Page 14 - NY JAPION
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全大成(ぜん・たいせい)フューチャー・ジャパン・メンター・ネットワ ーク(FJMN)リーダー。中国北京出身。両親 の仕事の都合で、3歳から12歳まで日本で育 つ。北京第二外国語大学卒、セントジョーンズ 大大学院政治学部で修士課程修了。2014 年1月からJaNetに参加。FJMNでは2代目の リーダー。● Future Japan! MENTOR Network● JaNetwww.japanesenetwork. org www.facebook.com/fut urejapanmn榮枝洋文(さかえだ・ひろふみ)デジタルインテリジェンス社取締役。日本の広 告会社アメリカ法人CFO兼副社長を経て、デ ジタルマーケティングコンサルタントとして現職 に就く。NPO法人JaNet理事長、フューチャ ー・ジャパン・メンター・ネットワーク(FJMN)発 起人、NY一旗会メンバー。コロンビア大学経 営大学院(MBA)修了。80 10テーマ若者の未来Friday, February 12, 2016|Vol. 851|14 INTERVIEW気になる二人のNY対談2人だからできる話がある。 気になるあの人たちが、 一つのテーマについて対談する。 ニューヨークの日系企業 と若手の活性化を支援す るフューチャー・ジャパン・メ ンター・ネットワーク(FJ MN)のリーダー、全大成 さ ん と 、F J M N 発 起 人 で、同会支援者の一人であ り、FJMNの活動母体と なっているNPO法人Ja Netの理事長、榮枝洋文 さんが「若手の未来」をテ ーマに対談。教えてください。■□■しています。 てくださっている企業が 榮枝 ニューヨークという 社。個人寄付も増えました。 土地柄、企業のエグゼクテ ――留学生の就活支援団体 ィブが集まっていて、海外に ではないのですよね?榮枝 そこだよね。留学生 や駐在員がニューヨークに 来て、英語の勉強や自分の 会社のことだけに時間と労 力をかけ過ぎる。それも大FJMN発起人、NPO法人JaNet理事長すが、違うんです。若手とい 事だけど、ニューヨークで うのは、学生に限らず、学 はたくさんのグローバルビ びたい人全てです。事務局 ジネスがお隣の日系企業で メンバーには社会人も多く 行われているのを知ったり、 います。FJMNで活動し 聞くのは、すごく臨場感あ ていた仲間のうち日本に帰 って大きな学びになる。日 った200人ぐらいが各分 系企業は、将来的に、自分 野で活躍しているので、そ の会社に新入社員として れを成果材料として出し 入るとか、自社の社員のレ てしまうと、就活支援団体 ベルアップといったことに に思われてしまう。実際、 はお金や知恵を出す。でも 全さんもキャリアフォーラ 若手全体を支援して活性 ムで3社から内定をもら 化させれば、未来の日本や い、就職が決まったよね。 社会の底上げになると考 全 はい。でも前年のフォ えてほしい。 ーラムではグローバルビジ ――榮枝さんは、いろいろな ネスについて聞かれても、 局面で、若手の支援をされ榮枝洋文FJMNリーダー全大成聞きたいとお願いすると気 全 現在は、企業トップに 軽に応じてくれる雰囲気 お話を聞く、「社長セミナ がある。知識のシェアと、そー」を定期的に開催して、 こから企業間のコネクショ企業と企業をつなげるこ ン、企業と若手のコネクシと、そして、そこから若手 ョンを生むのが狙いです。が学ぶ機会を作る活動を 全 FJMNは2013土台にしています。この他、 年に発足して以来、主旨を日系コミュニティー団体の 理解し、協力を申し出てくお手伝いをして、横のつな ださっている企業が 社、 し、気付きもあり、今回は がりを深めることも大切に 寄付など実際にコミットし 自分の見解を話せました。ています。「何の得がある の」と言われませんか? 榮枝 よく言われます――FJMNの活動について いる同胞のよしみで、話を 榮枝 よく勘違いされま 先人の恩恵によって今がある ―榮枝 自分たちも社会に貢献したいと思う ―全答えられなかった。FJM Nの活動に携わり、社長セ ミナー、会社訪問を通じ て、いろいろな知識を吸収(笑)。「何かメリットある の」とか。単純に、若手の火 は消してはいけないと思う からやっている。自分も先 人の恩恵によって今があ る。だから次にそれを渡さ なくちゃいけないと。FJ MNがすごいと思うのは、 自分たちのためではなく、 得たものは次に渡すという 考えが初代リーダーから 受け継がれていること。そ れが美しいと思うし、その 火を大きな炎にしたい。全 僕自身、最初は就活に 役立つかなとか、自分が得 したいと思って活動を始め た部分もあります。活動す る中で、榮枝さんはじめ、 支援者の皆さんが、「若手 に渡す」ことを実践してい るのを見たり、困難を一つ一 つ突破して結果を出してい く姿を見ていると、何かも っと大きな意味で、自分た ちも、社会に貢献したいと 思うようになります。 榮枝 僕らは若手を、きれ いな水辺に連れて行ってあ げるけど、水を飲むか飲ま ないかはその人次第だから ね。