巻頭特集

NYC新市長が誕生!エリック・アダムス氏を解剖

歴代ニューヨーク市長にもフォーカス

全米最大都市だけにさまざまな有名人が歴任してきた過去のニューヨーク市長を振り返る。


世界中から多くの人々が集まるニューヨークは世界の中枢機関も多く、時代の流れにも翻弄され、世界的にも注目を浴びることが多い都市だ。

今回新市長に就任したエリック・アダムス氏は第110代の市長となる。歴史をさかのぼると長く、1624年から64年までのオランダ植民地時代には、ニューアムステルダムはニューネーデルランド長官によって統治されていた。64年にイギリスのニューヨーク州が設立された後、新たにニューヨークと名付けられた市はイギリスの軍事総督であるリチャード・ニコルズによって運営されていた。イギリス統治下ではあるが65年にニューヨーク市長職ができ、植民地総督によって任命されていた。

アメリカ合衆国が建国されると、ジェームズ・デュエイン氏が1784年から初代ニューヨーク市長に就任。1821年からは、ニューヨーク市議会(当時はコモンカウンシルと呼ばれていた)が市長を任命するようになり、34年以降、市長は住民による直接投票で選出されることとなる。34年の憲章では、市長は毎年直接人気投票で選ばれていたが49年以降、市長の任期は2年となる。

さまざまな人種が入り乱れるニューヨーク市だが、歴代市長でヒスパニック系は、祖父がベネズエラ出身のスペイン系で1914年に就任したジョン・パーロイ・ミッチェル氏のみ。黒人市長もデイビッド・ディンキンス氏に次いでアダムス氏が2人目。アジア人、女性の市長はいまだ誕生したことがなく、まだまだダイバーシティーに乏しい人選となっている。


★★★記憶に、記録に残る市長は誰?★★★

記念すべきNY市の初市長
James Duane

Painted by John Trumbull

イギリスの植民地からアメリカ合衆国になり、初の市長となった。ニューヨーク出身でアメリカ建国の父と呼ばれ、弁護士、法律家でもある。アメリカ独立戦争の指導者としても有名な歴史に名を残す人物。


トランプ前大統領の顧問弁護士としても有名
Rudolph W. Giuliani

Photo by John Mathew Smith

トランプ前大統領の顧問弁護士を務めた人物で第107代ニューヨーク市長。9.11発生時に市長として困難に乗り越えるために指揮を執った。今年に入りニューヨーク州の弁護士免許を停止されるなど話題も多い。


ラガーディア空港として名を残した市長
Fiorello H. LaGuardia

Photo by Fred Palumbo

第99代ニューヨーク市長を務め、在任期間は最長タイの12年になる。無愛想で小柄だが、エネルギッシュでカリスマ性があったといわれる。ラガーディア空港として彼の名は今でも知られている。


巨大企業の創業者が政財界に進出
Michael R. Bloomberg

Photo by Bloomberg Philanthropies

1981年に自身の会社ブルームバーグL.P.を立ち上げ、同社の会長兼CEOを務めた。2019年にはフォーブス誌の世界で最も裕福な人物8位にランクイン。20年、民主党の大統領候補にも選ばれている。


黒人初の市長として指揮を執った
David N. Dinkins

Photo by Steve Mack/S.D. Mack Pictures

第106代のニューヨーク市長に就任。弁護士、作家としての顔も持つ。アフリカ系アメリカ人のニューヨーク市長としては初となる。市長を退いた後はコロンビア大学で教壇に立つなど、積極的に活動していた。


今後は州知事選に挑戦?
Bill de Blasio

Photo by NYC Website

ニューヨーク大学とコロンビア大学を卒業し、かつてはチャールズ・ランゲル氏やヒラリー・クリントン氏のキャンペーン・マネージャーを務めていた。2014年にニューヨーク市長に就任し、年内で任期を終える現市長。今後州知事参戦の可能性も?


市長のオフィス、市庁舎はどんなとこ? 市長のオフィス、市庁舎はどんなとこ?

来年1月1日より新市長となるアダムス氏の新しい職場は、マンハッタンのBrooklyn Bridge City Hall駅前にあるシティーホール(市庁舎)だ。建築家ジョセフ・フランソワ・マンギンとジョン・マッコム・ジュニアの2人による、左右対称のフレンチ・ルネサンス様式の趣あるシティーホールは、国定歴史建造物であり国家歴史登録財に登録されているアメリカで最も古い市庁舎となっている。

通常シティーホールは一般のビジター向けに無料でツアーを開催しているが、残念ながら現在は閉鎖されている。建物内は市の歴史にまつわるストーリーが満載なので、再開したらぜひ訪れてみよう。

詳しくはウェブサイトへ
www1.nyc.gov

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