巻頭特集

大都会にも 星はある

高層ビルと人であふれたニューヨーク、下ばかり見て歩いていない? 野外にいる時間が長くなる夏こそ、夜空の美しさを楽しもう! 今号は、ジャピオンがニューヨーク市内で天体観測にトライ。


天体観測のプロに聞く
星ってNYで見えるの?

天体観測サークル「アマチュア・アストロノマーズ・アソシエーション・オブ・ニューヨーク(AAA)」代表のイレーヌ・ピーズさんに、ニューヨークでの天体観測について話を聞いた。

Q:AAAはどんな団体?

A:天文学の研究促進を目的に、1927年に創立されました。

アメリカ自然史博物館での講演のスポンサーや、学校へのプログラムの提供などの他に、無料の天体観測会を一般に向けて開催しています。メンバーのほとんどは趣味で天体観測をしています。

Q:イレーヌさんが星空に興味を持ったきっかけは?

A:高校生の時、『スティーブン・ホーキングのユニバース』という本に感銘を受け、アリゾナ大学に進学、物理と重力を学びました。それに関連した天体学を学んでいくうちに天体観測を始めて、以来約20年になります。毎晩、毎時間、その様相を変える星空を見ることは楽しいです。

Q:ニューヨーク市内で星を観測できる場所は?

A:都市で天体観測を行う際の一番の問題は「光害」です。照明や街灯などの人工光で夜空が明るくなり、星を肉眼で見ることは難しい。高層ビルに遮られて見えないこともあります。

よって、公園や墓地のように周囲に明かりや高い建物がなく、空が見渡せる場所がいいですね。セントラルパークやプロスペクトパーク、ブルックリン・ミュージアム・プラザなどで観測できます。AAAは、天体望遠鏡を抱えてハイラインやリンカーンセンターに集まり、一般人も参加できる天体観測をしています。

ただ、やはり都市では鮮明に見ることは難しく、特殊な星を探し当てるとなると忍耐が必要です。天候にも大きく左右されます。

Q:夏にニューヨークで見ることができる星は?

A:琴座のベガ(織姫)、わし座のアルタイル(彦星)、白鳥座のデネブを結んで描かれる「夏の大三角」を筆頭に、さそり座、かに座、木星や土星、そして8月には明け方に金星も見ることができます。

夏は天の川が美しい季節ですが、ニューヨークに住んで9年の私でも、天の川を見たことはないですね。いつもアップステートまで出向いています。

Q:天体望遠鏡がなくても見える?

A:双眼鏡でも観測できます。星にフォーカスするのは少し難しいかもしれませんが、空が澄んでいれば十分楽しめます。何より双眼鏡は値段が手頃で、持ち運びも便利。より鮮明に見たいなら、私達のグループの他に、コロンビア大学なども天体観測会を催しているので参加してみてください。

Q:観測時の注意点は?

A:暗い場所が望ましいのですが、セキュリティーがしっかりした安全な場所を選んでください。特に夏の公園は生い茂った木にはばまれた、暗くて危険な区域もあるので、オープンスペースの方がより安全です。

Q:星は私たちにとって、どんな意味を持つ?

A:何億光年も彼方にある星や惑星を見ることで、感動的な素晴らしさをいろんな人と共有できます。私たちは好奇心にかられて夜空を見上げ、そしてその星空の下で、一つになれるのです。

Amateur Astronomers Association of New York

10月までの毎週火曜日にチェルシーのハイライン(12〜13ストリート辺り)で、
また特定の金・土曜日にリンカーンセンター(噴水近く)で、無料の天体観測を開催している。
詳細はウェブサイト参照。
aaa.org

 

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