大学進学を考える 日本と米国、二つの国で学び暮らす選択
コロナ禍を経験して社会は大きく変わった。日本社会も例外ではない。未来を見据えて、グローバルな大学進学の選択肢の一つとして、米国と日本で自分たちのルーツを生かす学びについて掘り下げる。
ラグビーワールドカップで大盛り上がりの日本ですが、私もちょうどこの間まで、出張で日本にいたこともあり、現地の熱気を目の当たりにすることができました。
決してラグビーに詳しいわけではないのですが、スポーツビジネスの観点はスポーツが何であれ、共通していることが多いので、この大盛り上がりを見て、関係者たちのさまざまな仕込みや努力が、このようなよい結果になったのだろうなと感心しておりました。
特に弊社「ブルーユナイテッド」自身が、規模は全く異なるものの国際イベントの興行を行うので、色々な意味でうれしく感じております。
一方で日本にいて、とても気になった言葉があります。それは「にわかファン」というものです。
日本でラグビーワールドカップの話になると、だいたい「あ、にわかファンでしょ?」と、ラグビー初心者に厳しい発言をひんぱんに耳にしたのでした。
これほど日本中がラグビーに熱狂したことは、それほどないので、恐らく大半のファンはラグビー初心者で「にわかファン」ではないかと考えております。
この層に対して、日本はとても厳しいという印象を強く持っています。他のスポーツでいえば、Jリーグでも「サッカーを応援しに来ていない」という来場者に厳しいコメントが出ていました。
また同じくJリーグ開幕時に、かっこいい選手目当てに試合観戦に来ていた女子高生たちにも、やはり厳しい目が向けられていたことを思い出しました。
ラグビーにしろ、サッカーにしろ、確かにそのスポーツに興味があればよいですが、試合には初めて観戦に来る人や、他のことに興味をひかれて来る人も大勢います。
彼ら、彼女らには、これからそのスポーツを好きになってもらい、来場することで何かしらの満足感を得てもらう。無下にするどころか、「また来たいな!」と思ってもらわないといけない、大切な未来のお客さまたちなのです。
そういうことで、ラグビーも、きっかけは今回のワールドカップかもしれない。それでも、興味を持って来場してくれたのです。そこできちんと「また来たいな」と思ってもらえるような施策を打つのが、スポーツビジネスの仕事でもあります。
むしろ、ワールドカップでせっかくラグビーに興味を持ってもらえたのに、ワールドカップの後はパタリとラグビーに興味を持たれなくなってしまっては、意味がありません。それでは「にわかファン」が一過性に出てきて、消えたというだけになってしまいます。
ラグビーワールドカップの開催地、味の素スタジアムに集まった日本のサポーター。テレビ放映の視聴率も高く、ラグビーの認知度は急上昇した
Jリーグでは、初めて1998年のフランス・ワールドカップに出場したときに、その盛り上がりをJリーグのプロモーションに関連付けようという努力がありました。
アメリカのメジャーリーグサッカー(MLS)も、2002年の日韓ワールドカップ期間中に精力的にMLSのプロモーションを行いました。そしてワールドカップの後も、一過性の人気に終わらせることなく、今までサッカーに興味がなかったけどワールドカップで関心を持ち始めた人たち(にわかサッカーファン)を、大会終了後もMLSのファンに転換できるよう、さまざまな施策を打ちました。
そのスポーツに興味がない人でも「来場して楽しかった、また来たいな」と思ってもらえるようにする。これがスポーツビジネスの肝でもあります。
その最良の例は、マイナーリーグの野球でしょう。上質な野球が見たければメジャーリーグを観に行けばよいので、マイナーリーグ・ベースボールは野球だけを売り物にしてはいないのです。
ラグビーワールドカップは、みんながラグビーに興味を持つ、大きなきっかけとなっています。これを機にラグビーの発展につながればよいと思うと同時に、「にわかファン」は、スポーツビジネス的観点からいうと非常に大切な未来のお客さまなんですよ、とこのコラムで解説したかった次第です。
中村武彦
マサチューセッツ大学アマースト校スポーツマネジメント修士取得、2004年、MLS国際部入社。
08年アジア市場総責任者就任、パンパシフィック選手権設立。
09年FCバルセロナ国際部ディレクター就任。
ISDE法科大学院国際スポーツ法修了。FIFAマッチエージェント。
リードオフ・スポーツ・マーケティングGMを経て、15年ブルー・ユナイテッド社創設。
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