ブルックリンのガイドブックの著者、安部かすみが、本で書ききれなかったことや、まだあるお気に入りスポットを紹介します。「大切な友人に紹介するとしたら?」という目線で選んだとっておき。
今週はコブルヒルにある「Monica Castiglioni」です。
Monica Castiglioni (モニカ・カスティリオーニ)
日本からブルックリン観光に来る知人が「このジュエリーの大ファンなのでお店に必ず行きたい」ということでリクエストが来ました。どんなブランドか気になったので訪れました。
海外進出の第1号店
ミラノ発のジュエリーブランド「Monica Castiglioni」は、ジュエリーデザイナーとして40年の経験を持つモニカ・カスティリオーニさんが、2010年に旗揚げしました。
当地ではMoMAストアで初お目見えを果たし、ソーホーの人気店(MOSS、現在閉店)にも置かれていました。ファンからの要望に応え、16年、アメリカ進出を果たし、この場所にオープンしました。その2年後にはイタリアのシシリアに3号店をオープン。モニカさんは通常ミラノのアトリエ兼ショールームかシシリア支店で創作活動をしています。

決して主張し過ぎない、ピスティル(雄しべ)を思わせるオーガニックなデザインが特徴的
ブルックリンのショールームは、木目とグレーの壁を基調に、ギャラリーとも倉庫とも工房とも思わせるようなクリエーティブな空間。ブランドの特徴の一つである、ピスティル(雄しべ)を思わせるオーガニックなデザインで、繊細かつ上質のジュエリーやファッション小物が並んでいます。

ギャラリーとも倉庫とも思わせる、個性的な空間

ネックレス(675ドル)
日本に初出店が決定
当店を仕切るのは、マネジャーのサラさんと、プレス&イベントキュレーターのフランチェスカさん。フランチェスカさんは、『Art Parks: A Tour of America’s Sculpture Parks and Gardens』(13年)という本も出版していて、瀬戸内国際芸術祭などアートの地として有名な、香川県直島に毎年訪れるほどの芸術&日本通。
彼女は言います。「日伊にはさまざまな価値観に共通点がある。ジュエリーの美的感覚も似ているわね」
確かに日本では純金のジュエリーより、上品で質感のよいものが人気。「Monica〜」の世界観と似ています。同店では陶器のアーティスト、額賀(ぬかが)章夫さんの展示も年1度クリスマスシーズン前に行っています。また20年春、日本初出店を果たし、4号店は福岡になるそう。日本でもファンがますます増えていきそうです。

ストアマネージャーサラさん(左)とプレス担当のフランチェスカさん

