巻頭特集

今さら聞けないクラブのこと

NY市は「ナイトライフ」を強化中

 

これほどまでにクラブおよびナイトスポットがあふれていれば、その経済効果はかなりのものだろう。当然、ニューヨーク市政府も注目している。

バーやクラブなどを含めた、夜間(午後6時〜午前6時)営業のビジネス形態は「ナイトライフ」と呼ばれる。市の最新統計によると、このナイトライフ産業には現在、約29万9000人が従事しており、経済効果はなんと351億ドル! 市内では次々と新規店がオープンしており、賃金上昇率は、他形態のビジネスと比べても突出している。

この一大産業の更なる発展のために、市は2018年に「ナイトライフ局(Office of Nightlife)」を新設。マンハッタンでナイトクラブを10年以上経営した実績を持つ、アリエル・パリツ氏が初代トップに就任した。事業主や従業員向けの法規制や、コミュニティーへのサポート、リソース提供などを行っている。下記ウェブサイトに、ビジネスの始め方なども掲載されている。nyc.gov/nightlife

 

 

実体験から学んだ「超基礎」情報

実はジャピオン編集部も、今回の特集の取材開始時点で、クラブは実に10年ぶり(しかもニューヨーク市内では初)という素人状態だった。ここでは同じ境遇の読者のために、「紙面で紹介するにはあまりに今さら」な注意事項を、実体験を踏まえて紹介。

①スタート時刻には誰もいない

眠らない街ニューヨークの夜遊びは、始まりが遅い。もしクラブの開店時間が午後10時だった場合、本格的に会場が盛り上がり始めるのは11時半以降だ。編集部がとあるクラブに、10時ぴったりに足を踏み入れた際は、店内に客は皆無。会場の隅にぽつんと座って、時間が過ぎるのを待つ羽目になってしまった。夜は焦らずにいこう。

②現金をお忘れなく

入店時の支払い(前売り券のない状態)は現金のみを受け付ける店が多いので、財布にしっかりドル札を入れていこう。ちなみに今回の取材中、「午前12時以前なら入場無料」とうたっていた場所にいくつか潜入したのだが、RSVP(出席通知済み)だけの優遇措置だったり、その日は特別処置だったりと、成果はいまいち…。事前リサーチは怠らないように!

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