グローバル時代の子育て

その53 人と関わる力を育てる

少子化、核家族化、都市化、情報化、国際化により、人々の価値観や生活様式が多様化する一方で、社会の傾向としては、人間関係の希薄化、地域コミュニティにおけるつながりの希薄化が見られます。そのような環境において、子どもの「親和力」を高めるにはどうしたらよいのか、そのコツをお話します。

親和力の弱さは
親の自信不足

親和力とは、子どもが自分の周りの人と仲良く調和していく力のことです。子どもの親和力は、お母さんの親和力が強ければスムーズに育てることができますが、今は親和力の弱いお母さんが多いようですから、まずは、お母さん自身の親和力の強化の仕方を述べましょう。

人にはそれぞれに違った面があります。良いか悪いかでなく、変わったところでも構いません。自分自身の違う面を発見して、自分を好きになることから始めてください。自分を愛することができなくては子どもを愛することはできません。親和力の大きさは自己愛の大きさと正比例すると思ってください。

愛情のすれ違いが
親和力を弱める

「子どもにあふれるほどの愛情を注いでいますが、子どもが引っ込み思案です」という人がいます。「愛情のすれ違い」です。お母さんは十分愛しているつもりでも、子どもが愛されていると「実感できていない」のです。このままでは子どもの親和力を高めることはできません。

このような場合、子どもの心を充足させ、愛されている自信を回復させることが必要です。下の子が生まれたり、幼稚園に通い始めたり、環境に変化があると、お母さんへの信頼感が薄れ自信が減退します。これを改善するには、愛情と信頼を、子どもにどう伝えるかが重要なポイントとなります。

愛情を伝える簡単な方法がお手伝いです。「◯◯ちゃん悪いけどお手伝いをしてもらえる。お願いね」と、子どもを頼ってみましょう。そして手伝ってくれたら「ありがとう助かったわ」と抱きしめて感謝します。すると、子どもは「自分はママに必要な人なんだ」と実感することができます。

友達との
良好な関係づくり

日本では集団社会におけるルールや行動様式を、子どもに体得させることを「しつけ」と呼びます。「しつけ」という言葉には社会のルールに子どもを服従させるというマイナスのイメージが伴いますが、しつけ本来の目的は、「人生を楽しく快適にするための行動」を子どもに伝えることです。

形だけのあいさつや礼儀作法を教え込むのではなく、「こうすればあなたや周りの人が楽しく過ごせますよ」という視点から子どもが適切な行動を選択できるように導いてください。

「あいさつをすれば人の心は明るくなるね」「順番を待てば友達と楽しく遊べるね」「人の話を聞けば友達ができるね」「人を助ければ感謝されるね」。これとは反対に、「あいさつしないとどうなる?」「順番を待てないとどうなる?」「人の話を聞かないとどうなる?」と、子どもに質問して考えさせてください。

 

 

船津徹 (ふなつ・とおる)

TLC for Kids代表 教育コンサルタント

1990年明治大学経営学部卒業。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。
しちだ式教材制作に従事。2001年ハワイ州ホノルルにてグローバル教育を行う学習塾
TLC for Kidsを開設。
2015年に
TLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校開設。2017年上海校開設。
アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上のバイリンガルの子どもの教育に携わる。
イエール大学、ペンシルバニア大学など米国のトップ大学への合格者を多数輩出。
著書に「すべての子どもは天才になれる、親(あなた)の行動で。」(ダイヤモンド社)、「世界で活躍する子の〈英語力〉の育て方」(大和書房)。

 

 

 

 

 

 

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