第1回 ゴール設定

Start-Up良いゴールを決め
ブレずにビジネス

皆さんの中には、「いつかは起業したい」または「新しい事業を立ち上げたい」という夢を持っている人がいると思います。

以前は起業に対して費用や時間がかかるという環境でしたが、現在はテクノロジーの進歩や資金集めの方法の多様化で、起業がより身近になりました。または、今は本格的な起業はできなくとも、まずは副業から始めたい人も多いのではないでしょうか?

この連載では、あなたがゼロから始める起業や新規事業の立ち上げに関する流れを、具体例、ツールを使って解説します。

まず起業や新しい事業の実行の前に、あなたにとってのゴールを考えましょう。ゴールは、人により異なりますので、自分自身でしっかり認識しておくべきことです。いくら良いビジネスを始めても、それがあなた自身のゴールに合わない場合は楽しく仕事ができないし、また大変な時期を迎えたら、せっかく始めたビジネスを諦めてしまうかもしれません。そしてあなたのゴールは、これからどのようなビジネスを始めるかを決める一つのフレームワークにもなります。

良いゴールとは?

良いゴールとはタイムテーブルである必要性があります。これは「いつか起業を実現しよう」ではなく、明確な期日を決めることが大切ということです。

「いつか起業するぞ!」という少しあいまいな意気込みから、明確な数字と期日までをゴールに落とし込みましょう。例えば「12月31日までに2万ドルの売り上げをあげる」は数字と期日が明確なゴールです。ただし、あなたが設定するゴールは、楽観的かつ現実的な内容が鍵になります。

例えばゴールを家賃が払える収入と設定してると、ゴールとしてワクワクしませんよね。同時に、決められた期日で達成が不可能な内容になると意味をなくしてしまうので、その際はゴールを小さなステップに変えることで、徐々にあなたのゴールに近付けることが可能です。

どう決める?

ゴールに含める要素として考える必要があるのがあなたが実現したい収入、ライフスタイル、職場環境、名声です。

例えば「ビジネス開始の1年目の収入から、5年後の収入」を目標金額ゴールに含めたり、自分はどこで仕事したいのか、週に何時間働きたいのか、自宅を仕事場にして働きたいのか、それともたくさんの社員と、または一人で仕事したいのか、などを自身に問い掛けましょう。このようなゴール要素の一つ一つの重要性は人により異なります。

ゴールは紙に書いたり、あるいは携帯やコンピューターなどのデジタル機器でも、あなたが常に見ることができる場所に保管することをオススメします。常にゴールを見ることで自分が今日、そして今何をするべきかのアクションが明確になります。私自身は付箋紙に短期と長期のゴールを書き留め、それを常に持参するノートに貼り付けています。

起業や新規事業を立ち上げることは大変で、長い道のりです。自分のアイデアを実行する前に、自分自身のゴールを設定しておくことで、後になってブレることがなくなり、ビジネスが大変な時にも、ゴールがあなたを活気付けるものにもなります。そして起業で一番大事なのは「アクション」。こんどの週末、明日ではなく、今すぐあなた自身のゴールを書き出しましょう!

あなたのゴールが設定された後の次回のテーマは、起業アイデアのブレインストーミングに関して解説します。

【スタートアップに関する用語】

スタートアップ(Start-up)
一般的に企業を指す。近年においては、新しいビジネスモデルやイノベーションをもとに起業し、短時間での成長とイグジットを目的としている、一時的な組織として使われることが多い。各ステージとしては、シード(準備期間)、アーリー(起業直後)、エクスパンション(発展期)、グロウス(成長期)、イグジットなどがある。
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SMARTゴール
目標設定に必要な要素である、五つの要素の頭文字を並べたもの。今回のゴール設定だけでなく、すでに起業して会社を運営されている人にも使用できる基準方法だ。ぜひ活用してみよう。
・S(Specific)
明確で、具体的か?
・M(Measurable)
測定可能か? 数字化できるか?
・A(Achievable)
達成可能か?
・R(Relevant)
価値観に沿ったものか?
・T(Time-Sensitive)
期限が決められているか?

 

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奥西正人(まさひと)
RISING STARTUPS代表

2015年にミートアップ「JAPAN NYC Start- ups」を、翌年、「RISING STARTUPS」設立。ニューヨークのスタートアップ企業の交流を目的とした「IF CONFERENCE」、起業を目指す人を支援する「IF Workshop」を開催。www.risingstartups.co

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