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1960年代後半、日本で発祥し国民的娯楽となったカラオケ。80年代以降、台湾や韓国などアジアをはじめ、海外に進出したカラオケは、今や北米やヨーロッパでもみんなに愛されるエンターテインメントとなっている。ここニューヨークでも「KARAOKE」の看板を見掛けることもしばしば。今号では、カラオケで上手に歌うコツや市内にあるカラオケ店を紹介!思い切り歌って騒いで、ストレスを発散しよう!
プロのヒントで歌唱力アップを目指そう!
普段よく聞いている歌でも、実際にカラオケでマイクを通して歌ってみると、なかなか思い通りにリズムや音程が取れず、もどかしい思いをした人も多いはず。今回はカラオケで上手に気持ち良く歌えるコツを、ボイストレーナーの津田裕子さんに聞いた。
─歌が上手な人と下手な人の違いは?
歌が上手な人は大体、「身体(腹式呼吸)を使って歌う」「音程感がある」「喉が開いている」「自分の声の響きを感じて歌う」、この四つができています。
─カラオケで上手に歌うには?
マイクを上手に使える人はカラオケが上手です。ご自身の声の響きを、上手にマイクの持ち方の遠近で調整します。もちろん絶対条件の腹式呼吸を使って発声をして、喉を閉めないで歌うことも必須です。
─高音を歌う時に気を付けるポイントは?
遠くに声を飛ばそうと思いながら歌ってください。そして喉が閉まらないように、腹式呼吸を常に意識すること。ご自身の目線から声を飛ばした分だけ、首の後ろを同じだけ後ろに引っ張る意識をすると、喉がより開いて、高音が出やすいです。また、声はダイレクトに口から出るという意識ではなく、いったん頭の後ろを通り、頭上を通って、スピンしながら前に飛んで行くとイメージして歌うと良いです。
─ラップを歌う時に気を付けるポイント?
ラップはリズム感とフレーズの長さが命です。拍の頭出しを歌う前にはすでに息が流れていないと、言葉が音に乗せられません。もちろんその時も、腹式呼吸からのスムーズな息の流れがあってこそ、長いフレーズを息継ぎなしで歌えます。決して喉を閉めないようにしましょう。
─最近は得点が出るカラオケも多いですが、得点を上げるためには?
得点を上げるためには、「オリジナルのリズムをずらさないこと」「音程を外さないこと」が重要です。特に高音域を歌う前後に、遅れたり早まったりすると、すぐに減点になります。
─自宅でできる簡単な発声練習はありますか?
ろうそくを吹き消すように何度か息を吹いてみてください。その時に動いたおなかの動きが腹式呼吸です。その腹式呼吸を使って、同じ音を喉を広げながら、「MA -ME -MI -MOMU」と歌います。おでこの辺りから自分の声が出ていることを想像しながら、2拍ずつ歌ってください。そして、その五つの音を半音ずつ上げていき、喉が閉まりそうになってきたら、音程を下げていってください。できる限り音を切らずに滑らかに繋げて歌うことに集中しましょう。
─津田先生のボイトレレッスンにはどんな生徒が?
合唱団や教会で歌っている方や、ミュージカルの舞台に出る学生の他、だんだんと声が出にくくなってきた年配の方やジャズ歌手志望の方、カラオケでもっと上手に歌いたい方などさまざまです。多方面で声に悩みを持っている方が多く来られます。
─レッスンはどんな内容?
目標のある方は、上手になる速度も速いので、「いつかこの曲をきれいに歌いたい」という方は、その目標に向かって、まずは基礎の発声から勉強していきます。特定の目標がない方には。なじみの深い日本の童謡や抒情歌、米国のフォークソング、ポップ、ミュージカル曲、オペラアリアなど、さまざまなジャンルからその方のご興味がある曲を教材として選曲し、スタートします。カラオケですてきな歌声を披露したいと思われた方は、ぜひ一度体験レッスンにお越しください。
<話を聞いた人>
津田裕子さん
大阪芸術大学大学院修了。マネス音楽院、ニューヨークとイタリアのオペラ養成所で研さんを積んだ後、ニューヨークのアーティスト国際オーディションで特別賞を受賞、カーネギーホールにてソロ・コンサート・デビュー。日米でソロリサイタルを含め多くの演奏会に出演。ソプラノソリストとして第九、モーツァルト戴冠ミサを好演。現在は日本クラブ講師、日系合唱団のボイストレーナーとしても活躍中。
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