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29|Vol. 883|Friday, September 23, 2016 月一連載(謝る・優しくなる)第101回 10月はDV啓蒙月間 DVは、年齢にかかわらず起こる問題です。DV啓蒙月間を目 前にし、今回は社会的な認識が低い高齢者虐待についてお話 ししたいと思います。60歳以上の10人に1人が何らかの虐待を 経験しているという現実があり、その90%が家族あるいは親族 からの虐待です。加害者の6割以上が、被害者の子供か配偶 者であるという報告もあります。高齢者虐待の中で特に多いの はネグレクト(無視・放置)で、故意に必要なケアを怠る能動的ネ グレクトと、介護知識に欠けるため必要なケアを怠る間接的ネグ レクトがあります。前者には、食事、メガネ、入れ歯、暖房、清掃や 処方箋薬など、日常生活に必要な支援を絶つ行為などがありま す。耳や足腰が不自由になる、同世代が他界するなど、社会から の孤立を意識する高齢者は多いと思います。しかしDVでは、それが家族などの意図的な行為によってもたらされているという、 悲しい現実があります。  NYAWCにも、「何でも自分でやってきたのに、健康に陰りが 見え出した途端、信頼していた子供たちに裏切られて一文なし になった」と相談に来る高齢者が後を絶ちません。ただ、われわ れが受ける相談は氷山の一角だと思っていいでしょう。体力・気 力の衰えから誰にも相談できない高齢者も多く、さらには加害者 が自分の子供だと、法に訴えることをためらう人も多いからです。 DVでは、被害者が支援とつながる道筋をつけることが課題で す。私たちにもできることがあります。DVに関する知識を深め、 被害者と支援機関を結ぶ架け橋になってください。永尾香織/カウンセラーNew York Asian Women's Center (NY市在住アジア系女性のためのDV被害者保護団体)沈黙を 3ハネムーン期破るDV ー 家庭内暴力TEL: 1-888-888-7702(「Japanese please」と伝えること)サービスは無料Email: japaninfo@nyawc.org(日本語・英語) www.nyawc.org1緊張期 (非難・口論)2暴力期 (身体的・性的・精神的)NHK出版から転載している 「ためしてガッテン」著作権の都合により、不掲載となります。


































































































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