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低リスクで効率良い
プロジェクト管理法
前回のコラムでは、新しいビジネスを始める上で、製品やサービスを実際に開発する前段階での「仮説検証」と「プロトタイプ」について解説しました。今回は、検証を経て、製品やサービスを実際に開発していく上で必要となる「プロジェクト管理」の方法論とツールを紹介します。
まず、あなたが設定したゴールをあらためて振り返りましょう。設定したゴールを達成するために、製品・サービスの開発をしていくわけですが、変化の速度が速く、忙しい環境の中にいると、時間配分やプロジェクトの進行管理がおろそかになってしまうことがよくあります。そうなると、当然ながら取るべきステップや方向を見誤り、ゴールにつなげられなくなる事態を招きます。
二つの方法論
スタートアップ向けのプロジェクト管理の方法論として知られているものが二つあります。
一つは「リーンスタートアップ(The Lean Startup)」という方法論です。
これはエリック・リースが著書「リーンスタートアップ(Lean Startup)」(日本語版は日経BP社から刊行)で紹介したものです。2011年の出版当時、画期的なスタートアップ論として、全米で一大ブームを巻き起こしました。リーンスタートアップで示されているプロジェクト管理の方法論は次の通りです。
①小さく始める
②成功しそうかどうか早い段階で見極める
③芽がないと判断したら、すぐに製品やサービスを改良したり、事業の内容を一新したりして、軌道修正を繰り返す
事業がうまくいかなくても「傷」が浅いうちに進路を変更することで、将来的に事業そのものが継続できなくなる事態を回避することができます。チャレンジを続けることで、成功に近づいていけるところがポイントです。
もう一つは「アジャイル(Agile)」です。これはシステムやソフトウェアの開発に有効で、「反復 (イテレーション)」と呼ばれる手法の一つです。ポイントは「反復」の1単位を短期間に設定することです。
プロジェクトにもよりますが、これまでは各段階に分け、専門家が参加し、長い期間をかけて進めていた作業サイクルを、全員参加で、1~4週間の短い期間で、そのサイクルを繰り返すもので、リスクを最小化することができます。アジャイルは、私自身も、仕事のプロジェクトを進める上で実際に活用しています。
ここで挙げた二つの方法論のどちらにも共通するのは、無駄を徹底的に省き、効率化させることですので、スタートアップとの親和性が高いわけです。
ツールの選び方
プロジェクト管理をするためのツールもさまざまあります。選ぶ際には、①使いたい機能の有無②他のツールとの融合性③価格、をポイントに考えてみてください。実際に導入する前に、周囲の評判や導入例などを参考にすることも必要ですが、まずはトライアル版などを使って、実際に使い心地を試してみることをお勧めします。
私自身は、仕事とプライベートで「トレロ(Trello)」というソフトを使っています。これは、「カンバン方式タスク管理ツール」と呼ばれるもので、ホワイトボードに付箋紙を貼るような感覚で直感的にドラッグ&ドロップでタスクを動かして管理できるのが特徴です。画面数も少なく、リストの使い方次第でさまざまな場面に対応が可能です。
それぞれのツールに長所があり、使いやすさには個人差があるため、業務改善につながる、ご自身に合うものを見つけてください。
奥西正人(まさひと)
RISING STARTUPS代表
2015年にミートアップ「JAPAN NYC Start- ups」を、翌年、「RISING STARTUPS」設立。ニューヨークのスタートアップ企業の交流を目的とした「IF CONFERENCE」、起業を目指す人を支援する「IF Workshop」を開催。www.risingstartups.co
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