ハンドモデル:永瀬まりさん

ニューヨークで奮闘する日本人たち。その新しい発想、夢に向かって走る姿は、私たちを常に刺激する。今、輝いている新人に熱い思いを語ってもらい、また推薦者からの応援メッセージも聞く。


——特殊な職業ですが、就いたきっかけは?

 子供のころはキッズモデルをやっていましたが、なかなか芽が出ませんでした。18歳の時、テレビでCMを観ている時に「このモデルさんより、私の指の方が長いのでは」と思ったんです。手のモデルに応募してみたらすぐにCMの仕事が決まり、あとはトントン拍子。ジュエリーやコスメをはじめ、女優さんの手の吹き替えなどもやりました。

 

——海外に行こうと決心したのはなぜですか?

 20歳の時に、ハンドモデルにとって最終目標でもあるハンドクリームブランド「アトリックス」の仕事を取ってしまい、その後どう成長すればいいのか分からなくなっていました。でも海外なら、さらにステップを進めるチャンスがあるのではと思いました。ニューヨークの第一線で活躍する写真家が背中を押してくださったこともあって決心しました。

 

——こちらではどうやって仕事を見つけましたか?

 来る前からインスタグラムで写真家などに営業していたので、すぐに声を掛けてもらえました。また大手エージェンシーに所属できたので、大きな仕事も回ってきました。撮影は、難しいポーズで長時間停止することが多いので体力勝負ですが、とても楽しいです。


——日米のハンドモデルに違いはありますか?

 こちらのモデルは山や海にも行き、普通に生活しているので、私が日常でも手袋をしていると驚かれます。日本と違って、日焼けした手が受けたり、骨がゴツッとした指もセクシーとされたりと、手にもダイバーシティーがあります。


——大変だった体験は?

 来たばかりの頃、ある仕事に遅れが出ていた時に、「私が英語が理解できないせいで、時間を取らせていたらごめんなさい」と謝ったら、翌日「もう来なくていい」と言われてしまいました。私が謝ったことをいいことに、仕事が遅れた責任を、写真家が全て私に押し付けたせいでした。

 クライアントが私を気に入ってくれていたので、現場に戻れましたが、一番悔しい出来事でした。それから英語に対する不安は捨てようと決め、対応の仕方を変えたら、仕事がどんどん来るようになりました。


——逆に一番うれしかったことは何でしょう?

 2017年の「ティファニー」の仕事。世界中の雑誌の広告ページにも出たので格が上がり、周囲の扱いも変わりました。世界に通用する代表作に出合えたのは、ニューヨークに来たごほうびだと思います。

 

——今後の目標は?

 今は手がとてもいい状態ですが、この仕事を始めた時から、「自分でプロと言えなくなったらきっぱり辞めよう」と決めています。何年か後には次の職業に就いているかもしれません。

 実は昨年大病をして、人生観が変わりました。一番を目指して突き進んで来ましたが、これからはもっと肩の力を抜いて、自然体で仕事とも人生とも向き合っていきたいです。

 


永瀬まりさん

埼玉県出身。
19歳でハンドモデルをスタート、2016年に来米。
日本では150本以上のCMや、数々の雑誌、テレビ、ラジオ番組にも出演した。
Instagram: @mari_handmodel

 


 

『新人の日常チェック!』
彼らは日常をどうやって過ごしているのか。仕事場、オフの姿を追う。

 

ハンドモデルはファッションモデルと異なり、小さなセットの中で手のアップを撮影するのが基本

 

ネイルはいつも、スタジオでネイリストにやってもらう。現場に来るネイリストはハンドモデルという職業に理解があるので、安心して任せられるという

 

休日はジムに通っている。「サウナやミストやジャグジーも付いているので、気分転換にも最高です!」と永瀬さん

 

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