Page 14 - NY Japion
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第 回  新しい枠組みの大会ムと試合をする機会はほ とんどありません。ワール ドカップ(W杯)ではアジア 予選を勝ち抜いた後は、ア ジア以外の国々と対戦を しないといけないのが現実 です。に、この地域はプロサッカー 界にとって、「ラストマーケ ット」として商機があると 認識されています。だから こそ、この地域のリーグが 連携し、大会を開催するこ とは、将来のサッカーの発 展にもつながると考えてい  さらに言えば、Jリーグ はAFCのリーダー的な 存在であり、MLSはCO NCACAF(北中米カリ ブ海地域)のリーダーと言 えます。この二つの連盟の 距離が縮まることで、将来 的にもっと力を持ち、UE FAなどとも肩を並べる存 在にしたい。大会の位置付 けは、プレシーズンの親善 大会ではありますが、それ ぞれのリーグ、連盟のプラ イドを賭け真剣勝負とし て見応えのある試合が繰り 広げられるはずです。リーグ横断して対戦 「環太平洋」の強化  この度、「パシフィックリ 第1回を実施しました。   パシフィックリムカップム カ ッ プ 」を 来 年 2 月 8 、   ア イ デ ア と し て は 、ア メ大会は、そうした状況にあ る日本人選手たちに、国際 的な試合経験をもっと積ん でもらい、日本サッカーの レベルを上げてほしい、ま た日本サッカーが国際化し てほしいという思いが根底 にあります。ます。日に開催することになりました。これは、日本の2クラブと、アメリカのメジャー・リーグ・サッカー(MLS)の2クラブが、毎年ハワイのアロハスタジアムで対戦する大会です。 合わせればユニークなのではないかと考えたのが発端 始まりは卒論から です。環太平洋という枠  もう一つ大きな特徴とし てはハワイが開催地であ る、という点です。まず、環 太平洋地域のチームが集 結するのに位置的に公平で ある点が挙げられます。  今回、アンダーアーマー 日本総代理店のドームコ ーポレーションの理解と支 援があり、ハワイでは6年 ぶりとなるMLSとJリ ーグのクラブの対戦が実現 しました。  日本でプレーする選手   実はこの大会の草案は、 は、チームがAFC(アジア 私自身が大学院時代に書 サッカー連盟)アジアカッ き上げた卒業論文にまで プに出場し、アジアのチー さかのぼります。この卒業 ムと対戦することはあって 論文を草案にして、MLS も、日本代表に選出されな 勤務時代の2008年に、 い限り、非アジア圏のチー  世界各地にサッカーの国 際大会は存在します。ワー ルドカップはもちろんです が、強豪クラブがひしめく 欧州ではUEFAチャンピ オンズリーグがあり、こち らも実力あるクラブが多い 南米にはコパリベルタドー レスなど、リーグを横断す る大会が存在します。  また、ハワイと言えばリ ゾート地の印象が強いです が、実はスポーツの切り口 で見ると、プロアスリート たちがトレーニングをする のに適した環境と施設、そ してホスピタリティーがあ ります。  日本からの出場クラブ は今年、ハワイ州と姉妹提 携した北海道からコンサ ドーレ札幌。ドームコーポ レーションがいわき市と共 に立ち上げ運営している、 いわきFCは、東日本大震 災時アメリカから受けたリカ国内で、アジアのチー ムが参加する定期的な大 会は存在せず、一方、日本で もアメリカのチームと対戦 する定期的な大会もない ことから、この二つを掛けハワイで開催する意味  ハワイでは毎年催されて いたNFLのオールスター 戦、プロボウルが撤退し、メ ジャーリーグのプロスポー ツ観戦の機会が減りまし  環太平洋地域に目を向けると、JリーグもMLSも開幕してから約 年強。 た。そうした背景からも、 意を表すために参戦。 オーストラリアのAリーグ パシフィックリムカップの開   MLSからは今季西地 やその他のリーグも若いも 催は、地元からは厚い歓迎 区プレーオフに進出の古豪 のが多く、サッカーにおい を受けています。 バンクーバーホワイトキャ ては新興の地域です。   また日本とのつながりが ップスに、東地区決勝まで  ですが、欧州のクラブが 深いハワイで、日米両国か 進出をしたコロンバスクル 毎年交互にアジアツアー らチームが参加すること ーという名門クラブが二つ や、北米ツアーを実施して は、観光業にも貢献できる そろって参戦します。 いることからも分かるよう と考えています。さらなる狙い  スポーツビジネスの観点 から、この大会のメリット を数々挙げてきましたが、 もう一つの狙いは、Jリーグ はじめ日本サッカーとML Sの交流を促進させること にあります。  両リーグの海外事業開 拓のコンサルティング業務 を請け負い、日夜奮闘して いますが、まだまだ双方の 交流が非常に少ないことは 否めません。この大会が両 リーグがさらに近づくため のプラットフォームになる ことも願っています。「トモダチ作戦」へのお礼のパシフィックリムカップが行われるアロハスタジアム(ホノルル)。2008年の同大会もここで開催された(www.pacific rimcup.com)20中村武彦の プロスポーツから見る世界でも一歩進んだスポーツビジネスが展開さ れるアメリカ。多くのプロスポーツの本部がある ニューヨークでは日々、新たな考えやビジネスモデ ルが生まれている。最先端のプロスポーツビジネ スの現場に携わっている中村武彦が解説するコ ラム。10Friday, December 8, 2017|Vol. 945|14 BUSINESS22中村武彦マサチューセッツ大学アマースト校スポーツマ ネジメント修士取得、2004年、MLS国際部 入社。08年アジア市場総責任者就任、パン パシフィック選手権設立。09年FCバルセロ ナ国際部ディレクター就任。ISDE法科大学 院国際スポーツ法修了。FIFAマッチエージェ ント。リードオフ・スポーツ・マーケティングGMを 経て、15年ブルー・ユナイテッド社創設。


































































































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