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どこまで日本語力を身に付けさせるべきか?海外で子供を育てている家庭が必ず直面する問題です。特に永住家庭や国際結婚家庭では日本語教育のゴールをどこに設定するのか、判断が難しい所です。
「うちの子はシンガポール生まれでシンガポール育ち。将来も英語圏で暮らす予定なので日本語は話せれば十分」「国際結婚で家族の共通語は英語。高度な日本語は必要ない」など、日本語については「話せればよい」と考えている人も少なくありません。
しかし子供時代に身に付けた「会話力」は日常的に使う環境がないとだんだん弱くなり、最悪の場合、失う可能性があることを知りましょう。小さい頃は日本語を流ちょうに話していた子供が、現地校に通うようになってから日本語が怪しくなってきたという話は誰もが耳にしたことがあると思います。
小学校入学までに読み書きを教える
未就学児(6歳以下)を育てている家庭では、現地校入学までに「日本語の読み書き」を教えてあげてください。基本的な読み書きが身に付いていれば、子供が将来、日本語を失う心配はないのです。
現地校に入れば英語(現地語)が主要言語となります。その時、日本語と英語を同時に学習していくことは子供に大きな負担が掛かります。英語力が遅れがちな日本人の子供は、現地校の勉強についていくだけで精一杯なのです。
日本語の読み書きは、時間に余裕がある幼児期に習得させるのが賢明です。といっても高度な読み書き力は必要ありません。具体的には小学1年生程度の本が読めるレベルを目標としてください。
マンガを活用する
日本では多くの親の目の敵であるマンガですが、海外で暮らす子供にとっては優れた日本語の教科書です。お気に入りのマンガを一つ見つけてあげましょう。子供の目に入る場所(トイレなど)に置いておけば、自分から手に取って読むようになります。
また日本にいる祖父母や親戚とEメールやテキストチャットなどでコミュニケーションをとる方法を教えましょう。子供は遠い日本に住む人たちと日本語でコミュニケーションできることを喜び、日本語を書くようになります。祖父母や親戚に協力してもらい、簡単な日本語で書かれたメッセージを子供宛に送ってもらいましょう。
停滞期は無理に改善しない
現地校に通い始めると、多くの子供が日本語学習を嫌がるようになります。 子供の側からすれば、日々苦労している英語力を向上させることが先なのです。英語の重要性が高まる小学校時代に、日本語を無理強いするとモチベーションを低下させるので注意しましょう。
小学校からは現地校の勉強=英語を中心にサポートしてあげてください。英語に自信が持てなければ、子供の精神は安定せず、他の勉強に集中できないのです。日本語教育を成功させるポイントは「細く長く」です。毎日少しでいいですから日本語に触れる環境作りを心掛けていきましょう。
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