みみ先生の日本語子育て

その18 漢字もひらがなも 筆順をしっかり覚える

現地邦人の子どもたちに向けて日本語教育を行っている皆本みみさん。「みみ先生」からニューヨークでの日本語教育について大切なことを伝えていく連載。


ニューヨークで子どもたちに日本語を書かせていて気付いたのは、いかに筆順が大切かということです。初めは私自身、それほど重要だとは考えていなかったのですが、公文式の教材を扱ううちに気付かされたことでした。

やはり、筆順のいい加減な子は漢字をなかなか覚えられません。少なくとも、左から右、上から下、は徹底させたいものです。そこで、筆順チェックにはかなり力を入れてきました。

実際に書いているところをチェックできればいいのですが、人数が増えてくると、いつも張りついているわけにはいきません。しかし、人間なせば成るもので、そのうち、プリントの採点時に、解答用紙に書かれた文字を見ただけで正しい筆順で書いているかどうかをチェックできるようになったのです。採点後はプリントを必ず子どもに返し、筆順を徹底的に指導するようにしました。

それにしても毎日の積み重ねとは恐ろしいものです。子どもたちにとっては、「みみ先生」に見破られたら最後、正しい文字を書いていても丸がもらえなかったのです。

 

「見える化」は幼児の脳も刺激する

さて、正しい筆順が求められるのは漢字に限ったことではありません。ひらがなやカタカナも正しく書けなくてはなりません。漢字に入る前のかなを覚える段階で、筆順をしっかり覚えさせると、漢字に入ってもスムーズにいくように思います。とにかく、初めが肝心で、簡単な漢字であっても、筆順は徹底させた方がいいのです。

ただし、あまりしつこくやって漢字嫌いになっては困ります。筆順がなかなか定着しなかったり、漢字の覚えが悪いような時は、ちょっとした小道具を使ってみると良いのです。いったいどんな小道具かというと、漢字の筆順を書いたカードです。これを家庭の壁や家具などに貼るだけです。

読者の皆さんも、学生の時、キッチンでもトイレでも壁に重要事項を書いた紙を貼って暗記したことがあると思います。まさしくその方法なのです。

見えない物を見えるようにする「見える化」はどんなことにも重要で、言葉を覚え始めた幼児に対してもぜひ試していただきたいと思います。例えば、「階段」という言葉を覚えさせたい時は、「階段(かいだん・カイダン)」と書いた紙を階段に貼っておけばいいのです。見えない言葉を見えるようにすることによって、脳は刺激され、その言葉はより覚えやすくなります。

漢字を会話の中に取り入れる

さて、ここまで、漢字を「書く」「読む」についてお話ししました。ときたら、最後は「話す」ことです。これは、会話の中に、覚えてほしい漢字を入れるだけでいいのです。

例えば、「茶」という漢字だとしたら、「お茶を飲みましょう」とか「そこにある茶色のバッグを取ってちょうだい」と言ってみたり言わせてみたりするのです。タイムリーにその漢字を使って文章を作り出すというのは大人になってもなかなか難しいものですが、こんなことはゲーム感覚で案外子どもの方がうまくやってしまいます。

また、日本のことわざや四字熟語を使ってみるという手もあります。例えば、「茶々を入れる」ということわざを使うなら、子どもが話し掛けてきた時にわざと邪魔をして、その直後に「茶々を入れる」と言ってみるのです。おそらく子どもはきょとんとした顔をするでしょうが、「茶」という漢字を使ったことになりますし、同時にその言葉を説明することになります。

ことわざや四字熟語に関しては、生活の中でどんどん使っていかないとなかなか覚えることが難しいものです。

※このページは、幻冬舎ルネッサンスが刊行している『ニューヨーク発 ちゃんと日本語』の内容を一部改変して掲載しております。

 

 

 

皆本みみ

1952年、東京都八丈島生まれ。
79年に来米。
JETRO(日本貿易振興会)、日本語補習校勤務を経て公文式の指導者となり、シングルマザーとして2人の娘をニューヨークで育てる。
2007年『ニューヨーク発ちゃんと日本語』(幻冬舎ルネッサンス)を上梓。
現在もニューヨークで日本語の指導者として活動中。

 

 

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