Page 3 - NY Japion
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03|Vol. 925|Friday, July 21, 2017 COVER STORY大野俊三さん 1949年、岐阜県出身。19 歳からプロのトランぺッター として活躍し、25歳の時に 来米。作曲家としても活動しており、今年度の「国際作 曲コンペティション」ジャズ 部門最優秀賞、「ザ・ベスト・ オブ・ジャズ2016」最優秀 賞などを受賞。 www.shunzoohno.net7443 Blue Note Jazz Club 131 W. 3rd St.(bet. Macdougal St. & 6th Ave.)TEL: 212-475-8592 www.bluenotejazz.com/new yorkVillage Vanguard178 7th Ave., S.(bet. Perry & 11th Sts.) TEL: 212-255-4037 www.villagevanguard.comBirdland315 W. 44th St.(bet. 8th & 9th Aves.) TEL: 212-581-3080 www.birdlandjazz.comジャズの本場・ニューヨークをもっと身近に感じよう。 今号は当地で活躍する日本人アーティストに焦点を 当て、ジャズの魅力をひも解きながら、「この夏聴きに 行けるジャズ」を紹介。© Alex Zabusik/ Shutterstock.com大御所日本人トランぺッターが語る違いを最も強く感じた点 は、「演奏の基本的なスタン ス」だったそうだ。た思い出の場所だ。だが同 店を含め、当時通ったクラ ブの多くは姿を消した。は何ものにも代えがたい快 感 」が あ る と い う 大 野 さ ん。だが不思議なことに、 出来に落ち込んだ演奏で も、「今までで一番良かっ た」と言われることがある そうだ。ニューヨークの街とジャズ 「ニューヨークのアーティ 当地在住 年のジャズトランぺッター、大 ストは、一つの決められた 「ジャズクラブの維持は大変だと思います。ジャズは僕自身がその世界にどっぷり浸かっているから、大きな位置を占めている音楽に見えますが、世の中全体の人口は決して多くない」 か、そしてその欲求が、プレ野俊三さんが、この街で聞くジャズの魅 軸に沿いつつ、その中でより力を語る。フリーダムな感性を発揮 1910年初頭にニュー オリンズで生まれたジャ ズ。即興の要素が強く、一期 一会の演奏を聞けるのが魅 力だ。他ジャンルの音楽、そ してその音楽を生んだ文 化も溶け合って無限の広が りを見せてきたのがジャズ の特徴だと、大野さんは語 る。ジャズがニューヨークで 愛される理由もここにある だろう。していると思います。その 楽器が奏でるクラシック、 おかげで作品もクリエーテ ソウルフルなファンクなど、 ィブになり、無限の広がり 「つまり、オーディエンス が何を求めて聴きに来る 「文化の融合という意味 で、ニューヨークは全米一秀 でた街ですからね」他にはない、自由な街は聞いてみないと分からな 生演奏の化学反応 い。だからこそ、ジャズファ ンたちは今日もジャズクラ キャリアを積んだ今でも ブへと足を運び、大野さん ビッグバンドをはじめと するトラディッショナル、弦 当地でジャズを演奏し始 めた大野さんが、日本との ブレイキーとの共演を皮 切りに、名演奏家たちと市 内で数々のステージを作り 上げてきた大野さん。例え ばグリニッジビレッジの「ス イート・バジル・ジャズ・クラ ブ」は、世界に名が知れたピ アニストで編曲者のギル・ エバンスと、毎週舞台に立っなお、「いい演奏ができた時 もトランペットを吹く。一口にジャスといっても、一 つにまとめきれない幅広さーヤーの演奏と合致する かが鍵。よい演奏家とは、 より多くの人生経験や人 間としての資質、感情を持 ち、観客により多くの『色 彩』を提供できる人ではな いでしょうか」も魅力だという。 「ジャズメッセンジャー由気ままだ。大野さんは 「感情を内に秘めがちな日 本人に比べ、ニューヨークの 観客は直接的に反応しま す」と語る。いいと思ったらズ」の東京公演に出演した 際、ドラマーのアート・ブレ イキーに誘われ、 年から この地を拠点にしてきた大 野さんは、今もこの街のジ声を上げて盛り上げるし、 駄目だと容赦なくブーイ ングを飛ばし、最悪帰って しまう。ャズに魅了されている。を見せる」 観客のリアクションも自 一方、生き残ったクラブはいずれも、老舗の名門として名を馳せるようになった。モダン・ジャズの名手、ベーシストのバスター・ウィリアムスと回った、グリニッジビレッジの「ビレッジバンガード」や「ブルーノート」、 その性質故、同じ演奏に ミッドタウンの「バードラン は二度と出合えない。そし ド」がその例だ。 て、どの音楽が心に響くか歴史を重ねたクラブたち この夏こそ ジャズを聴く!
