巻頭特集

知りたい! ペンステ改装計画

ナヤ
Naya: Middle Eastern Counter & Grill

シャワルマ(羊肉や鶏肉を金属製の串に突き刺し回転させて焼いた肉料理)やファラフェルといった中東のファストフードを提供。3種類(ロール、ボウル、サラダ)の中から好きな食べ方を選んで、肉またはファラフェルとフムスなどのトッピングを選ぶ。
eatnaya.com


マグノリアベーカリー
Magnolia Bakery

テレビドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」に登場して一躍有名になったカップケーキの店。日本人には若干甘すぎるが、なぜかリピートしたくなる味。イチオシはクリームバニラプディングにバナナとワッフルを混ぜ込んだクラシック・バナナ・プディング。
magnoliabakery.com


ママン
Maman

2014年にソーホーでオープンしたフレンチベーカリー。南仏とニューイングランド地方を感じさせるインテリアが特徴。現在はチェーンで24店舗を展開。ペストリー、キッシュ、サラダ、スープ、サンドイッチなど。ポーションが少なめのキッズメニューもある。
mamannyc.com


ジェイコブズピクルス
Jacob’s Pickles

ピクルスに合うファストフード(フライドチキン、マック&チーズ)とクラフトビール、ソフトクリーム(ビーガン)を提供。キッチンで毎日焼き上げるビスケットにフライドチキンを挟んだ南部風サンドイッチが有名。シグネチャーのピクルスも販売(11月10日取材時は開店準備中)。
jacobs.picklehospitality.com


グルメショップ

●ベスビオ
Vesuvio
イタリアンベーカリー

vesuvio-bakery.com


●ソースピッツエリア
Sauce Pizzeria
ピザ

saucepizzeria.com


●バーチコーヒー
Birch Coffee
グルメコーヒー

birchcoffee.com


●スリーズブリューイング
Threes Brewing
クラフトビール

threesbrewing.com 


●プレスドジューサリー
Pressed Juicery
フレッシュジュース
pressed.com


●ブルーボトルコーヒー
Blue Bottle Coffee
グルメコーヒー
bluebottlecoffee.com


詳細はサイトをチェック!
moynihantrainhall.nyc

●ヨーヨースシ
Yo Yo Sushi
すし
yosushi.com

●パストラミクイーン
Pastrami Queen
パストラミサンドイッチ
pastramiqueen.com

●ラ・エスキーナ
La Esquina
メキシカン
esquinanyc.com


意外と知らない⁉ ペンステとグラセンの隠れた物語

アテネのアクロポリスやバチカンのサンピエトロ広場などのローマ建築から想起して設計されたというオリジナルのペンステーション(以下、ペンステ)は、世界最大の公共施設として、また到着と出発の待合室を別々にした世界初の駅の1つとして1910年に誕生。威風堂々としたボザール様式の駅舎は経済都市として急成長するニューヨークを象徴する華々しい存在だった。

オリジナルのペンステーション

第二次世界大戦が終わり旅客輸送量が激減するとペンシルベニア鉄道は経営悪化と老朽化が進む駅舎の維持不能を理由に54年、ペンステの航空権を不動産開発業者に譲渡。一般市民や建築家、ニューヨークタイムズなどが大規模な取り壊し反対キャンペーンを展開したが63年、無残にも取り壊され、その5年後に迷路のような地下に移転した。これが現在のペンステである。第2のペンステについてエール大学の建築史家ビンセント・スカリーは「新しい駅は屈辱的で困惑させられる。一方は神のように街に入り、もう一方はネズミのようにこそこそと入ってくる」とオリジナルのペンステと比較してこき下ろした。この出来事への反省が契機となってニューヨーク市は65年、建築、歴史、文化的に重要な建物や場所をランドマークや歴史地区に指定し保護するランドマーク法を制定、3年前から組織されていたランドマーク保存委員会(LPC)に強力な権限を与えた。

ちょうどその頃、グランド・セントラル・ターミナル(以下、グラセン)も危機にひんしていた。ランドマーク法制定の3年後、破産に直面した親会社ニューヨークセントラルはペンシルベニア鉄道と合併し、ペンセントラル鉄道を設立。新会社はペンシルベニア鉄道が初代ペンステで行ったようにグラセンを取り壊して高層ビルに建て替えることを提案したが、67年にグラセンを市のランドマークに指定したLPCはこの計画の検討を拒否。75年にメインコンコースを取り壊して55階建てオフィスタワーを建築する計画が再び浮上した際もジャックリーヌ・ケネディ・オナシスをはじめとした著名人、一般市民を巻き込んだ取り壊し反対の一大キャンペーンが繰り広げられた。78年、米最高裁は再開発計画を禁止。メトロポリタン交通局(MTA)によって95年から始まった段階的なリニューアル計画を経てグラセンは見事に再生。ペンステが救ったグラセンは来年、建造110周年を迎える。

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