Page 3 - NY Japion
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03|Vol. 889|Friday, November 4, 2016 COVER STORYお話を聞いた人: モルテン・ソールバーグさんノルウェー出身。デザイナー として活躍した後、オンライ ンデザイン教育サイトを立ち 上 げ 、そ の 後 食 関 連 の 事 業に方向転換。アメリカで はまだFarm to Tableの考 え方が知られていなかった 2000年代前半から、自営 農場の野菜を使った、新鮮 な料理を提供し続ける。「シアード・スカロップ」は出汁をベースにしたソースで優 しく味付け。チリの漬物と青のりがアクセント北欧料理に 魅せられて今、モダンな北欧料理がニューヨークのファインダイ ニング・シーンでじわじわと人気上昇中。今号では、 北欧(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デ ンマーク、アイスランド)のテイストを取り入れた、 注目のレストランを紹介するとともに、かの地の食文 化を探る。自然と共存し、海と大地を味わう  同時に「料理の中に季節 ごとの色が出るので、今な ら秋色のお料理になるんで す」とも。そして出してくれ たのが「ビーツ・ブルギニョ ン」(右のとびら写真)。ビ ーツの深いワインカラーと クリスピーポレンタの鮮や かな黄色、そしてポーチド エッグの白が織りなす秋色 の一品は、仕上げにフェンネ ルリーフの素揚げをあしら い、まさに森の中に迷い込 んだ気分になる。フォーク をさっと入れると、とろり と黄味が流れ出し、ビーツ の「土臭い甘さ」を柔らかく 包む。クタコス」(表紙写真)は、 柿のサルサでポークをあえ て、さわやかな秋の風味を プラス。シンプルな「フライ ドチキン(左写真中央)」で すら衣に赤トウガラシを 加えて、紅葉をイメージさ せる演出。もちろん味もボ ールドで、寒い季節には体 が温まる。  北欧料理といえば、スモ ークサーモンや酢漬けのニ シン、ミートボールを想像 してしまうが、ここ数年ニのモルテン・ソールバーグ さん。ノルウェー出身で、同 レストラン以外にも市内 各所にある「スモーガス・シ ェフ」「クレープ・ドゥ・ノル ド」も経営している。ューヨークをざわつかせて いるモダンなスタイルのも のもまたその一つ。北欧料 理の魅力、そしてその神髄 を探るべく、ウェストビレッ ジの「ブレンハイム・レスト ラン」に向かった。  「北欧料理の本質は、季 節ごとにその土地で採れ た、新鮮なものを食べる、い わゆるファーム・トゥ・テー ブル(=地産地消)です」と ソールバーグさん。動物な ら頭のてっぺんからしっぽ の先まで、野菜なら根から 葉っぱまで食べるというか ら、かなりたくましくワイ ルドな料理だ。食材は自営農場で栽培場で飼育しているアイスラ ンディック・ラム(羊の原種 といわれる)を2種類の調 理法(ステーキとソーセー ジ)にして供する。ラム特有 の臭みが少なく、うま味が あり、スモークソルトとの 相性がいい。ワイルドかつ繊細に 季節を堪能する  地産地消を実践するた め、同レストランではキャッ ツキルにある、店名の由来 ともなっている自営農場  お話しを聞いたのはオー ナーでエグゼクティブシェフ  またトルティーヤの代わ りにコールラビのスライス を使ったユニークな「ポー「ブレンハイム」で野菜や家 畜を育てている。例えば、左 下の写真は同店自慢の子 羊料理で、ブレンハイム農  「ブレンハイム・レストラ ンでは、アメリカ人が大好 きで、なじみのあるメニュー を、北欧料理特有のアプロ ーチで再現しています」と ソールバーグさんは話す。  一見アメリカンなメニュ ー構成だが、「自然と共存 して、自然を味わう」とい う、北欧の人々の食への考 え方が、レストラン全体か ら伝わってくる。「北欧料理 とは何か」を知りたけれ ば、まず「ブレンハイム」に 足を運ぼう。ブレンハイム 農場産のア イスランディ ック・ラムを使 ったメーンディッシュ赤トウガラシ のグレーズと 紫キャベツの 酢漬けをあし らって色鮮や かに仕上げ た「フライドチ キン」Blenheim Restaurant283 W. 12th St. (bet. W. 4th & 8th Sts.) TEL: 212-243-7073 www.blenheimhill.comSmorgas Chefwww.smorgas.comCrepes du Nordwww.crepesdunord.com


































































































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