新型コロナ時代のサバイバルエクササイズ
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前回に引き続き、ニューヨークでの近年の犯罪の傾向、犯罪の手口の変化から見える動向について専門家の分析を聞いた。ヘイトクライムの数や危険な地域、またテクノロジーを狙った犯罪の数はどう推移しているだろうか?
Q. ニューヨーク市内では近年、車を使ったテロや、地下鉄駅構内で自爆テロが起こっています。こうした予測できないテロ行為に対し、どのように身を守ればいいのでしょうか?
A.
「自分の周りでテロなんて起こらないだろう」と楽観しないこと、そして他人事に思わない意識が一番大切です。
テロの発生は予測できず、政治、経済、宗教などイデオロギーの対立により、状況は刻々と変化します。テロに遭遇することを100%回避する方法はありません。だからといって事前に何も考えておかなければ、実際にテロに遭遇してしまった際に適切な行動を取れず、命を落としかねません。
テロに遭遇した際の基本的な考え方は、「命が助かる可能性を1%でも上げる」です。そのために、取るべき行動をあらかじめ考えておくことが必要です。
(*1)2017年10月31日に、ダウンタウンで自動車が自転車専用道を走行。歩行者8人が死亡、12人が負傷した。同被告は、イスラム国の名のもと、犯行を行ったと主張。 (*2)17年12月11日にタイムズスクエア付近の駅構内の地下通路で、男が体に巻きつけたパイプ爆弾を起爆させ、本人を含む4人が負傷した。
Q. 実際にテロに巻き込まれてしまったときに、すべき対処法は?
A.
乱射事件に遭遇した場合の対策として、NYPDが挙げているのが、「アボイド」「バリケード」「コンフロント」です。
まず、「アボイド」。とにかくテロ発生現場から離れることが重要です。銃声や爆発音が聞こえたら、発生地から遠ざかるように逃げてください。58人が死亡した一昨年のラスベガス乱射事件(*1)でも、異変を察知し、すぐにその場から立ち去った人が多く助かっています。
銃撃してくる場所を感知し、それとは反対方向に逃げます。逃げる際には、必ず頭をかばいながら、標的にならないために低姿勢を保つことも心掛けてください。盾となる壁や車があれば、そこに身を伏せるのも効果的です。さらに、ジグザグに走って逃げると撃たれる可能性が低くなる場合があります。こうした生死にかかわる非常時に、スマホで写真を撮影しようと立ち止まったりしないでください。
また一昨年末、ニューヨークでは地下鉄駅構内の地下通路で自爆テロ(*2)がありました。こうした場合も爆発音を聞いたら発生地を感知し、反対方向に走って逃げます。通常、こうした自爆テロでは、爆発が数回起こることが多いので、近くにいると二次被害に遭う可能性が高まります。
乱射事件が発生し、すでに犯人が建物内に侵入しているときには、部屋のドアの鍵をかけ、椅子やテーブルでドアに「バリケード」を作ることが大切です。障害物を設置することで、犯人の侵入・襲撃を遅らせて、助けが来るまでの時間稼ぎを少しでもすることが、重要とされます。
最後の「コンフロント」とは、つまり闘うことです。ただ実際には、武器を持った人間を相手に立ち向かうことは、訓練でも受けていない限り容易なことではありません。
実はこの考えは、20 15年に欧州で起こった、実際の事件が影響していると考えています。自動小銃を使って鉄道内で無差別殺人テロを起こそうとした犯人を、アメリカ人の若者3人が取り押さえ、犯行を未然に防いだという事件です。クリント・イーストウッドが監督し、映画(「15時17分、パリ行き」/英題=The 15:17 to Paris)にもなったのでご存知の人も多いかもしれません。しかし、犯人を取り押さえた若者3人のうち2人は、訓練を受けた軍人だったことを忘れてはなりません。
ただ、たとえ逃げられないかもしれない状況になっても、「最後まで絶対諦めない」執念を持つことが、実はとても大切だと考えています。そして常日頃から、「もしこの場で何か起きたら」と考え、行動の仕方や計画を想定しておくことが大切です。
〈おことわり〉
当社は記事内容に関して一切責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。またこの記事は、2018年に弊紙に掲載した内容に、加筆修正を行ったものです。
橋本晃宏さん
Safeco Risk Control, Inc.代表。
1995年からセキュリティー関連のビジネスを始め、2004年に同社設立。
セキュリティーシステム・スペシャリスト、リスクアナリストとして個人・企業向けに防犯管理サービスを提供している。
元カリフォルニア州立短大講師。
Safeco Risk Control, Inc.
safecosurveillance.com
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