巻頭特集

夏の大自然、(安全に)満喫。

編集部が検証取材

〈注意〉この記事は、7月16日当時の取材を基に構成しており、営業情報は変動の恐れがあります。


今、州立公園はどれだけ楽しめる?

ニューヨーク市内から訪れやすい、人気の州立公園の一つが、ベアマウンテンだ。マンハッタンから見るとハドソン川の対岸に位置するこの公園は、ハドソンハイツと呼ばれる山地の一部。

自動車で遊びに行く人が多いイメージがあるが、マンハッタンからはメトロノース鉄道とタクシー(または配車サービス)を駆使すればアクセス可能。同鉄道ハドソン線のピークスキル駅(グランドセントラルから1時間強)で下車後、タクシーまたは配車サービス利用で15分。

フェーズ4とはいえ、まだパンデミックの余波を警戒する風潮は続いている。取材時は、まだまだ乗客も少なかった。

ピークスキル駅は素朴かつ小規模で、ローカル会社のタクシーもまばら。配車サービスが20分かけて、川の向こう側からやって来ることもあるので、予定を立てる際は帰りの電車の時間も含めて注意したい。

ちなみに地元住民いわく、例年、夏の午前11時前後と午後4〜5時ごろは周辺道路が大変混み合うそうだ。

湖で心を癒やす

本当は専用駐車場にタクシーを向かわせると便利なのだが、ベアマウンテンのふもとに広がる、ヘシアン湖のほとりで車を降りた。時刻は午前11時。微かに聞こえる鳥のさえずりと、静けさをたたえる湖面の輝きに心を奪われた。見渡す限り緑に埋め尽くされた山は、雄大の一言に尽きる。

「マウンテン」というからには、登山などアクティブな過ごし方を想起するかもしれないが、ベアマウンテンに関しては、ヘシアン湖で腰を下ろし、ゆったり過ごすのも最高。平坦な土地なので、老若男女問わず、気軽に散策できる。頭を空っぽにして、自然の香りや音に集中しよう。

平日の利用者は、地元住民を筆頭にそこそこいる。他のグループと距離を置いて、バーベキューやピクニックに興じる人も多かった。

名物ルートを歩こう

湖の周りを半周ほど歩くと、山頂に続くトレイルの入り口が見えてきた。ベアマウンテンは、アパラチア山脈ををつなぐ「アパラチアントレイル」が通っている。山頂までは1時間ほどで到達するというが、高低差はなかなか本格的。序盤は軽装で歩けるが、踏破を目指すなら服装を整えて。

さらなる自然を求めて、一人、また一人と利用者がトレイルの入り口を進む。編集部もほんのお試しの気分で、10分だけ上がってみた。すぐに樹々が頭上を覆い、人影も人工物も見えなくなる。自宅でスマホのディスプレーを見つめて過ごした数カ月を経ると、感動すら覚えるから不思議。悩みも不安もスッと消えていく感覚は、ヒーリングセラピーのようだった。

現在、公衆トイレや自動販売機の利用は可能だが、ふもとのホテルに併設したレストランやビジターセンターは閉鎖中。また、公園内の人口密度は通常の半分以下に制限されているので、混雑した場合は入園規制がかかる。公園局のウェブサイトで最新情報を確認してから訪れよう。


Bear Mountain State Park

ユニオンパシフィック鉄道の社長(当時)、E・W・ハリマンをはじめとする実業家らが、私有地を寄付したのが始まり。現在の敷地面積は5万エーカー(約202平方キロ)。ふもとにあるホテル、ベア・マウンテン・インは1915年開業で、国家歴史登録財。

 

 

 

湖のほとりには、複数のトレイルの入り口がある

 

ベンチでゆったり過ごすのも悪くない

 

水が透き通っているヘシアン湖は、釣りスポットでもある

 

parks.ny.gov/parks/bearmountain


アパラチアントレイル

メーンからジョージアまでの14州をつなげる自然歩道で、総距離は2180マイル超(約3508キロ)と米国内最長。年間300万人以上が踏破に挑む。ちなみに、ハドソン川に架かるベアマウンテン橋も、トレイルのルート。

 

 

appalachiantrail.org

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