共感マーケティング

第228回  脳を使いこなす

 

なぜプレゼンで失敗するのか

 

人前で話すのが苦手。だから一所懸命、事前に練習する。いざ本番。やっぱり失敗してしまう。ようやく彼女をデートに誘い出すことに成功した。いいカッコ見せなきゃ。デートのシミュレーションをしっかりして当日を迎えたが、やっぱり凡ミスの連続で、カッコ悪い自分を見せてしまった…。

よくある話ではないでしょうか。では、なぜ、こんなことが起こるのか。これは脳の働きによるもので、「努力逆転の法則」といいます。

意思の上では「ちゃんとする」と分かっているのに、それより、「プレゼンで失敗した自分」「デートで凡ミスを繰り返す自分」をイキイキとイメージしてしまう。そうすると、イメージの方が意思より強いのです。人間、思った通りのことをしてしまう。

また、脳は否定形を理解しない。つまり「プレゼンで失敗しないように」と念じると「失敗」だけが残ります。「デートで凡ミスしないように」は「凡ミス」が残る。「プレゼンで大成功し、壇上でガッツポーズしている自分」や「デートがうまくいって彼女と笑顔で話している自分」をイメージすることです。

これは経営にも当てはまります。繁盛している店は繁盛しているイメージを明確に持っています。残念な店は「これでいい」とイメージしているのです。「閑古鳥のイメージ? まさか」と思われるかもしれません。

 

ゴキブリ、なぜ出る?

ある会社は、ランチにお弁当デリバリー会社と契約し、まとまった個数を購入しています。初めの頃は良かったのですが、ここ半年くらい、レベルが格段に落ちてきた。お弁当が茶色いのです。野菜がほとんどなくて、鳥と魚の揚げ物が代わりばんこ。価格は決して安くない。むしろコンビニ弁当の方が安いし、バラエティーに富んでいる。業を煮やした担当者が「ちょっと見てきますね」とお弁当会社へ。キッチンテーブルの上にはゴキブリ駆除スプレーが置いてありました。トイレにはクモの巣が。

食べ物商売で、ゴキブリはありえないわけです。トイレの不清潔は働く人たちの士気が出ています。ところが中にいる人たちは「それでいい」「これが当たり前」と思っています。ちょうど魚が水の存在に気付かないように。彼らがイメージした通りのキッチンになっているのです。

おそらく1年たっても5年たっても、ここのお弁当が健康的でおいしくなることはありません。ゴキブリはキッチンで働く人たちが「出てもいい」と思っているから出るのです。「あり得ない」と思っている人たちのキッチンには絶対出ません。


ハロー効果

ハロー。あいさつでなく、後光の意味です。「ブラジルでサッカーやってました」と聞くと「めっちゃ上手そうやん」と思いますよね? これです。実はブランドはハロー効果を作ります。

「アップルが新製品出した」と耳にすると、やはり期待するじゃないですか。これは場所のブランドにも使えます。「ニューヨーク」という場所ブランドのハロー効果は絶大です。「ニューヨーク発**」とか。脳は「何か買う根拠」を欲しがります。根拠を与えてやると、売れます。「いま、売れてます」より「5秒に一つ、売れてます」の方が、脳は満足するのです。ハロー効果を利用したコピーです。

 

 

 

すまいの明暗

「壁に囲まれた閉鎖的な空間には論理的な明快さがあったが、屋根に蔽われた開放的な空間には、感覚的なさわやかさが存在する。」(本文から引用)

壁に囲まれた四角い部屋で暮らす人が大半になりました。垂直は論理を具現します。一方、海、水平線を眺めると癒やされます。水平に「包容」を感じるからです。

昔、日本の家屋は平屋が多く、ヨコの線ばかりでした。襖や障子は隣との境界があいまい、音は筒抜け、気配も分かる。プライバシーがないわけですが、その分温かみがありました。また、縁側という、ソトでもないしウチでもないあいまいな空間が、人の心を「分断」から救ってくれていました。

どうしても「壁で囲まれた空間」で過ごす時間が多くなりますが、そうなると理が勝ち過ぎて窮屈になります。意識的に情を加速する「水平」「和」「笑い」「談笑」「団欒(らん)」を生活に取り入れることで中和させましょう。心のバランスのために団欒力が必要になっていると思います。

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