巻頭特集

徹底比較! 登録しておくべき動画配信サービスはこれだ!

新型コロナウイルスの影響で自粛生活中に登録した人も多い、ストリーミングサービス。今号では、サービスを提供する各社を徹底比較。値段で決めるか、作品で決めるか、改めてサービスを見直すいいチャンス!(文/音成映舞)

<画像クレジット> ©︎ Apple TV+


登録者の奪い合い
配信業界は競争激化

新型コロナウイルス感染症の影響で自粛生活を余儀なくされた中、この機会に見逃していたストリーミングサービスを観始めた人が多いのか、新規登録者数は右肩上がりに増加した。

Amazon Prime Video(以下、Amazon)」や「NetflixHulu」などの大手はもちろん、ディズニー、マーベル、スターウォーズなどの作品が観れる「Disney+、1作にばく大な費用を投じてオリジナル作品を制作している「Apple TV+」、そして5月下旬にサービス開始となった、HBO作品や親会社ワーナーブラザーズ映画の作品も観られる「HBO Max」など、実は配信業界では今、競争の激化が進んでいる。

筆者が調べただけでも、前述以外に米国内だけで10以上ものサービスがあり、「Reelgoodの調査結果では、米国内の400万人以上が何かしらのサービスに登録している。「Visual Objectsによると、その登録者たちが月額50ドル弱を投資しているという。

さらに、スポーツに特化したサービスを提供する「fuboTV」や、1話10分以内という試みの「Quibi」など、独自性あふれるサービスも。それ以外にも、NBC、CBS、BBCなどのメジャーテレビ局から、StarzShowtimeなどのケーブルテレビ局までが配信提供を始め、スマートフォンにダウンロードできるアプリはきりがない。

 

大ヒット作品『ストレンジャー・シングス』は、加入促進に貢献した作品の一つ

 

独自作品で勝負
費用対効果に影響も

Reelgoodの調査(左下グラフ参照)によると、1ドルあたりの費用対効果を調べた結果、「Amazon」は全体で最も多くの映画、テレビ番組を提供している一方、「Netflix」「Hulu」などは独自作品へ力を入れていることがわかる。特に「Amazon」と「Netflix」の2社は、主要ストリーミングサービスの中で、費用対効果が最も優れているという結果に。

オリジナル作品の制作も、既存の映画制作会社並みに力を入れており、ハリウッドで活躍する俳優や監督が手掛ける作品も増えている。実際、今年のアカデミー賞とゴールデングローブ賞にノミネートした「Netflix」の『アイリッシュマン』は、巨匠マーティン・スコセッシの監督作で、ロバート・デニーロ、アル・パチーノなど大御所が出演。またドラマ界のアカデミー賞といわれるエミー賞でも、「Amazon」の『フリーバック』や『マーベラス・ミセス・メイゼル』が受賞するなど、映画、ドラマ共に充実したラインナップを提供している。

技術面の進歩も見どころ。HD(高解像度)作品だけでなく、4KやHDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)に対応したコンテンツ制作にも力を入れる「Netflix」は、より鮮明で臨場感のある映像を提供する。

一方、優れた新機能を導入して勝負をしかけるところも。「Amazon」が最近リリースした「Watch Party」は、どこにいても、お気に入りの人と一緒に好きな作品を視聴することができ、最大100人とつながってチャットもできるというサービスだ。米プライムメンバーが、追加費用なしで利用できる。まさに、今のコロナ禍で映画館に行けないわれわれにとって、うれしいサービス。現在は、デスクトップブラウザのみで使用可能なのが残念だが、今後は他デバイスでも可能になるだろう。

作品観たさに一時的に登録をするという人もいるだろうが、映画館に行くことができない今だからこそ、懐かしい作品から最新作まで、選択できる幅が無限に広がっているといえる。

次ページでは、読者の手助けになる各社比較や、オススメの最新作品を紹介していく。

 

評価ポイントは、良作番組からIMDb300人の投票データより集計(Reelgood調べ)

 

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