※【料金】は6&#
今年の2月からニューヨークには四度来ています。勿論、毎回の滞在日程が1週間以内という駆け足しの旅で、まだまだ日本に滞在する期間が長いですね。それでも、この街の季節感を感じながら渡米できることは本当に幸せを感じています。このエッセイが出る頃は、そろそろニューヨークも暑くなってきている頃ですね。
まずは相手の意見を飲みこむ
さて、前回のコラムでも書いたように、私がニューヨークに滞在する理由は、現地で「非戦」をテーマにした映画を作りたいからです。ロシア、ウクライナ、中国、台湾、アラブ、イスラエルに加えてインド、パキスタンとつば競り合いが拡大しています。私は、今の時代はお互いの主張を声を上げて争い合うことをするのではなく、相手の立場を考えて、まずは一度相手の意見を飲んでみることが大事だと思っています。最初に相手の意見を飲んでみることは敗戦を意味することではなくて、話し合いの始まりになると考えています。
私たち琉球人も常に相手を尊重しながら、最初に相手の意見を聞いてから自分たちの次の行動を決めてきました。そのような姿勢だと攻め込んできた国もこちらが最初に受け入れている分だけ緩和されて、こちらの話を聞こうという気持ちになるのです。
西山監督との出会い
「肉を切らせて骨を断つ」そんな昔からの格言もありますが、琉球人はその哲学を実践してきました。ぜひ「非戦」にこのテーマを入れて作品を作りたい。そのために上海国際映画祭の短編部門で金賞に選出され、ニューヨークにも事務所を構えている西山裕之監督の元を訪れて、私の「非戦」についての考えを聞いて頂きました。西山監督は東京では恵比寿に事務所があり、私の職場の目黒に近いということもあって「では、会ってお話をしましょう」という事になり、じっくりとお話を聞いてもらう事になりました。
実際にお会いする前にプロフィール写真でお顔は拝見していたので、黒縁の大きなメガネをかけた監督の風貌から、「少し神経質で難しい人かな」と想像していましたが、実際にお会いすると想像と真逆で、ほんわかと優しいイメージの人柄で周りを和ませるオーラを備えた方でした。しかしお話を聞くと2017年に『in the box』という舞台公演を成功させてニューヨークタイムズ紙の「鑑賞すべき舞台10」に選ばれていたり、日本でもCM監督として数々のヒットCMを手掛けていたり、他に有名アーティストのライブ演出や映像作品も手掛けている大ベテランの監督さんでした。幸いにも西山監督とは意気投合して「是非映画を作りましょう」という運びになりました。10月クランクイン、来年1月にオールアップを目指して進める予定です。お互いに忙しい中で時間を見つけながらの打ち合わせですが、6月の初旬もニューヨークで待ち合わせて打ち合わせを行う予定です。
映画の制作計画と今後の展望
今回撮る映画はショートムービーですが全部で5本撮る予定でいます。それぞれ、撮影内容や撮影場所の関連から映画の総指揮のプロデューサーを変えていこうと考えています。私はエグゼクティブプロデューサーという立場で全ての作品に関わります。第一回目は日本での撮影になるので友人でもあり仕事仲間のローカルドリーム社の社長、山蔭ヒーロ氏に依頼しました。彼は長く日本のメディアの表舞台でも裏方でも活躍してきた人物で、日本のメディアの横つながりも広く、今回のプロデューサー就任は適任と言えます。早速6月から一緒に渡米します。
次の連載までには映画の全体像を少し話せたら良いなぁと思っています。それではニューヨークで会いましょう!
HAL
⾳楽家/著述家
1968年10⽉18⽇生まれ。沖縄県出身。琉球王朝時代から続く正統なユタで、その特異な能⼒により年間で1万⼈以上のカウンセリングを⾏う沖縄では伝説のユタである。2005年から拠点を神奈川県に移した後も、その優れた能⼒のカウンセリングを求め、全国各地から多くの⼈々が訪れた。琉球シャーマンはメッセージを⾳楽で届けており、HALは、これまで20万⼈以上のお悩みに寄り添い、癒し、アドバイスした経験を歌に変えてメッセージ(⾳楽、講演)活動を⾏なってきた。09年に神奈川県から東京都に拠点を移してからは、ソニー・ミュージック・アソシエイテッド・レコーズよりメジャーデビューを果たし、年間90本近いライブ活動や講演会を⾏なっている。17年からは海外での演奏活動も始め、台湾やニューヨークでも活発にライブ活動を⾏なっている。18年から米ツアー(ノースカロライナ、ニュージャージー、アイオワ、ニューヨーク)も⾏い、各地のメディアでも⼤きく取り上げられた。テレビ番組や雑誌などの活動も幅広く⾏なっており、過去には『サンデージャポン(TBS)』、『HEY!HEY!HEY!(CX)』、『ロンドンハーツ(テレビ朝⽇)』などにも不定期で出演した。HALの作る楽曲は「スピリチュアルミュージック」であり、流⾏にとらわれず現代⼈の⼼を癒す、まさに現代の「琉歌」として知られている。また、スピリチュアルアーティストとして、⾳楽のみならず、書籍の出版、絵画、写真など幅広い活動を行う。
琉球ユタとは
琉球(沖縄)信仰において、琉球王国が制定したシャーマンである。公的な神事、祭事を司り、⼀般⼈を相⼿に霊的アドバイスを⾏う事を⽣業とする。アドバイスを⾏うときに「琉歌」を歌い、メッセージを伝える。