グローバル時代の子育て

その42 自己表現力を 鍛える!

 

海外で暮らす日本人の子供たちが現地校に通い始めた時、共通してぶつかる問題が「Participation(授業参加)」です。アクティブラーニングが一般的な海外の学校では、小学生の子供にも授業参加が求められます。

日本人の子供の多くは、授業中に発言したり、議論に参加することを避けようとします。英語力に自信がないことも大きな原因ですが、それ以前に「どう自己表現してよいのか分からない」のです。

 

日米の子育て文化の違い

一般的に日本人の子供はおとなしく、自己主張が少ないです。これは子供の性格による場合もありますが、日本の子育て文化による影響が大きいと私は考えています。

集団内の協調が強く求められる日本社会では、堂々と自己主張できる子供が育ちにくいのです。日々の子育てやしつけの中で、親も気付かないうちに、子供に協調を求める場面が多いように思えます。

個性が強い子よりも協調性がある子、自己主張する子よりも素直な子が「良い子」であると考えられているのではないでしょうか?子供が自分の意見を押し通せば「我がまま」や「生意気」とマイナスに見られることが多いのです。

このような集団の調和と協調を重んずる価値観を受け継いだ日本人の子供たちが、強い自己表現をためらい、議論や衝突を避ける性格に育っていくのはうなずけることです。

 

 

コミュニケーションスタイルの違い

ほぼ単一民族国家である日本では、いちいち言葉で伝えなくても察し合える非言語コミュニケーションがあらゆる場面で通用します。「K=空気が読めない」という言葉に代表されるように、非言語コミュニケーション力が弱い人は集団に溶け込むことさえ難しいようです。

日本では当たり前の非言語コミュニケーションですが、多様な人種、民族、価値観が混在する国際社会ではほとんど理解してもらえません。それどころか誤解を招いたり、無用なトラブルを引き起こす原因となるのです。

文化背景を共有していない相手と意思疎通する時は、相手に察しを期待しても無意味です。お互いの考えを言葉で明確にした上で、お互いを理解しようとする言語コミュニケーションが必要なのです。

現地校でも同じことが起きます。周囲の意見に同調したり、授業で発言しないでいると、学習内容を理解していない、英語力が不足している、授業に参加する意欲がないなど、あらゆる誤解を受けてしまうのです。

 

自己表現の源は「アイデンティティー」です

自己表現にはアイデンティティーが伴います。「私はこういう人間です。だからこのように考えます。」そう胸を張って言えるには「たくましい自己/アイデンティティー」を確立することが必要です。

子供が「たくましい自己」を確立するためには子供の自己肯定感を高めてあげることが大切です。海外生活では子供が自信喪失しがちです。両親は子供の自信を守り、自己肯定感を高める子育てを実践してください。

 

 

 

 

 

 

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