マンハッタン&#
One and Only in NYC
オープンリーゲイの日本人が経営するバー
アクゥイト
「ミスターとかミスとかミセスとか、タイトリングはいらない。あなたでいい。ここに来た人がbe myselfでいられるお店にしたい」と話すのはオーナー兼ママのアキトさん。人柄が滲み出るママを慕って日本人のみならずニューヨーカーやインターネットで検索した観光客が毎晩のように訪れ、袖触れ合う距離で飲み語りあっている。
甲南大学を中退後、絵の勉強がしたくてニューヨークへ。スクール・オブ・ビジュアル・アーツで広告とグラフィックデザインを学び、来米19年目となる2019年8月に念願のバーをオープンした。タイムズスクエアやポート・オーソリティ・バスターミナルのそばを立地として選んだのは、「人生の交差点だから。お店を通して、人と人がつながる。それがやりたかったの」
ニューヨークのバーでは希少なボトルキープは70ドルから。席料なし。割りもの(ソーダやアイス代)も無料。

アキトさん。今年のプライドパレードには「レインボージャパン」として参加。「一緒に歩きたい人はお店に連絡してね」

新宿2丁目のショットバーをイメージしたという店内
Aquihito
359 W. 39th St./TEL: 917-475-1926
NYC Pride 2024
今年のテーマは「Reflect. Empower. Unite.」
Simply the opportunity to love, and to be able to live as you desire(. ただ愛し、望むように生きるために団結しよう)
TEAZE
6月22日(土)午後2時
ウィリアムズバーグ地区にあるラウンジで21歳以上限定のクィアパーティーを開催。DJやパフォーマーの強烈なビートに合わせてダンス・ダンス・ダンス。
Club Lambda BK
1031 Grand St., Brooklyn, NY 11211/lambdaloungeny.com
入場料:47.78ドル〜
The Stonewall Jukebox〜A Documentary Concert
6月28日(金)午後7時30分
ストーンウォールの蜂起がどのようにして起こり、現代のLGBTQカルチャーにどのような影響を与えたのかをインタビューやストーン・ウォール・インで実際に演奏された曲など、時代のテキストを織り交ぜたパフォーマンスを通して検証する。
City Winery
25 11th Ave.( Pier 57)/citywinery.com
入場料:55〜125ドル
Youth Pride
6月29日(土)正午
LGBTQユースを祝福し、エンパワーメントするプライド月間恒例の野外イベント。多様な背景を持つ5000人以上の若者が参加。コンサートやDJ、スペシャルゲストによるスピーチなど次世代のLGBTQたちが連帯できるようなアクティビティーが盛りだくさん。ノンアルコール飲料、食べ物やスナック(無料)も用意。
South Street Seaport Museum
12 Fulton St(. Pier 16 & 17)/southstreetseaportmuseum.org
The NYC Pride March
6月30日(日)正午
ストーンウォール蜂起の翌年1970年からスタートし、以来、毎年恒例の公民権デモへと発展、現在は世界最大級の規模に。2020年と21年はバーチャル開催となったが、22年から再開。今年の正確なルートは5月末時点で未発表だが、通常は5番街を南下して8番街を西に向かい6番街を横切った後、クリストファーストリートを進み、ストーンウォール国定記念碑を通過し7番街を北上、エイズメモリアルを通り過ぎ16丁目と7番街で終了する。なお、ストリートフェアは午前11時からグリニッジビレッジ地区で。
スタート地点:25th St. & 5th Ave.
参加希望者はNYC Prideの公式サイトから要申し込み
これだけは観ておきたい
おすすめLGBTQドキュメンタリー映画
LGBTQを描いた映画やドラマは人気のコンテンツだが、重要なのは事実と歴史の記録だ。動画配信などで視聴可能な作品をいくつかピックアップしてみた。(※写真は全てYouTubeおよびApple TVからのスクリーンショット)
『ハーベイ・ミルクの時代』
(The Times of Harvey Milk)
監督: ロブ・エプスタイン 1984年

暗殺されたゲイの政治家ハーベイ・ミルクの死後に制作。アーカイブ映像やインタビューなどで構成。活動家からゲイの政治的成功の象徴へと成長する過程と殺害犯のダン・ホワイトの裁判までを描く。
『ビフォー・ストーンウォール』
(Before Stonewall)
監督: グレタ・シラー、ロバート・ローゼンバーグ 1984年

1969年のストーンウォール蜂起以前の米国のLGBTQコミュニティーの歴史に焦点を当てた作品。アレン・ギンズバーグ、ホセ・サリアなどの黎明期のLGBTQアーティストや活動家たちの証言を収録。
『パリ、夜は眠らない』
(Paris is Burning)
監督: ジェニー・リヴィングストン 1990年

1980年代のボールルームカルチャーとエイズ危機の時代に黒人とスパニッシュ系クィアコミュニティーが直面した人種差別、貧困、同性愛嫌悪を当事者たちへのインタビューで構成した代表的な作品。
『新宿ボーイズ』
(Shinjuku Boys)
監督: キム・ロンギノット、ジャノ・ウィリアムズ 1995年

新宿のおなべバーで働く3人のノンバイナリーとトランスジェンダーの男性が恋愛、両親との関係、ジェンダー表現や自認、人生観について語る。サンフランシスコLG映画祭で優秀ドキュメンタリー賞を受賞。
『ペストを生き抜く方法』
(How to Survive a Plague)
監督: デヴィッド・フランス 2012年

米政府の同性愛嫌悪による「無視と沈黙」で大量の犠牲者が出た、1980年代から90年代初頭のエイズ危機黎明期に、壮絶な闘いを繰り広げたACTUPとTAGの活動を記録。
『私はあなたのニグロではない』
(I Am Not Your Negro)
監督: ラウル・ペック 2016年

ゲイの作家、ジェームズ・ボールドウィンが公民権運動家のメドガー・エバース、マルコムX、キング牧師の人生を回想した1979年の未完成原稿とメモや手紙を基に制作。ナレーションはサミュエル・L・ジャクソン。
『フリー』
(FLEE)
監督: ヨナス・ポヘール・ラスムッセン 2021年

デンマークのアニメ(英語版)ドキュドラマ作品。アフガニスタン紛争で難民となったアミン・ナワビ(仮名)の半生を描いた作品。記録映像を除いてアミンの過去と現在の生活をアニメで再現。
『ココモシティ』
(Kokomo City)
監督: D・スミス 2023年

ジョージア州とニューヨークに住む4人の黒人トランスセックスワーカーの人生に焦点を当て、彼らが直面する喜びと苦難に光を当てた作品。2023年のベルリン映画祭でパノラマ観客賞を受賞。



