巻頭特集

野球の魅力を今こそ語り合おう!

日本人草野球徹底解剖!

ニューヨークには、日本人を中心としたアマチュア野球リーグがいくつかある。実際に当地で活動している野球チームやリーグを紹介していく。


日本人リーグで活躍する名物キャッチャー
メッツ魅力草野球醍醐味

野球をこよなく愛する「じゃんくす」のキャッチャー、カセイさん

 

日本人アマチュアリーグで活躍するカセイさんは、「1986年のワールドシリーズ優勝時に生で観戦して以来、メッツ一筋です」と語る根っからのメッツファンだ。カセイさんいわく、メッツは生え抜き選手を大事に育て、決して強くはないが強者に勝つために毎試合いろいろ工夫や戦略を凝らす。だからこそ応援のし甲斐があると言う。

今季のメッツは開幕直後からスタメンの故障続出に見舞われるが、無名選手を積極起用、チャンスを与えたのが奏功して、現在、ナ・リーグ東部地区で首位を走る。

「彼らが毎回どのようにして勝とうとするのか、その戦略や戦いぶりを見るのが面白いんです」と熱く語るそんなカセイさん自身は、ニューヨークのアマチュア野球リーグ「JAA外務大臣杯軟式野球大会」参加の名チーム、「じゃんくす」のキャッチャーで5番を打つ主力打者だ。

毎年4月から8月にかけて開催される同大会は今年で35回目を迎える。昨年は新型コロナウイルスの感染でニューヨーク市から開催を許可されなかったため涙をのんだが、今季は大会の組織運営も手がけるカセイさんらの不断の努力で開催を敢行している。現在毎週末にセントラルパークとランドールズ島を会場に、全13チーム(左のリスト参照)による熱戦が繰り広げられている。

名門同士の一騎打ち

6月20日に行われた「じゃんくす」(優勝6回)と「ジョーカーズ」(優勝10回・最多)による対戦では、名門同士の一騎打ちだけに、試合は草野球とは思えないほどのハイレベルの内容となった。

この日のじゃんくすは、初回に1点を先取、カセイさんの的確なリードの元、ベテラン投手が3回まで無失点で守り、4回表には追加点を得た。しかし同回の裏には、ジョーカーズの若手選手の連続2塁打であえなく同点という展開に。リリーフの投手が5回裏を3者凡退に抑え、両軍が拮抗する形になると、制限時間も迫る6回表、走者1、2塁からカセイさんと続く打者が適時打をさく裂し、4ー2とリード。同回裏は、1点を返されるハラハラする局面があるもそのまま乗り切り、6回時間切れで、じゃんくすが勝利した。

試合後には勝者敗者ともに晴れ晴れとした笑顔で握手を交わした。「1年間野球できなかったので、実際に仲間に会って野球するって本当に素晴らしいと実感しましたね」と汗を拭きながら話すカセイさんの姿が印象的だった。

エラーあり、暴投ありの草野球は、メンバー全員がそれぞれの役割を果たし、最大限に力を出す「全員野球」がモットー。それこそがアマチュア野球の醍醐味なのだろう。


13チーム勢ぞろい
栄光の外務大臣杯は誰の手に?

❶チーム名
❷創設年
❸部員数
❹優勝回数
❺特徴


Aブロック

ニコニコ
(Niko Niko)
1986年
15人
7回
リーグ最古参チームの一つで強豪


 

ニューヨーク・ジョーカーズ
(New York Jokers)
1995年
25人
10回
リーグ最多優勝チーム。別名JAAのヤンキース


 

ショッカーズ (Shockers)
1990年
17人
0回
20代から50代まで世代を超えたメンバーが集まる


 

セントラル・パーク・チュパカブロス
(Central Park Chupacabros)
2021年
12人
0回
今季よりリーグ初参戦。期待の新チーム


 

ベーブ
(Babe)
2000年
16人
0回
チーム名は野球の神様「ベーブ・ルース」にちなんでいる


 

バットメン
(Batmen)
2002年
15人
0回
少なめの人数だが、現在ブロック2位と善戦中


Bブロック

ピギーズ
(Piggies)
1997年
10人
0回
勝負に固執せず野球を楽しみたい人が集まる温かいチーム


じゃんくす
(Junks)
1989年
16人
6回
チームの絆と全員野球で今年も頂点を狙う


 

 

ロデオ50
(Rodeo 50)
2009年
16人
0回
入団資格は50歳以上の野球好き。メンバーの最高年齢は64歳


ブルックリン・ダンボース
(Brooklyn Dumbos)
1986 年
17人
0回
リーグ最古参チームの一つ。選手にはブルックリン出身者が多い


ブラックヤンキース(Black Yankees)
1998年
20人
0回
ロングアイランドを本拠地とするチーム。選手の個性を重視


 

ラジハマ<ラジエーターズ / ハマッコ>
(Radiators /Hamakko)
1996年/2003年
20人/20人
3回(ラジエーター)
2021年シーズンの特別編成合体チーム


 

キザル<猿軍団 / ビーズ>
(Sarugundan/ Bees)
2006年 / 1997年
12人 / 20人
2回(ビーズ)
2021年シーズンの特別編成合体チーム

Photos by JAA Foreign Minister Cup Nanshiki Baseball Tournament

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