コロナ禍で飲食店の入れ替わりが激しかったニューヨーク。パン屋においても新店が続々とオープンしている最近、こだわりのサワードウ生地のパンや個性的なクロワッサン、日本スタイルのサンドイッチなどが話題だ。今号では、2022年から今年にかけてオープンした注目のベーカリーを一挙紹介。
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新鮮で栄養価が高く、丁寧に育てられた野菜を見つけるならグリーンマーケットが一番。そこで、旬の野菜のおいしさと魅力を知り尽くし、グリーンマーケットツアーを主催するたまさんに、心もカラダも元気になる、地元産のおいしい野菜を楽しむ極意を教えてもらった。
旬を味わうことの
本当の意味
まず野菜を買うときに頭をよぎるのが栄養価や効能。「これは繊維質が豊富だ」とか「あれはビタミンCが多い」などとつい考えがちだが、そんな雑念は無用だとたまさんは主張する。
「旬の野菜はその季節に人間の体が順応するような栄養素が自然に集まっています。例えば夏は紫外線が強いのでビタミンが多く、抗酸化作用があるものが増えてきます。だから今育っているものを食べれば、栄養価について難しく考える必要はないですよ」とアドバイス。
6月上旬あたりからはシュガースナップピーやイングリッシュピーなどの豆類やアスパラガス、イチゴやルバーブが登場するという。6月後半はブルーベリーなどのベリー類が出始める。うま味や栄養がギュッと凝縮し、緑や赤の色鮮やかな食材がグリーンマーケットを夏色に染める。
「炊飯器でごはんを炊くときの最後にさっとエンドウマメを入れて『豆ごはん』にしたり、スナップピーは筋を取って、ほんの20〜30秒茹でたらもう食べられます。イチゴとルバーブのタルトもこの季節の定番ですね」とたまさん。
ここで注意が必要なのは、グリーンマーケットで買える素材の「旬」は、私たちが想像するよりはるかに短く、毎週変化があるということ。1、2週間しか登場しない野菜や山菜もあり、今週あっても来週はもうないという状況も。また同じ野菜でも週によって違いが出てくるという。
「今(取材時は5月上旬)は春ニンニクが旬ですが、今週は根の部分が細くて、来週はそこが少しふくらんできて、またその次の週はもっとふくらんで、最後には普通のニンニクになるので、もう春ニンニクではなくなってしまいます。こうして野菜を見ているだけで季節の移ろいが楽しめます」と話す。
楽しむコツは
「宝探し」マインド
ではグリーンマーケット初心者が好きな野菜を見つけるにはどうしたらいいのか。たまさんは「ゆっくり見ること」をすすめる。
「食材がたくさんあるので見逃しがちなんですが、よく見ると見えてくるものがあるんです。なんとなくフワーッと見るのではなく、宝探しをするつもりで、何か絶対いいものを見つけよう、掘り出し物を見つけようというつもりでジーッと見ましょう」とたまさん。
たくさんの野菜の中には、小松菜や新生姜、日本のネギといった、私たちになじみがある野菜もあり、また同時に未知の野菜でも「どうやって調理するの?」と店頭で聞くこともできる。たまさんのグリーンマーケットツアーでは、毎回その日の旬の食材について、生産者の顔を見ながら、魅力と使い方を教えてくれる。
またグリーンマーケットに並んでいるものは野菜だけではない。肉、シーフード、卵、パン、お菓子類、酒類、花やプラントなど、つまり1回の食事に必要なものが全部そろっている。今回たまさんに紹介してもらったフレキシタリアンレシピに使った食材は、全部グリーンマーケットで買ったものだ。ニューヨーク近郊で丹精込めて育てられ、収穫された食材で、ヘルシーに楽しく新しい料理にチャレンジしよう。
たまさん
大阪のレストランや、Boulay、Del Postoといったニューヨークの名店でシェフとして腕を振るった後、フリーに転じる。
現在はTama’s Kitchen NYCを主宰し、グリーンマーケット・ツアーやケータリング、フードコンサルティングを行う。
グリーンマーケットをこよなく愛し、地産地消を大いに推奨する。
「グリーンマーケット・ツアー」のスケジュールや内容は下記のSNSで確認できる。
FB: @TamasKitchen/IG: @tamaskitchen
グリーンマーケットの食材を使ったフレキシタリアン料理
Recipes by Tama
ハマグリと春野菜の蒸しもの
春野菜の優しい味とハマグリの品のよいうま味が好相性。酒やワインは加えずに蒸すので、素材の味を楽しめる。
材料(2〜3人分)
作り方
①ハマグリは殻をよく洗い、アスパラガスは皮を薄くむき、好みの大きさに切る。カブは葉の部分を切り落とし、砂をきれいに洗って、半分に切る。切り落としたカブの葉はサラダや炒め物に使うとよい。
②冷たいフライパンにオリーブオイル、小口切りにした春ニンニク、タカの爪を入れて弱火にかける。ニンニクに火が通ったらハマグリを加えて強火にし、カブとアスパラガスを入れて軽く全体を混ぜ、水を入れてふたをし、蒸す。
③ハマグリは火を通しすぎると硬くなるため、2〜3分経ったらふたを開けて、口が開いたハマグリから別の容器に取り出し、またふたをして口が開くのを待つ。口が開きにくいものは、まな板の上に置いて、バターナイフなどを使って優しく開けるとよい。野菜に火が通り過ぎると、色が悪くなるので注意。
④ハマグリと春野菜を皿に盛り、オリーブオイルを回しかけ、こしょうで味を調え、ケールの花を飾る。
サンチョークのニンニクマスタード和え
デリケートな食感のサンチョークを、マスタードのかすかな苦味と辛味が包む、ブランチにぴったりの一品。
材料(2〜3人分)
作り方
①サンチョークはよく洗い、皮付きのまま使う。
②小鍋にサンチョークを入れ、かぶる程度の水を入れたらニンニクと塩を加え、ふたをしながらふつふつと優しく茹でる。
③30〜40分ほど経って柔らかく茹で上がったら、丁寧にザルにあげる。
④ボウルに茹でたニンニクを入れ、スプーンで潰す。ニンニクがペースト状になったら、粒マスタード、アガベシロップ、ビネガー、塩、こしょう、オリーブオイルを加え、全体を混ぜて濃度のあるドレッシングを作る。
⑤サンチョークを一口大に切り、スプーンを使ってドレッシングと混ぜ合わせる。
⑥皿に、山になるように盛り付け、半熟卵をのせてマスタードグリーンを飾る。
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