巻頭特集

話題の店が続々オープン!今、行きたい店はここだ!

京都の古民家を解体した木材を使って伝統的な日本建築を彷彿とさせる空間に再生。設計はスキーマ建築計画の長坂常とTANK、店名(サイン)デザインはグラフィックデザイン事務所のvillage®が担当した


日本のものづくりを発信
シボネ CIBONE

Q. 出店理由は?

世界の文化を学びながらさまざまなものづくりに触れてきたこれまでの経験を活かして、今度は日本の作家やデザイナー、アーティストのものづくりを米国さらには世界に向けて発信していきたいと考え、出店を決めました。

Q. シボネが提唱する「未来のアンティーク、これからのクラシック」とは?

人が生み出すものの多くは、人の一生よりも長く存在します。なぜならば、創作した作家がこの世を去ってもなお、「賞賛」や「共感」といった形で後世に伝えられるからです。賞賛や共感のためにはコミュニケーションを引き起こす力が必要です。10年後、50年後、100年後まで生き続け、人から人の手に渡り、そこで会話や社会へのつながりが起きるような、用途だけではないコミュニケーション形成に役立つような作品、ずっと愛でることができる、強度のある作品を「未来のアンティーク、これからのクラシック」と定義しています。

Q. 作家選定の基準は?

基準は設けていませんが、現在は日本人アーティストや生産者による作品のみ取り扱っています。先にも述べたように、古いもの新しいもの、有名無名を問わずに、また作品のみならず、作り手本人に魅力があるかかどうかも重視して選定しています。作品はあくまでコミュニケーションのツールの1つだと思うので。

Q. 今後は、どのような作品を紹介していきたいですか?

月に1回、日本の作家やキュレーターの展覧会を行います。内容は、うつわやアートオブジェ、絵画、家具や音楽など多岐にわたり、さまざまな角度から日本の作品を紹介していきたいと考えています。また、現地の優れた才能にも注目し、日本に発信していく予定です。

Q. イベントやワークショップなどを開催する予定は?

月に1回、ローカルアーティストとのワークショップやポップアップイベントを開催します。オクメやハウスなど食を軸にした50ノーマンならではのイベントも計画しています。

小野哲平、田宮亜紀などによる器や、ガラス作家の和田朋子、美術家の寺山紀彦、イラストレーターのカワイハルナなどさまざまなアーティストの作品を展示販売

 

今川拓人さん
ブルックリン店マネージャー

cibone-us.com


シボネ

「未来のアンティーク、これからのクラシック」をテーマに日本のものづくりや刺激的なデザインを紹介するライフスタイルショップ。企業理念は、「ものを『選ぶ』だけでなく、自ら『つくりだす』意識で、変容する世界に対して常に新しさとユニークさを問い続ける」こと。2001年、東京都港区青山に第1号店をオープン。


ナチュラルワインとアラカルト、〆はラーメン
トンチン・ブルックリン TONCHIN BROOKLYN

1992年東京池袋に創業した東京豚骨ラーメンの人気店「屯ちん」のニューヨーク第2号店。昨年11月に開店5周年を迎えたミッドタウン店はミシュランのビブグルマンを4年連続受賞する人気店。大好評を受けてのブルックリン店も昨年夏のオープン以来、これまた連日大盛況。

アラカルトメニューは、豆腐とひよこ豆で作った特製フムスに軽くローストした椎茸と酸っぱさ控えめの酢味噌を合わせた、シイタケ(写真右=12ドル)、真鯛のお刺身はガーリックとライムが効いたヨーグルトソースでタルタルに。隠し味にラッキョウのみじん切りを加えキャビアを添えた、ホワイトタルタル(28ドル)など、目にも舌にも美味しいものばかり。

同店のシグネチャー、トンチンクラシック東京豚骨ラーメン

ラーメンは、独自配合の小麦粉を使った中太ちぢれ麺。同店奥の厨房でその日の気温や湿度に合わせて粉の配合を変え手打ちする。おすすめはトンチンクラシック東京豚骨ラーメン(19ドル)。豚骨をベースに濃口醤油で旨味だけを引き出し、吟味した豚肉・鶏肉・野菜などを長時間じっくりと炊き出した、さっぱりしながらもコクのあるスープが特徴。豚の脂の甘さがじんわりと口中に広がるチャーシュー、とろとろ煮卵、自家製の特大メンマと、こだわり抜いた味が丼に凝縮した逸品だ。近年、ワイン通の間で注目されているオレンジワインなどナチュラルワインは120種類、抹茶やザクロジュースを使った創作ノンアルコールカクテルも充実している。

109 N 3rd St, Brooklyn, NY 11249
www.tonchinbrooklyn.com


昼はカフェ、夜はおまかせパーテ
アズ・ユー・ライク As You Like

イーストウィリアムズバーグ、地下鉄L線のグラハムアベニュー駅から徒歩5分。シンプルだが温かみのある店内には大きな共有テーブルと2人用の小さなテーブルが2つ。ご近所の人たちがふらりと立ち寄って、本を読んだり気軽におしゃべりしたりできるような空間を作りたいと、オコノミ/ユージラーメンのオーナーシェフ、原口雄次さんが昨年8月にオープンした。

オコノミ/ユージラーメンで使用している器の他、スタッフが選んだ陶芸家の作品を展示販売。不定期で「陶器市」も開催

同店を含めて2店舗でしか飲めないというアラビカコーヒーは、イーストハーレムの焙煎業者から特別に仕入れたもの。黒蜜や抹茶を使ったオリジナルドリンクとクロワッサンやマフィン、あずきトースト(7ドル)の他、日本酒やビール(12ドル)もあるので、ちょいのみもOKだ。ちなみに同店、夜は原口さんによる12席限定の「おまかせスシパーティー」の会場に変貌する(不定期開催*)。個人、グループと参加者はさまざま。美味しいおすしとお酒で盛り上がれば、他人同士でもあっという間に友達に。金・土曜の午後4時から7時はハッピーアワーも実施。今月からオコノミマーケットによるお弁当のテークアウトも始まる。

コミュニケーションを大切にしたいとの考えからWi-Fiはつなげていない

 

人気メニューの黒蜜入り抹茶ラテとあずきトースト

*おまかせスシパーティーのチケット購入はオサカナのウェブサイト(www.osakana.nyc)から

428 Humboldt St, Brooklyn, NY 11211
www.asyoulike.nyc

 

関連記事

NYジャピオン 最新号

Vol. 1244

オーェックしよ

コロナ禍で飲食店の入れ替わりが激しかったニューヨーク。パン屋においても新店が続々とオープンしている最近、こだわりのサワードウ生地のパンや個性的なクロワッサン、日本スタイルのサンドイッチなどが話題だ。今号では、2022年から今年にかけてオープンした注目のベーカリーを一挙紹介。

Vol. 1243

お引越し

新年度スタートの今頃から初夏にかけては帰国や転勤、子供の独立などさまざまな引越しが街中で繰り広げられる。一方で、米国での引越しには、遅延、破損などトラブルがつきもの、とも言われる。話題の米系業者への独占取材をはじめ、安心して引越しするための「すぐに役立つ」アドバイスや心得をまとめた。