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読書と本が好&#
ここ数週間、読書好きの私とパートナーの会話によくあがった話題がある──ニューヨークタイムズ書評部が発表した、「21世紀のベスト100冊」だ。これは、著者、編集者、研究者や評論家、翻訳家、図書館員など、500人以上の文学賢者的存在にアンケートをとり、その意見を元にまとめられたもの。併せて、「読者が選ぶ、21世紀のベスト100冊」も公開された。
同媒体監修のリストに載る本だけが「最高の本」なわけでは全くない。それを大前提とし、4分の1が過ぎようとしている21世紀に出版された現代文学の振り返りとして見ていると、このリストの興味深い点と、偏りや限りを感じる点、どちらも出てくる。個人的にランクイン納得の本もあれば、一方でとりこぼされている作品や領域も見えてくる。いち読書好きが個人で数えたり判断し、日本語訳された作品を中心に抜粋もしており不完全ではあるけれど、考察を簡単にまとめたい。
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多岐にわたる表現方法
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まず気づくのは、カテゴリー、ジャンルやフォーマットの多様さ。フィクション・小説が多いのは不可避かと思うが、いわゆる純文学から歴史小説、SF、ファンタジーなどさまざまなジャンルが見られる。ほかのカテゴリーとしては、ノンフィクション、詩、エッセイなども。そしてフォーマットとして特異なものに、グラフィックノベルも2冊ランクインした。
社会問題や歴史、科学、個人の経験などさまざまな内容を読む上で、カテゴリー、ジャンルやフォーマットによる表現の違いを楽しめると、読書の魅力がより深まるのを思い出させる。
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言語と、作家の背景
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100 冊の内13冊は元々英語以外の言語で書かれた作品の翻訳で、1位はイタリア語の作品だ。書かれた言語に加え作家の背景も合わせて、我々に特に近似性がある「アジア系文学」を例に深く見てみるのも興味深い。
9位に日系英国人小説家カズオ・イシグロが英語で書いた『わたしを離さないで』、15位に韓国系米国人小説家ミン・ジン・リーが英語で書いた『パチンコ』、48位にフランス在住イラン系グラフィックノベル作家マルジャン・サトラピがフランス語で書いた『ペルセポリス』、49位に韓国人小説家ハン・ガンが韓国語で書いた『菜食主義者』、75位にパキスタン系英国人作家モーシン・ハミッドが英語で書いた『西への出口』、90位にベトナム系米国人小説家ヴィエト・タン・ウェンが英語で書いた『シンパサイザー』などがある。一言にアジア系と言っても幅広いのが見てうかがえる。
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乏しさを感じる要素
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一方で、日本語の作品はランクインせず。「読者版100冊」では、村上春樹の『海辺のカフカ』が78位、『1Q84』が79 位に選ばれた。
また、米国先住民文学は、30位に入ったジェスミン・ウォードの『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え』だけだろうか。それに加え、トミー・オレンジの『ゼアゼア』が、「読者版100冊」には見られる。アラビア語で書かれた作品は私には見つけられず、中東の作家も極めて少ない。黒人文学に関しては、米国が中心。英国の作品も見られたが、アフリカなど多様な作品ももっと知りたい。
このリストの言語や背景の乏しさは、ここにあげた以外にも見つかるはずだ。
ジェンダーやセクシュアリティーの多様性に目を向けると、アリソン・ベクダルの『ファン・ホーム~ある家族の悲喜劇~』など数作品が該当する。しかし、昨今のLGBTQ+文学の広がりは、このリストでは反映されていない気がする。
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次の四半世紀の読書を考える参考に
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ニューヨークタイムズのページでは、100位圏外作品も含め、一部の選者たちがそれぞれ実際にピックアップした作品やコメントも閲覧できる。
大手メディアがまとめたこの四半世紀の出版物の振り返りは、今の読書文化の豊かな面と乏しい面を考えるきっかけを与え、今後の読書の参考になったように思う。そして25年後の2049年には、このリストがより一層彩り豊かになっていることを期待したい。
COOKIEHEAD
東京出身、2013年よりニューヨーク在住。ファッション業界で働くかたわら、市井のひととして、「木を見て森を見ず」になりがちなことを考え、文章を綴る。ブルックリンの自宅にて保護猫の隣で本を読む時間が、もっとも幸せ。
ウェブサイト: thelittlewhim.com
インスタグラム: @thelittlewhim
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