~New Yorker’s English Expressions~ ニ&
多様な人種や文化の違いなど、日本人の親御さんにとって、ニューヨークで子育てすることは、時に孤独で難しいこともある。そんな方々のお力になりたい、子育ては地域みんなでするもの、渡邉先生のそんな思いを届けます。
「日本語の絵本は高くて買えない」「どの英語絵本を選べばいいかわからない」─そんな子育てのお悩み、実は賢い活用法があるのです! 多忙なニューヨーク生活でも、図書館とコミュニティーリソースを上手に使えば、お金をかけずに豊かな読書環境を作ることができます。言語習得の黄金期に、日本語と英語の両方で質の高い絵本体験を提供する方法をご紹介します。
日本語絵本の賢い調達術—無料で質の高い本に出会う
ニューヨーク公共図書館は隠れた宝庫
ニューヨーク公共図書館では日本語絵本を無料で借りられます。マンハッタン区の主要図書館には日本語書籍コーナーがあり、図書館カードは居住証明があれば即日発行可能です。
日系コミュニティーの心強いサポート
日本語補習校や日本人学校では、在校生向けに日本語絵本の貸し出しを実施。教育現場で選ばれた良質な本や寄贈本で構成され、品質は間違いありません。特におすすめはBJAFAコミュニティー図書館。親子向けに3000冊以上を無料貸し出しし、読み聞かせイベントも開催。フレンズアカデミーでは単発イベント参加者にも絵本貸し出しを行い、気軽に利用できます。こうしたコミュニティーに属すると、有益な情報も得られ、一石二鳥です。
英語読み聞かせの不安を解消—デジタルツールで自信アップ
バイリンガル教育では英語の読み聞かせも重要ですが、「発音に自信がない」という声をよく聞きます。そこでおすすめしたいのはデジタルツールの活用です。「読み聞かせ Epic」などの読み聞かせアプリが強い味方になるでしょう。タブレット上で絵本を楽しむことができ、ネイティブの音声読み上げ機能で正確な発音を提供します。第3章の「5分アクティビティー」と組み合わせれば、より効果的です。
良質な英語絵本選びの秘策—Caldecottメダルが目印
ニューヨークでは英語絵本を安価で手に入れられますが、「どれが良作品か」の判断が難しいかもしれません。絵本選びに迷ったときは、プロが認めた最高品質の証「Caldecottメダル」受賞作品をチェックしてみましょう。米国図書館協会が毎年、最も優れた絵本イラストレーションに授与する権威ある賞です。絵本によく金色や銀色のメダルシールが貼られているのが目印です。受賞作品は芸術的価値が高く、子供の感性を育む効果が専門家に認められています。
継続の秘訣—完璧を求めず、楽しさを優先
読書習慣は「完璧を捨て、喜びを選ぶ」姿勢が大切です。図書館通いが週1回でも、アプリでの読み聞かせが3日に1回でもかまいません。大切なのは、継続することです。
ニューヨークの豊富なリソースを活用すれば、費用を抑えながら、質の高いバイリンガル読書環境を構築することができます。多文化環境で育つお子さんだからこそ、日本語と英語両方の豊かな言語体験が将来の可能性を大きく広げるでしょう─それは図書館への一歩から始まります!
渡邉敦子
Friends Academy of JCS
エデュケーショナルディレクター
米国にて教育学修士課程を取得。ニューヨーク州普通学級、特別支援学級教員免許、および国際モンテッソーリ協会(AMI)の資格を所持。ニューヨーク現地のプリスクールを始め、米国公立小学校や日本語学校での勤務経験が豊富。日本語での教育相談や発達に関する親御さんの悩み解決のお手伝いに尽力している。
Instagram: @kaigai_kosodate_ari