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まず、HIVとは、ヒト免疫不全ウイルス(Human Immuno- deficiency Virus)の頭文字をとったウイルスの名前です。HIV感染を放置し、体内で増殖したウイルスによって免疫機能が低下した結果、命に関わる重篤な感染症(日和見感染)や悪性腫瘍を発症した状態をエイズ(AIDS=Acquired Immunodeficiency Syndrome、後天性免疫不全症候群)といいます。
エイズは、1980年代に最初の症例が報告されました。当時は「エイズ=死」のイメージがありましたが、90年代後半に有効な治療法が開発され、状況は劇的に変わりました。今やHIV感染症は死病ではなく、糖尿病や高血圧症のように、治療薬によってコントロールできる病気です。感染を早期発見し、薬を適切に服用することで、感染前とほぼ変わらない生活を送り、非感染者と同じように健康で長生きすることができます。アメリカではHIVが薬で適切にコントロールされている患者の場合、寿命は一般の米国人と同等、またはそれ以上という統計もあります。
しかし残念なことに、新たなHIV感染者は今も後を絶ちません。米政府によると、新規感染数は激減したものの、それでも2017年は新たに3万8739件が報告されました。15年末時点の総感染者数は約110万人で、そのうち約15%は、自分の感染を知らない人たちと推定されています。
日本では、18年の新規HIV感染者報告数が921件でした(速報値)。2年連続で減少しましたが、HIV検査の件数自体が年間3万件強と極めて少なく、この数字の信憑性は低いと言わざるを得ません。性風俗がいまだに盛んで、HIVに対する公衆の理解も低い日本では、潜在患者数は報告件数よりはるかに多いとも考えられます。ちなみにアメリカでは、全人口の約半数がHIV検査を最低1回は受けているそうです。
性行為による感染、血液を介した感染(違法薬物の注射針の回し打ちなど)、母子感染が3大経路です。そのうち母子感染は非常に稀で、妊娠中に母親が治療薬を服用することで、子供への感染リスクを最小限に抑えることができます。
最も多いのは、コンドームを使わない無防備な性行為による感染です。精液、膣分泌液、血液など、HIVを含む感染者の体液が性交相手の性器や肛門、直腸、口などの粘膜や傷口から体内に入ることで感染します。アメリカでは、男性同士で性行為をする人、特に肛門性交をする人たちの感染リスクが最も高く、新規感染者の6割以上がゲイ、バイセクシュアルの男性です。これは、肛門の粘膜が傷つきやすいことなどと関係しています。
一方、性行為、血液、母子感染以外に、日常生活で感染するリスクはゼロに等しいといえます。ディープキスも普通は大丈夫ですが、互いの口内に傷がある、歯茎に出血があるなどの場合は、ごく稀ですが、感染の可能性はゼロではありません。ちなみにHIVは唾液では感染しません。
HIVの抗原・抗体を調べる検査や、血中のHIVの有無と、その量を調べる検査があります。一般的に、まず抗原・抗体検査を行い、陽性反応が出たらウイルス検査によって診断を確定します。患者の血液をラボに送って調べる場合、結果が分かるまで数日かかります。20〜30分で結果が出る迅速検査もありますが、精度に不安があるため、私が勤務する病院では使っていません。
現在主流の第四世代抗原・抗体検査は、抗体ができるまで時間がかかることなどから、感染した可能性のある日から45日以降に受けるのが効果的と考えられています。しかし、感染が気になる人は、直ちに医師に相談して検査を受けてください。ハイリスクの場合、72時間以内に「暴露後予防内服」(後編で説明)を開始することで、感染リスクをかなり低減できます。
HIV検査は全ての人が受けるべきです。非感染者は安心して予防に取り組め、感染が分かった人も速やかに治療を開始することで、自分を守るだけでなく、他人への感染を予防することにつながります。
※次回は、HIV感染治療と予防についてです。
斎藤孝先生
Takashi Saito, DO
内科医師(DO=Doctor of Osteopathic Medicine。
MDと同じく米国の医師の学位)。
日本で大学卒業後に総合商社に勤務、米国駐在を経て米国の医科大学に入学、卒業。
ブロンクスの病院で内科研修を修了。
現在はニューヨーク・プレスビテリアン・クイーンズ病院で感染症フェローとして、
エイズ、結核、その他感染症の主に入院患者の治療に従事。
米国内科学会(ACP)、米国感染症学会(IDSA)会員。
New York-Presbyterian Queens
56-45 Main St.
Flushing NY 11355
www.nyp.org/queens
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