ドクターベルモンテが教えるウェルネス道

扁平足の原因と 予防・治療&インソール

扁平足の原因と予防・治療&インソール(Vol.32)

現代に生きる老若男女が健康でいるための生活のポイントを、カイロプラクターのドクターベルモンテが教えてくれる連載。


扁平足予防の足裏運動インソール使用も有効

今回は「扁平足」についてお話ししたいと思います。当院には、プロ・アマ問わずダンサーがよく患者として来院されますが、意外と多いのが、足裏のアーチ(土踏まず)がなくなっている、扁平足のダンサーです。

足裏のアーチがなくなると、足底筋膜が引っ張られ、ジャンプなどを繰り返すうちに足底筋膜に炎症が起こり、痛むようになります。これを「足底筋膜炎」と言います。ダンサーに限らず、バレーボールやバスケットボールなど常にジャンプするスポーツや、日常的なジョギングでも起こり得る症状です。

足の裏に膜のように張っている腱組織は、足裏のアーチを保持し、ショックを吸収する緩衝材の役目を果たしています。その腱組織が弱くなり扁平足になると、緩衝機能が低下し、炎症を起こす原因の一つでもあります。

さらに言えば、扁平足は骨盤の歪(ゆが)みを引き起こす原因の一つです。

というわけで今回は、当院の理学療法士・城戸あきえが、足底筋膜炎を治療する際に患者に指導している三つのエクササイズを紹介するとともに、カイロプラクターである私の立場からは、靴底に入れるカスタムメードのインソールについてお話ししましょう。

 

足指の上げ下ろし運動

扁平足(足裏のアーチがなくなった状態)になる主な原因の一つに、かかとと足首が内側に倒れこんでいることが挙げられます(イラスト参照)。それを改善するために、次のようなエクササイズをやってみてください。

1.足指の上下運動=裸足で足裏全体を床に付けて椅子に座り、5本の指を一緒に上に向け、次に親指だけを下げて床に付け、続いて残り4本を下げ床に付ける(写真①参照)。10回3セット。

2.足裏マッサージ=椅子に座り、ゴルフボール(棒状のもので代用可)の上に足の裏を乗せ、縦横とコロコロ転がす(写真②参照)。

3.ふくらはぎのストレッチ=立った姿勢から片足を前に大きく踏み出し、後ろの脚の膝を伸ばす。上体をまっすぐにし、体重を前の足に乗せ、後ろの脚のふくらはぎに伸びを感じたら30秒キープ。両足の足裏は床に付けたままで。

カイロのインソール

カイロプラクターの専門は脊柱、骨盤の矯正ですが、そのことは扁平足とも密接な関係があります。土踏まずをサポートするために、靴の底敷き(インソール)を使うことがありますが、このインソールをカスタムメードすることも、我々の仕事の一つなのです。

そもそも骨盤が傾く原因の一つが扁平足です。インソールは、扁平足の矯正にも使うと同時に、骨盤が傾くことで崩れた体の左右のバランスを矯正するためにも使います。

インソールは必ず両方の足用にペアで作ります。いわゆるヒールリフトとは別物で、カイロプラクティックで作るインソールは、足と足首全体をサポートするためのもの。必要に応じてインソールの下にヒールリフトを施し、左右の骨盤のバランスを調整します。

かくいう私もインソールの愛用者で、左右両方の足に扁平足予防のための土踏まずサポートを施し、左足だけに3、4ミリのヒールリフトを入れて、左右を調整しています。

インソールには、大きく分けると日常生活用とスポーツ用があり、サッカーやランニング、野球用など、それぞれの目的に合わせて作ります。足から体をサポートしてくれるので、スポーツのパフォーマンスを上げる一助にもなります。シェフや美容師など、立って仕事をする時間が長い方々にも使っていただいています。

 

ジョン・J・ベルモンテ 先生
John J. Belmonte, DC

E. 53 Wellness院長。カイロプラクター(Doctor of Chiropractic)。全米カイロプラクティック協会会員、ゴルフPGAツアー・スポーツ医学チーム所属。アスリートのけがの治療、妊娠中の痛みの緩和、成長期の子供のカイロ治療も手掛ける。

E. 53 Wellness

211 E. 53rd St./TEL: 212-980-4211
e53wellnessnyc.com


今月の教訓!

「ふくらはぎを柔軟に」

足裏のアーチを維持し、扁平足にならないためには、ふくらはぎをマッサージして柔らかくすることが大事です。そうすることで足首の可動域が広がり、それがひいては扁平足の予防につながると、当院の理学療法士・城戸は話しています。ふくらはぎが硬いと足首も硬くなり、足裏の痛みにつながるからです。ふくらはぎをストレッチポール(アマゾンなどで購入可)の上に乗せ、前後に動いてマッサージしてもよし、手でマッサージしてもよし。

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