワイ州ブローカー免許取得。
NPO法人ハワイシニアライフ協会理事。

 

Starts International Hawaii, INC.

TEL: 808-947-2280
info@startshawaii.com
startshawaii.com

関連記事

NYジャピオン 最新号

Vol. 1193

ニューヨークで見つける 新生活にも役立つ こだわりの雑貨

新生活の始まる春は何かと身の回りの雑貨を新調するのにもいい時期。最近は日本からの出張者や旅行者もめっきり増え、最適な雑貨やニューヨークならではのファッションを知っておくことで会話も広がりそう!

Vol. 1192

徹底研究!サマーキャンプ2023

子供を抱える家庭にとっては、毎年この時期がサマーキャンプを決める大事なタイミング。日本への一時帰国の計画のあるなし、市内の日帰りキャンプにするか? 山間部のお泊まりキャンプにするか? お財布との相談も悩ましい。約2カ月に及ぶアメリカの長い夏休みを子供達がいかに有効に過ごすか? キャンプ選びのヒントになる情報を集めてみた。

Vol. 1191

春はもうすぐ 今年のお花見、どこ行く?

約3万4000本以上の観賞用桜が植えられ、開花時期によって街の風景が一変するのがニューヨーク。短い春を華麗に彩る桜と、おすすめのお花見スポットを紹介する。

Vol. 1190

ファッションウィーク速報も活発化NY

2023年秋冬のニューヨーク・ファッション・ウィークが15日に幕を閉じた。ファッションウィーク期間中はお祭りムードに変わるニューヨークだが、活発化するファッションシーンのトピックスを見てみよう。