思い通りの人生

<第4回> 今日からできないは捨てて「できる」に変える思考

人生は選択の連続。失敗を恐れないで。近道も遠回りもどちらの道を選んでも正解だと思っています。どちらかを選ばなければ良かったという後悔だけはしないでください。

自分の考えに迷ったら周りや家族に相談してください。ただし、最終的に決めるのはあなた自身です!あなたが決めた事を信じて前に進んでください。間違ってもいい。ただ芯だけはぶれないで真っ直ぐ進んでください。すると自然と周りに同じものを目指す人達が集まってきます。だから自分が決めたことに自信を持ってください。


続・米国への切符

さて、前回の続きから。最終オーディションで米国行きの切符を手にした後、初めての海外にドキドキとワクワクしかありませんでした。しかし、米国に着いた初っ端から、空港で事件が起こりました。

ニューヨークに到着して自分の荷物をピックアップに行ったら、なんと私のスーツケースがないのです! 「えっ、なんで!?」かなり焦りました。30分しても荷物が出てこず、半分諦めかけていたところに、女性の方が私の荷物を持って係員と話しているのを発見しました。その荷物は間違いなく私のバゲージでした。彼女は間違えてピックアップしたそうで、すみませんと言って返しに来たところでした。すぐさま係員のところへ走って行き、「This is mine!」と大きな声で言いました。

「米国=無くなったものは見つからない」と思っていたので、バゲージが戻ってきて本当に良かったです。いつも大切な物はバックパックに入れていたので、スーツケースの中身は半分以上が衣類でした。さらに、元々物に執着心がない私なので、もしスーツケースがなくなってもそんなに悲しいという気持ちはなかったかもしれません。しかし、母からのお守りがたまたまスーツケースに入っていたのを見て、母が守ってくれたんだと思いました。

出会い

米国到着からいろいろありました。空港からは、当初Uberなどなかったので、タクシーでホテルへ移動しました。そのタクシーの運転手さんがとても良い人で、私のつたない英語もちゃんと聞いてくれました。そして、その運転手さんが昔、ジャズドラマーだったということで、ジャズのオープンマイク情報をゲットすることができました。

最終オーディションまで数日あったので、自分を試すために、早速その運転手さんが教えてくれたジャズのオープンマイクへ行ってみました。オープンマイクでは用紙に名前を書きサインナップします。自分の番になり名前を呼ばれた時には、緊張は最高潮に達していました。歌いたい曲とビートを伝え、いざステージへ…。しかしセッションが始まると、緊張は吹っ飛び、ただただ楽しかったことを覚えています。歌い終わった後のアンコールがお客さんから聞こえた時には、嬉しすぎて感動しました。米国で私の歌を初めて聞いてくれた人たち。そこで出会えた人たちに感謝でした。

ファイナルでのハプニング

いよいよ待ちに待ったナショナル大会の本番。何故か凄く気持ちが落ち着いていました。審査員のポイント制で勝ち進んでいきます。しかしセミファイナルまで進んだ時、いきなり緊張が走りました。今まで落ち着いてパフォーマンスしてきましたが、いきなりその時は来たのです。

音楽が鳴り、歌おうとした瞬間、なんとマイクが入ってなかったのです! しかしそのまま最後まで歌う覚悟をした私は、音響さんに「音楽をフェイドアウトで止めて!」ととっさにジェスチャーで伝えました。彼が良いところでフェイドアウトしてくれたので、その後は最後までアカペラで歌いあげることができました。生まれつき声が大きい私。この時ばかりは親に感謝しました。そして米国の方々の温かさにさらに救われました。そんなハプニングも乗り越え、無事ファイナル進出できました。

最終の戦いの曲はミュージカル『レ・ミゼラブル』の『On my own』で挑戦しました。勝っても負けても悔いが残らないように、気持ちを最大限に込めました。結果は2位。悔しい気持ちにはならず、やるだけのことやったその結果が2位だったので、すんなりと受け入れることができました。米国で自分の出したい力は全て発揮した自分を、自分で褒めてあげました。

まだまだ始まったばかり、結果が全てではない。それよりもここで出会えた人たちに感謝。いつも人との繋がりを大切にしています。「初心忘れるべからず」いくつになってもこの気持ちを忘れずに、前に進んで行きます。


窪田 弥生 Yayoi Kubota
アーティスト

奈良県出身。5歳から歌を始める。Ture star Japanオーディションで3000人の中からチャンピオンに輝き、チャンピオン大会出場のため単身ニューヨークへ。その後再び2006年に渡米。大学時代には、ミュージカルや芝居、バックダンサー、CM、レポーター、モデルなど数々の経験を重ね、サザンオールスター、BOA、スガシカオ、本田美奈子など、著名なアーティストとの共演経験も持つ。渡米後、全米トップのMacdonal’s Gospel festで女性シンガーソロファイナリストに選出される。アリシア・キースやダイアナ・ロスのボーカルトレーナーに認められ、コラボレーションしたりハーレム地区の有名なコットンクラブでも歌っている。また、10年にオフブロードウェーミュージカル『Black Nativity Now』に日本人ゴスペルクワイヤーとして出演。14年には、ニュージャージーのニューアーク・シンフォニー・ホールでゴスペル・スーパー・クワイアーでギネスに挑戦し、記録を更新。またベルリン国際映画祭で2年連続オープニングパフォーマーを務めたり、愛知万博に振り付けで参加するなど、日本とニューヨークを中心に世界を股にかけ活動中。直感と縁を大切にしている。

               

バックナンバー

Vol. 1341

世界で最も多様な街 ジャクソンハイツへ

マンハッタン区から地下鉄で約20分。クイーンズ区ジャクソンハイツ地区は、数ブロック歩くだけで、文化も言語もめまぐるしく変化する、多様性の極地のようなエリアだ。かつてニューヨークタイムズは「世界で最も多様な地域の一つ」、BBCは「ニューヨークを体現する街」と評した。本特集ではこのエリアの魅力に迫る。

Vol. 1339

NYでK-POPカルチャーを思う存分に楽しむ方法

K-POPを代表するアーティスト・BTSが先月、兵役を経てグループとして約4年ぶりに活動を再開した。先月21日に韓国・ソウルで行われたコンサートは世界配信され1840万人の視聴者を集めた。先月15日にはNetflixアニメ『KPop Demon Hunters』がアカデミー賞長編アニメ映画賞などを受賞。近年盛り上がりを見せて久しいK-POPだったが、その勢いは止まるところなく、新たなフェーズへと突入している。その大きな波が押し寄せるのがニューヨークだ。

Vol. 1338

AIがつくる未来 最注目の起業家インタビューほか

AIは急速に私たちの生活に浸透している。話題の生成AIだけにとどまらず、政治やビジネス、医療や法律、さらには恋愛など人との関係性にまで影響を及ぼし始めた。本特集では、ブルックリン区で活動するAI起業家のインタビューを通じてその知能の正体に迫るとともに、ニューヨーク生活で活用できるAIサービスなど最新動向を紹介したい。