NYキャリアアカデミー社長 大澤直美

毎日が挑戦と調整の日々 育児と経営、社会貢献に奔走

幼い頃から「社会を良くしたい」との思いが強かった。人材育成や就職支援を手掛けるNYキャリアアカデミーの大澤直美社長(36)は、育児に奮闘しつつ「挑戦と調整」の毎日。社会貢献と世界平和を掲げ、事業を広げる。

自然豊かなのんびりとした環境で育った大澤さんが世界を意識したのは小学1年の時。先生から聞いたカンボジアの内戦や原爆の話が心に残った。「自分は恵まれているが、紛争や貧困に苦しむ人もいる」と知った。食事の際、母親が「世界には食べたくても食べられない人もいるのよ」と話していたことも影響した。中学2年で初めて米国を訪れ、大規模なデモ行進を目撃、「自由と個を大切にする国だ」と感じた。関心はさらに世界へ向いた。

高校生になり、夢は国連で働くことだと具体化してきた。そのためには日本より米国の大学に進んだ方が近道だと感じ、方法を探った。図書館で片っ端から関連書を読みあさった。「町役場への就職が一番でしょ」とささやく両親を横目に、最新留学情報を求め、新宿まで遠出もした。留学を決めかけていた高3の秋、同時多発テロが発生。家族は不安がり、特に父親は猛反対した。だが大澤さんの意志は揺るがなかった。父の反対は、子を案ずる愛情の裏返しだった。最後は折れ、「ここが直美の家だから。何かあればいつでも帰って来なさい」と支えた。

米国では一心不乱に学んだ。在学中に国連でインターンを経験し、内定ももらった。ただ「国連のミッションには共感するが、働き方は思い描いていたのと少し違った」と、就職したのはコンサルティング会社。その後、日系の大手人材会社に移り、米法人の責任者を務めた。「仕事は大好き。朝から晩までやっていられる」というモーレツ社員で、順調にキャリアを積み上げた。

転機が訪れたのは2011年、長女が生まれた時だ。価値観が変わり、母親業をもっとやりたくなった。長男も生まれたのを機に、時間の融通が利くはずと起業を選んだ。直感で動くタイプだといい、「『案ずるより産むがやすし』というか、名前に直が入っている通り真っすぐにしか生きられないんです。猪突猛進の亥年ですし」と笑う。

起業は実りあるものとなった。「自分がこう生きたいと思って仕事量や時間を調整できる利点は大きい」と話す。夕食は家族4人で。「子供と一緒に過ごせるのは今のうちだけですからね」と目を細める。時には子供の夜泣きでほとんど寝ずに出勤することもあったが、「苦労は『昇華』してすぐ忘れます」とけろりとしている。

「石の上にも3年で何とかやってきました」と社長業が板に付いてきた大澤さん。4年目は新サービスを打ち出し、「人材育成の総合コンサル会社」を目指す。社員の大半は育児中。社員の幸せも大切に、挑戦を続ける。

 

大澤直美(おおさわ・なおみ)■群馬県安中市出身。ニューヨーク州立ビンガムトン大学政治学部卒。コンサルティング会社勤務、毎日コミュニケーションズ(現マイナビ)の米法人責任者を経て、2016年にNYキャリアアカデミー創立。グローバルキャリアカウンセラーとして1万7000人以上支援。NY群馬県人会会長も務める。TOEIC990点(満点)。8歳の長女と5歳の長男を子育て中。 nycareeracademy.com

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