Page 3 - NY Japion

03|Vol. 911|Friday, April 14, 2017 COVER STORY専門家が解説に似た、ほろ苦いリキュー 夏におすすめしたいのが、 味わいが複雑で完成されて ルになります。 バーボンにメロンやカンタ いるので、果物やハーブを Qインフュージョンにぴった ローペなどを漬け込むイン 混ぜてしまうのはもったい りの食材は? フュージョン。爽やかな味わ ない。だからといってチープ A蒸留酒ごとに変わりま いでおすすめです 。 すぎる蒸留酒だと、完成後 す。ウオッカは蒸留酒の中 ラムは、原料となるサト のクオリティーも下がるの でも無味無臭のものが多い ウキビが南国の食材なの で、バランスが重要です。 ので、基本的にはどんな食 で、マンゴーやパイナップ ウオッカやジンは、基本 材にも合います。野菜やハ ル、穏やかな香りのバニラ 的にどの銘柄も使えます。 ーブ、さらにコーヒー豆な ビーンズとの相性が抜群。 ラムも大きな違いはありま ど、可能性は無限にありま 同じように原料で考える せんが、「アップルトン・エスインフュージョン基本講座今日から使える基本情報を、お酒に関する講座やイ ベントを開催する「アスターセンター」の講師、ジェニ ファー・スミスさんが解説。Qインフュージョンの正しい むメリットは?方法は? A旬の野菜や果物も、アルAよく熟れた果物や野菜、 コールに漬け込むことで甘または摘みたてのハーブを みや香りを長期間持続さ す。 と、メキシコの蒸留酒メス テート」は手ごろな価格きれいに洗い、丸ごと、また せられます。例えば、とれた はカットして、好きな蒸留 てのリンゴや梨を秋ごろに 酒に漬け込みます。保存容 漬け込めば、翌年の春にな 器は味の移らないガラス製 っても、旬の甘みや芳醇(ほ ジンは新緑のような爽や カル(テキーラも含まれる) で、かつ上質に仕上がってい かなアロマが特徴なので、 は、アガペという青みのあ るのでおすすめです。 すっきりしたかんきつ類、 る植物からできているの メスカルは熟成させ過ぎ ハーブならラベンダーがぴ で、唐辛子やキュウリなど ないほうがマイルドな味わ ったりです。 の野菜、または酸味が強い いで、インフュージョン向がいいですね。そのまま数 日から数カ月、食材が底に 沈むまで待ち、好みで砂糖 を加え、寝かせれば完成で す。 Q蒸留酒に食材を漬け込うじゅん)な香りが楽しめます。基本的にはどんな野菜や果物でも蒸留酒に漬け込めるので、いろいろな食材を試していくうちに、 ルな香りがあるものは、カ Q銘柄の選び方は? 食全般への興味も広がりま モミールとよく合います。 A年代ものや高級銘柄は、 すよ。Q今の時期に漬け込みたい 食材は? A春はやっぱり野菜です ね。なじみのあるものだと 甘いエンドウ豆、変わり種 だとアスパラガスやアーテ ィチョークがおすすめで す。アーティチョークとハー ブを漬け込めば、イタリア でおなじみの、「チナール」 ウイスキーは種類が豊 トマトやかんきつ類を合わ 富ですが、ブレンドウイス せると、味がぐっと締まり キーで花のようなナチュラ ます。き。熟成期間が短いメスカ ルと、樽で熟成したテキー ラをブレンドした「ホーベ ン(Joven)」という種類を探 してみてください。 Q作ったお酒の楽しみ方 は? Aそのままストレートで飲 む他、他の飲み物と割って、 カクテルにするのが一般 的。簡単なアレンジとして は、果実酒1オンスに対し て、4オンスのスパークリ ングワインで割ると、味わ い深いカクテルになります よ。▲ジェニファーさん おすすめの( 左か ら)ジン、メスカル、 ウオッカ、ラム、ウイ スキー▶ イタリア で 人 気 の、アーティチョー クを使ったリキュー ル「チナール」ジェニファー・スインフュージョン、 始めましたウオッカやウィスキーなどの蒸留酒に、果物やハーブ、野菜 を漬け込み、味や香りを移す手法をインフュージョンという。 今号は、ニューヨークで楽しめる、奥深いインフュージョンの 世界へご招待。ミスさん 「ニューヨークサイダー協会」事務 局 長 、「 ア ス タ ー センター」カクテ ル講師 www.astorcent ernyc.com