今年9月にアラ&
今週はレッドフックにある工房「Fort Standard」です。
Fort Standard (フォート・スタンダード)
次のダンボやインダストリシティーとの呼び声が高い、レッドフック地区。倉庫跡地を利用した大型スペースに、おしゃれなギャラリーや工房、ワイナリーなどが数多くあります。この地で家具職人がアトリエを構えていると聞いて、倉庫の一室を覗いてみました。
職人一家で育った
広い家具工房を訪れると、10人ほどの木工職人がせわしなく働いています。木工所はシェアリングワークスペースで、何社かとシェアしていて、日本人の木工職人も見かけました。機械で木を削ったり、組み立てたり、ガヤガヤしています。その中にハイエンドな家具ブランド「Fort Standard」も入っていて、5人の職人が日夜、洗練されたモダン家具を生み出しています。
「Fort Standard」の創業者で木工アーティストの、グレゴリー・バンテンさんが迎えてくれました。お父さんもおじいさんもメタルを扱う職人一家で育ち、子供のころから、手で何かを作り上げたり、メカニカルなもの(オートバイなど)がずっと好きなのだそう。
「メカニックとクリエーティビティーが融合しているのが家具デザイン。自分の天職です」とグレゴリーさん。当地で大人気のコンセプト・アイウェア店「Warby Parker」、シェービング・ブランド「Harry’s」や、スウェーデンのバッグブランド「Fjallraven」などのショールームを担当するなど経験を積み、「Fort Standard」を立ち上げたのは2011年のことです。
洗練された小物も
顧客はレジデンシャルで、インテリアに特別にこだわりのある層が対象です。一つ一つを要望に答え、丁寧に手作りしているため、テーブルが4000ドルからと、特別な価格設定。インテリアデザイナーを通して受注が入るそう。
庶民には縁がないのかと思いきや、使い心地が良くてグレゴリーさんのセンスが光る、小物オブジェクトもあります。栓抜き(44ドル〜)やワインストッパー(76ドル)などお手ごろ価格。私も栓抜きを使っていますが、真ちゅう製で手の平に馴染んで触り心地が良く、これからも大切に使い続けていきたいです。
All Photos © Kasumi Abe