Page 9 - NY Japion

09|Vol. 871|Friday, July 1, 2016 AREA INFO進め!NY道R269 世界中から人が集まるニューヨークには長い発 展の歴史と物語がある。この街の変遷を1カ所 にフォーカスして紹介する。今回は、珍しい「飛める。川はどう見ても自然 の造形だ。イタリア移民作 業員が血と汗を流して掘っ た人工河川とは思えない。この「外環状道路」に囲まれ て住宅地が小高い丘の上に 造成されている。地図や航 空写真で俯瞰(ふかん)す ると、マンハッタンの他のどの道筋に沿って並ぶ一戸建 てたちが、また面白い。多く はクイーン・アン様式。 世 紀英国で生まれアメリカで 再興した建築スタイルで、 八角形の塔棟や玄関テラ ス、非対称的なデザイン等 が特徴だ。新興のアメリカ 庶民がヨーロッパ王侯貴族 に抱いた憧れが今も町中に 漂う。これだけまとめて同 じ様式が残っているのも珍 しい。「飛び地」ゆえの街並 ガラパゴス化なのかもしれ ない。見とれながら歩いて いるうちに内環状道路を 2周してしまった。び地」マーブルヒルを奥深く分け入ってみる。 橋を渡ったら228ストリートで左折してみよう。 こにもない二重円の土地構 道路は大きく弧を描く。か 成だ。ユニークな街並みに 前回は、インウッドから 地下鉄1ラインの21 切断されたマーブルヒルの 5ストリートで降りてブロ 成り立ちについて語るうち ードウェーを北進、不遇の に紙幅が尽きてしまった。 飛び地、マーブルヒルに向 今回は、連載を延長して、 かう。キングスブリッジを その切断部分を歩いてみ 渡る途中、ハーレム川越し飛び地ゆえの異形る。にマーブルヒルの全景が臨 マーブルヒルがマンハッ タンであると正式に認めら れたのは1984年のこと だと聞いた。時代の流れに 抗いきれず、運河を掘ら れ、イグアナの尻尾のよう に切り捨てられたマンハッ タンは、かたくなにブロン クスへの帰属を拒み、絶滅 危機生物さながら人知れ ず自分なりのスタイルを貫 いてきた。なぜか窓辺にバ ーニー・サンダース支持の プラカード掲げる家が多 い。年を取ったらこんな偏 屈な土地に住むのもいいか なと思った。 (中村英雄)早いもので、小さかった娘が中学を卒業し九月からは高校進学です。 フェンシングだって!クロスカントリーって 西海岸やカナダや メキシコまで行くのかな?アホ娘にパソコンで検索 させて誤解をときました...先日、新入生説明会で もらって来た案内を 見て...とっても 楽しそう!つては馬てい形に蛇行して 呼応するかのように、家々 いた旧河川の残影だろう にも特徴がある。まず、道の か。埋め立ての形跡、すな 湾曲に合わせた曲面ファサ わち米大陸本土(またの名 ードを持った集合住宅が をブロンクス)とのつなぎ目 多い。丘の上の丸い壁の部 は、腕のいい美容整形外科 屋からの眺めはさぞかし 医による手術痕のごとく、 良いことだろう。まったく目立たない。 「丸ビル」の脇道を一歩奥 に入る。アルジェリアのカス バに足を踏み入れたような 隔離の感覚。思わず胸に高 228ストリートから 揚を覚える。坂を上り切る テラスビュー・アベニュー、 とヴァン・コーリア・ストリ 225ストリート、マーブ ートに当たった。これがい ルヒル・アベニューと回る。 わば「内環状道路」。楕円形イグアナの反骨わあ! 高校ってたくさん クラブがあるんだね!高い フェンスをさすが高校に なるとすごいね!登るのかな?フェンスには登れないけど フェンシングクラブに希望出してみた〜「いろんな部活」高嶋リカ読者からのストーリーを募集!自分のニューヨーク体験をマンガにして もらいたい人はreader@nyjapion.comまで。18©AOZORA ART228ストリートからテラスビュー・アベニューへ至る坂道。 湾曲した通りに沿ってアパートも湾曲しているクイーン・アン様式の住宅。木造三階建てで八角形の 塔を持つのはこのスタイルの特徴今日は風呂上りに 自分の体形をしっかり チェックして 今からショックを旧河川が埋め...和立らてらげれたてル区画地図。街並は現在もほとんど変わっていない直後、1916年おこうのマーブルヒ