共感マーケティング

第231回 シンプルな指標

〝共感〟をキーワードに独自のマーケティング理論を展開するブランディングコンサルタント・阪本啓一の「マーケティング力アップ講座」。


JOYWOWの経営状況は、たった一つの指標「銀行口座残高」で見ています。月初と月末で現金が減ったか増えたか。増えれば乾杯、減ったら分析です。毎日、オンラインで銀行残高の推移を見ています。

分かりやすい指標

経営の成績チェックは「できれば毎日」が理想です。そのためにはシンプルで分かりやすいものがいい。あなたのお店や会社でも、シンプルな指標を作りましょう。指標のないまま経営するのは、地図なしに当てずっぽうで歩くのと同じ。エネルギーと時間を浪費しています。

ビジネスパーソンにとって、エネルギーと時間は希少資源。「明日のこと」を考えるために使いましょう。

飲食店を例に取ってみます。家賃、減価償却費、正社員の給料、水道光熱費は定休日でも毎月掛かります。水道光熱費は会計的には変動費とされますが、店舗規模と営業時間(日数)で決まります。

例えばガス代。多少は変動するものの、営業時間中は調理器具を付けっぱなしにしているので、比例というより固定と見たほうが実態に合ってます。

営業利益は「売り上げマイナス経費(変動費+固定費)」で求めますが、この中の変動費は原材料費だけと言ってよく、他は全て固定費とみなします。

固定費とは「寝ている間も掛かるお金」です。アルバイト人件費も固定費として考えます。

「今日さ、お客さま少ないから、5時間店にいてくれたけど、3時間にまけてくれない?」という話にはならない。

店の経営で最重要なのは、営業利益額を目標数値化し、それを守ること。しかし、利益は計算後に出てくるもので分かりづらい。日々チェックできる指標にしたい。

利益を計算する

利益を増やすには、ひたすら売り上げを上げる。売り上げはP(客単価)×Q(客数)。目で見えるものは、来店しているお客さまの数です。「水面=損益分岐点売上高」を超える来客数なのかどうか。毎日チェックします。

また、メニューも、「売れ筋」「死に筋」を定期的にチェックしましょう。商品名を縦に、その横に注文数を書きます。

注文数が100、集計期間中の客数が仮に1000人とすれば、100÷1000×100=10・0。これを「人気メニュー指数」と呼ぶことにします。

同じように、全てのメニューについて計算すると、7・0、5・5、1・8、1・3…と出た。

どこに線を引くかは任意ですが、やはり2以下の1・8や1・3は、死に筋と判断。メニューから削除しても構わないはずです。

ネットショッピングのコンサルティングで、利益を上げるために私がアドバイスしたのは、「在庫の指標を目で見えるようにする」ことでした。その店の利益を圧迫しているのは過剰在庫。

そこで、床に赤いテープで四角く区切りを描き、壁にも線を引きました。この範囲内に商品在庫を置き、床の四角い線から出るようなら、そして高さを超えるようなら、要対策です。

シンプルな指標を持つ。それを可視化する。実行しましょう。

※参考=『飲食店開業・経営の成功メソッド』/鬼頭宏昌・著、かんき出版)

 

今週の教訓
毎日チェックしましょう

阪本啓一
ブランディングコンサルタント。大阪大学人間科学部卒業後、旭化成入社。
2000年に独立し渡米、ニューヨークでコンサルティング会社を設立。
06年、株式会社JOYWOW創業、現在取締役社長。
地球と人をリスペクトする、サステナビリティ経営の実現に取り組む。
「ブランド・ジーン〜繁盛をもたらす遺伝子」(日経BP社)などの著書・訳書、講演活動も多数。
www.kei-sakamoto.jp



読めばわかるこの一冊

血流がすべて解決する
堀江昭佳

「目指すべきは、『血液サラサラ』ではなく、『血流たっぷり』だったのです」(本文より引用)

 

私の実体験から、体と心の健康はつながっているし、全ては血流を改善すると良くなる、ということには賛成です。

なんとなく調子が悪い。便通も良くない。眠りが浅い…。そんな時、スポーツマッサージ店に行き、じっくり体の歪みを矯正してもらいました。何しろ左右の足の長さが違っていたのです。腰の筋肉が凝り固まった状態で、それを緩めたら、同じ長さに戻りました。

「血のめぐり」は健康に必須のもの。著者は言います。「血流が悪い女性の多くは、ドロドロしていて流れないのではなく、血不足のために流れが悪いのです」。満腹より空腹がいい、朝ご飯は食べなさい、一週間の夕食断食で胃腸がよみがえる、パン食よりご飯食がいい、ホウレンソウでは鉄分を補えない…など、具体的な方法を教えてくれます。

 

関連記事

NYジャピオン 最新号

Vol. 1125

出張者にも! 一時帰国者にも!  NYのお土産・手土産は何がおすすめ?

コロナ禍でも一時帰国をする在米日本人は多く、また10月1日からワクチン接種証明書による日本帰国後の隔離期間が短縮されたこともあり、出張者も徐々に戻って来る見込みだ。そんな帰国の際、知っておくと便利なニューヨークならではのお土産、手土産についてチェックしよう!

Vol. 1124

ロシア人街でフクースナ(おいし〜い)!

ブルックリン区最南端のブライトンビーチは、ロシアと黒海沿岸地域からの移民が多く暮らすエリア。地下鉄高架下や周辺には、郷土史色豊かな食べ物を売る店やレストランが軒を並べている。

Vol. 1123

ニューノーマルのバーバー事情

いよいよ経済の復興期に突入したニューヨーク。対面ビジネスも次々に再開され、男性の身だしなみが気になり始めた。新しいノーマルに向けて活況を呈する理容の世界をのぞいてみよう。

Vol. 1122

コロナに負けず NYファッションシーンが再開!

まだまだデジタルでの新作発表を行うブランドが多いものの、パンデミック以降、初めてゲストを招いてのニューヨーク・ファッション・ウィークが再開した。今回のショーの動向、ニューヨークのファッションシーンを盛り上げるべく奮闘する、日本人デザイナーやモデルにもフォーカスする。