古くて新しい、とっておきのブルックリンへ

ブルックリン産のできたて納豆 (古くて新しい、とっておきのブルックリンへ 035)

ブルックリンのガイドブックの著者、安部かすみが、本で書ききれなかったことや、まだあるお気に入りスポットを紹介します。「大切な友人に紹介するとしたら?」という目線で選んだとっておき。

今週はサウスウィリアムズバーグにあるNYrture New York Nattoです。



NYrture New York Natto
(ヌーチャー・ ニューヨーク納豆)

養育という意味の「Nurture」。「ネーミングは、ニューヨークっぽくするためにつづりを少し変えてみたの」と言うのは、「NYrture New York Natto」の創業者であり納豆職人の米谷あんさん。フィラデルフィア出身の日系2世で、2016年に創業したブルックリンの工場で、彼女は同僚4人と、4種類の納豆を少量生産しています。

東京の老舗で納豆作り

もとはコロンビア大学で微生物学の博士号を取得し、ハーバードメディカルスクールなどで15年間、がん細胞のメカニズムなどを研究していました。

2015年、家族で夏休みを東京で過ごしたとき、ふとしたことで5代続いている老舗の納豆屋で、納豆作りを学ぶことに。

「納豆を仕事にしようという気持ちは特になかったのですが」

しかしその経験が、サイエンティストとしての方向性を少しシフトチェンジするものになりました。日本人の親のもと、アメリカで生まれ育った彼女。幼少時から日本を訪れるたびに食べた納豆は、身近でなじみのある食べ物でした。でもアメリカでは良質品に出合えません。「自分で作ってみよう」と、自分のために、ごく少量の納豆を作り始めたのでした。

「友人に分けたら大好評で、『商品化すべき』と言ってもらえた。ハッピーアクシデントでした」


「一番おいしい」の声

日本人顧客からは「今まで食べた納豆で一番おいしい」と感想をもらうことも多いそう。それ以上に驚くのは、顧客の90%がアメリカに住む非日本人!

豆は遺伝子組み換えでない、中西部、主にノースダコタ州産のものです。プロバイオティックがダメージを受けるため、冷凍は絶対にしないそうです。 彼女の手作り納豆は、味、香り、かみ応え、粘りなどにおいて、一度食べたらクセになるおいしさ!

「この栄養価に優れたスーパーフードは1000年の歴史がありますが、西洋諸国ではまだ未知のもの。1人でも多くの人に紹介できれば」と、米谷さんは目を輝かせました。

 

ブルックリンの工場にて。ここでたった5人(うちアメリカ人は3人)で納豆を手作りしている。

 

オーナーの米谷あんさん

All Photos: © Kasumi Abe

関連記事

NYジャピオン 最新号

Vol. 1114

楽しい夏こそ紫外線対策!

太陽が燦々と照りつける毎日、外で楽しく遊べる季節だからこそ、きちんとした知識を持って、紫外線対策をしたいところ。紫外線に当たることで起こるさまざまな弊害も今号できちんと把握しておこう!

Vol. 1113

ちょっとそこまで  魅惑のシティーアイランド

ブロンクスにあるシティーアイランドは、シーフードやマリンスポーツをはじめ、のんびり散歩も楽しめるという魅力的な海辺の街。知る人ぞ知るリゾート地なだけに、訪れたことがないという人も多いかもしれない。そんなシティーアイランドの見所をたっぷりご紹介!

Vol. 1112

この夏は野球アツい!

野球大国であるアメリカ。シーズン真っ最中のMLBの観戦はもちろん、ここニューヨークでは日本人チームによる草野球も盛り上がっているようだ。そんな幅広い野球の魅力を今こそ語り合おう!

Vol. 1111

いよいよ経済再開! ニューヨーク復活へ

6月24日、ついにニューヨーク州の非常事態宣言が解除された。新型コロナウイルスのあらゆる制限が解除となり、約1年3カ月ぶりに本格的に経済再開を果たしたニューヨーク。街は復活に向け着々と進んでいる。