Page 29 - NY Japion
P. 29
29|Vol. 888|Friday, October 28, 2016 月一連載(謝る・優しくなる)第102回 DVからの回復 DVと一言で言っても、身体的、精神的、経済的、性的暴力な ど、さまざまな形態をとります。それがどのような影響を被害者に 与えるかも、多くの要素が複雑に絡み合っているため、予測が難しいと言わざるを得ません。  生涯のトラウマになるようなDVに、被害者がどのように反応 するかも、被害時の年齢や、それ以前のトラウマの有無、身近に 支援者がいるかいないかなど、状況や環境で変わってくるといわ れています。DVが現在も進行中なのか、過去に起こったことな のか、DVが続いた(続いている)期間などによっても大きく左右されます。  従来は、DVによるトラウマの治療といえば、セラピストとそれに ついて話し合うカウンセリングが主流でしたが、NYAWCではそ れに加え、言語に頼らない、鍼(はり)、ヨガ、気功などの運動や、 アートを取り入れています。そうした活動グループへの参加を通し て、被害者一人一人が、トラウマからの回復を独自に模索できる 場を提供していこうという考えからです。  12週間を1サイクルとして、このようなグループを年に3サイク ル開いています。参加者からは「慢性的な緊張感がほぐれた」、「不安感が軽減した」、「気持ちが軽くなるのを感じる」など心の 変化に関する感想のほか、「一人じゃないと思えて前向きになれ る」、「知らない同士でも、DV被害者として共にトラウマからの回 復を目指しているのだと思うと、勇気が出る」など、グループならで はの評価をいただいています。永尾香織/カウンセラーNew York Asian Women's Center (NY市在住アジア系女性のためのDV被害者保護団体)沈黙を 3ハネムーン期破るDV ー 家庭内暴力TEL: 1-888-888-7702(「Japanese please」と伝えること)サービスは無料Email: japaninfo@nyawc.org(日本語・英語) www.nyawc.org1緊張期 (非難・口論)2暴力期 (身体的・性的・精神的)NHK出版から転載している 「ためしてガッテン」著作権の都合により、不掲載となります。


































































































   27   28   29   30   31