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39|Vol. 897|Sunday, January 1, 2017 月一連載(謝る・優しくなる)第104回 異国でDVに遭うということ DVは人種や国を問わず起こる問題ですが、母国ではなく異 国で被害に遭うということは、被害者にとってどういう意味を持つ のでしょうか。真っ先に思い浮かぶのは、言語の問題です。被害 状況や経緯を説明しようとしても、限られた語彙(ごい)ではうまく 伝えられません。それ以前に、支援機関一つ探すのにも母国語 のようにはいかず、時間は費やせど必要な情報にたどり着けないものです。 ヘルプラインの電話番号が分かっても、英語での説明に自信 が持てず、オペレーターが電話に出るや否や切ることを繰り返 す。警察が駆け付けても、ペラペラと嘘をつく加害者を前に、日 頃から加害者に言われている「警察は外国人の言うことなど聞 かない」の言葉が急に実感として押し寄せ、自信を失う。移民ス テータスの問題も大きくのしかかります。結婚を約束されるも永 住権のスポンサーシップを逆手に取られ、手続きをする代わりに 金銭などを要求されるとか、わざと不法滞在直前まで申請せず、ビザが切れた時点で「移民局に通報するぞ」を脅し文句に、被 害者を意のままに操る、というような状況が発生します。 祖国を単身で離れた被害者の多くは、頼れる家族や友人が おらず、孤立化が加速し、最終的には加害者への依存がより高まるという負のサイクルに入ります。ただでさえ困難なDVがより 多くの壁に阻まれ、脱することが不可能にも思える状況へと変 わっていくのです。一人で悩まずに電話を取ってください。日本語 で受けられる支援があります。永尾香織/カウンセラーNew York Asian Women's Center (NY市在住アジア系女性のためのDV被害者保護団体)沈黙を 3ハネムーン期破るDV ー 家庭内暴力TEL: 1-888-888-7702(「Japanese please」と伝えること)サービスは無料Email: japaninfo@nyawc.org(日本語・英語) www.nyawc.org1緊張期 (非難・口論)2暴力期 (身体的・性的・精神的)NHK出版から転載している 「ためしてガッテン」著作権の都合により、不掲載となります。

