ドクターベルモンテが教えるウェルネス道

カイロプラクティックは 「人間丸ごとケア」

カイロプラクティックは「人間丸ごとケア」(Vol.42)

現代に生きる老若男女が健康でいるための生活のポイントを、カイロプラクターのドクターベルモンテが教えてくれる連載。


開業30周年での原点回帰 チーム医療で治療最適化

おかげさまで私のクリニックも今年、開業30周年を迎えることができました。この間、NYジャピオンでたくさんの日本人の患者さんにリーチアウトすることができました。そうやって当院を知り、通ってくださった患者さんのおかげで、これだけ長く続けることができました。この場を借りてお礼を申し上げます。

このコラムでも以前触れましたが、当院の理念は「チーム医療」と「人間丸ごとケア」です。今回は、私のカイロプラクターとしての、その原点に立ち返ってみたいと思います。

年このメンバーでチーム医療を提供しているE. 53ウェルネスのスタッフたち。左から理学療法士・城戸亜幹絵さん、ベルモンテ先生、オフィスマネジャーの浩代さん、東洋医学のザン先生

当院自慢の専門家たち

当院は開業30周年ですが、私のカイロプラクター歴は30年以上です。資格取得後に初めて勤務し、経験を積んだカイロプラクティッククリニックが、それからの私のカイロプラクターとしての道を決めました。そこでは、カイロプラクターを中心に、医師とラボ技術者が集結し、それぞれがそれぞれの分野の専門知識と技術を提供することで一つのチームとなり、患者さんの統括ケアに当たっていました。私の原点はまさにそこにあります。

開業してしばらくはカイロプラクティックの看板しか掲げていませんでしたが、のちにクリニック名に「ウェルネス」の単語を冠し、念願の「人間丸ごとケア」を実現しました。「痛みのケア」を軸に、スポーツ医学・ペインマネジメントの医師と提携し、理学療法、指圧その他のマッサージ療法をまず取り入れました。ヨガやピラティスなどのクラスも設け、健康的なライフスタイルを提案しながら、さまざまな痛みと症状を抱える患者さんの治療に当たっています。

また、私はカイロプラクターとして妊婦さんの治療が得意分野の一つ。しかも当院には、新生児・乳幼児専門のカイロプラクターであるラルフ先生がいるので、逆子の回転や、出産直後の新生児の診察には彼が対応します。

ベルモンテ先生と、新生児カイロの専門家ラルフ先生

理学療法やピラティスなどのエクササイズはこのスタジオで行われる

東洋医学医も仲間に

そして2022年から、東洋医学の専門医であり、カイロプラクターでもあるリン・ザン先生がチームに加わったことで、当院の「チーム医療」は完成形に近い形となりました。

ザン先生は、中国伝統医学で三本の指に入る南京大学で学び、免許を取得。カイロプラクターとしての資格はその後米国で取得しています。実に優秀で、患者思いの先生です。カイロプラクティックと鍼、漢方薬を組み合わせたユニークなアプローチは、患者さんにも人気があります。

当院には、腰痛、首痛、頭痛、膝痛、足首痛など、さまざまな痛みを抱えた患者さんが来られます。痛みは、原因、痛む場所、痛みの程度、どんな痛みか、その他の周辺症状、ひいては患者さんの年齢や性別、ライフスタイルなど、さまざまなファクターが関与し、治療も千差万別です。

チーム医療を軸とする当院では、ケースバイケースでカイロプラクティック、理学療法、マッサージ、東洋医学(鍼、漢方)と、どの治療法が適切か、または組み合わせるべきか、随時判断して最適な治療を提供することができます。

ところで、どこかに痛みがある場合、どこで診てもらったらいいか分からないという人はいませんか? 当院はそうした患者さんを適切な専門医に紹介する場所でもあることを知っておいてください。もちろん当院で治療できるものはしますが、そうでない場合は各分野の専門医に紹介します。カイロプラクターは腰痛だけ治療しているわけではないのです。

開業30周年の節目にこのコラムを執筆しているのも何かの縁。これからもコラムを通して、読者の皆さんにもっとカイロプラクターの仕事について知っていただけたら、これほど嬉しいことはありません。

 

ジョン・J・ベルモンテ 先生
John J. Belmonte, DC

E. 53 Wellness院長。カイロプラクター(Doctor of Chiropractic)。全米カイロプラクティック協会会員、ゴルフPGAツアー・スポーツ医学チーム所属。アスリートのけがの治療、妊娠中の痛みの緩和、成長期の子供のカイロ治療も手掛ける。

E. 53 Wellness

211 E. 53rd St./TEL: 212-980-4211
e53wellnessnyc.com


今月の教訓!

「痛みの治療はまず原因を知ろう」

ひと昔前なら医師は、たとえばぎっくり腰ならとりあえず筋肉弛緩剤を処方していました。しかし今は医学界の意識も高まり、「なぜぎっくり腰になったのか」に着目する時代です。どんな時に、どんな姿勢で、日々どんな食事をとっているのか、運動量は?——ライフスタイルを見直し、原因を追究することで、今後の予防対策も講じることができます。まずは患者さん一人一人が高い意識を持ち、痛みの原因を知る大切さを知ってほしいと思います。

リクエスト募集中ドクターベルモンテへの質問や取り上げてほしいテーマについてはeditor@nyjapion.comまで!

               

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