コロナ禍で飲食店の入れ替わりが激しかったニューヨーク。パン屋においても新店が続々とオープンしている最近、こだわりのサワードウ生地のパンや個性的なクロワッサン、日本スタイルのサンドイッチなどが話題だ。今号では、2022年から今年にかけてオープンした注目のベーカリーを一挙紹介。
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いつの時代も子どもは野菜嫌いが多い。消化能力が弱く、味覚も未発達な子どもたちに野菜をたくさん食べてもらうには工夫が必要だ。そこで、ブルックリンのバイリンガル保育園「あおぞらコミュニティー」の給食を担当する山脇奈津子さんに、子どもがもりもり野菜を食べてくれる料理作りの秘訣を伝授してもらった。
甘こうじマリネで
肉や魚の量を減らす!
あおぞらコミュニティーでは、プラントベースの食材中心のメニュー作りを心がけており、「肉やシーフードの量は全体量の20%に抑え、週5日のうち1日は肉や魚を全く使わない日がある」という。では野菜嫌いの園児たちにどうやって野菜を食べさせているのか。
「肉や魚などの動物性タンパク質が持つうま味は、子どもが野菜を食べるときの助けになり、料理に少しでも入っていると野菜をもりもり食べてくれます」と奈津子さん。そして、裏ワザとして「甘こうじマリネ」を奈津子さんは推奨する。
甘こうじでマリネすると、酵素の働きで肉や魚が柔らかくなって消化がよくなると同時に、うま味が増す。そうすると肉や魚は少量使うだけでも食べ応えが出てくるので、結果的に使う量を控えられる。うま味があれば塩味控えめでもおいしく感じるので、塩分をセーブすることもできる。
「甘こうじには甘みもあるので、砂糖を入れなくても子どもが好きな味に仕上がります」と奈津子さん。
子どもが拒絶する
要素を抑える
「子どもは自分が噛みきれないだけで食べるのがいやになってしまいます。また、苦みや辛さ、香りが強いものなどが体の中に入ってくると、本能的に自分の体を守ろうとして拒絶反応を起こすことが多いんです。」
なるべくそうした刺激のある要素を控えたり抑えたりすることが、子どもの食が進むポイントでもある。そのためには素材を細かく切ったり、調理時間を長くして柔らかくしたり、また前述のように酵素の力で素材を柔らかくする工夫をしているという。
納豆は健康的だけれども香りや味が独特なので、そのままでは出さず、天ぷらにして味のクセを弱めてからサーブすると、よく食べてくれるという。
「フライや天ぷらはコクがあるので園児たちは大好きです。野菜のかき揚げや高野豆腐の唐揚げも人気メニューです」と奈津子さん。ちょっとした工夫で、嫌いな野菜を好きになることも。子どもの好き嫌いを見守って、しっかり食育しよう。
山脇奈津子さん
マクロビオティクスレストランやカフェのシェフを務めた後、フードコンサルタントとして独立。
現在、こうじやケフィアを使った発酵食を推奨する「発酵庵」を主宰してワークショップやレクチャーを行う傍ら、ブルックリンの日英バイリンガル保育園Aozora Communityのランチをプロデュース。
6月5日「生活に活かせる麹ワークショップ」(reservestock.jp/events/NDc1MzhiZGQ3Z)を開催予定。
FB: @NatsukoYamawaki/IG: @hakkoan
Blog: fermentlifebk.fc2.net/Hakkoan@gmail.com
作ってみよう! 子どもフレキシタリアンメニュー
Recipes by Natsuko Yamawaki
基本の「甘こうじ」の作り方
麻婆豆腐
優しい味の、辛くない麻婆豆腐。細かく刻んだ野菜と肉みそは、滑らかで子どもでも食べやすい。野菜がたくさん入っていることを感じさせない。
材料(3〜4人分)
作り方
①ひき肉に甘こうじと天然塩を事前に絡め、30分以上置いておく。
②水切りした豆腐を2センチ角に切る。
③ニンジンとタマネギ、ニンニク、ショウガはみじん切りにする。
④鍋にごま油をひいて3をよく炒める。
⑤野菜がしんなりしてきたら豚肉を加え、水1カップ、みそ、しょうゆを加えて、火が通るまで煮る。
⑥豆腐を加えて一煮立ちさせ、火を弱めて、水溶き片栗粉(片栗粉+水大さじ2)でとろみをつける。
Point!
豚ひき肉の代わりに牛やチキンのひき肉、またはエビを刻んだものや、シイタケなどのきのこ類、ゴボウなどのうま味の出る野菜を使ってもよい。子ども用に取り分けた後に、豆板醤やショウガの絞り汁、ごま油などを混ぜると辛みや風味が増し、大人の好む味になる。
野菜とこうじチキンのオーブン焼き
冷蔵庫に残っている野菜で作れる簡単メニュー。「これからの季節は鉄板焼きやバーベキューでもいいと思います」と奈津子さん。
材料(3〜4人分)
*甘こうじと塩のミックスは塩こうじ(大さじ2)で代用してもよい。
作り方
①鶏肉を食べやすい大きさに切る。
②甘こうじと塩を混ぜ、鶏肉を30分〜1日マリネする。
③野菜を食べやすい大きさに切り、タマネギや硬い根菜類(ニンジン、ジャガイモなど)は、塩(分量外)を少々振りかけ、蒸しておく。トマトやズッキーニなどはそのまま使える。
④天板に野菜を平たく広げ、その上に鶏肉を乗せ、最後にチーズを振りかける。
⑤400°F(205°C)のオーブンで約15分焼く。
Point!
チーズを避けている場合は、オリーブオイルとペッパー、好みのシーズニングを振りかけても楽しめる。
大人の味にするには、チーズを味わいの強いチェダーに変えてもよい。
子どもを野菜好きにする
料理作りの6か条
◎肉やシーフードを甘こうじやみそなどでマリネし、素材を柔らかくするとともにうま味を引き出す。
◎子どもの成長に合わせて、素材の切り方や大きさなどを工夫する。
◎素材を柔かめに調理する。
◎子どもはまだ苦みや辛さに抵抗があるので、唐辛子、カラシ、ニンニクやショウガなどの刺激的な薬味は隠し味程度に控え、全体的に自然な甘みのある味付けにする。
◎野菜だけでも味にコクが出るように、油をうまく利用した調理をする。
◎スナックスタイルのつまみやすい形にしたり、色どりなどでプレゼンテーションを工夫する。
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