グローバル化時代の子育て

その71 スポーツが非認知能力を育てる

「やり抜く習慣」「衝動をコントロールする習慣」「チャレンジする習慣」などを効果的に伸ばすことができるのが、「集団の習い事」です。スポーツ、音楽、演劇、ダンスなど、周りの人たちと密接に関わり合いながら、共通のゴールに向かって努力する。この経験が非認知能力を鍛えるのです。

「スポーツ経験がある子どもは、非認知スキルが高い」

東京成徳大学の夏原隆之助教授が小学3年生〜中学3年生までの1581人を対象に実施した「子どもの非認知スキルの発達とスポーツ活動との関連性」調査によると、スポーツ経験のある子どもは、自制心、忍耐力、目標指向などの非認知スキルが未経験者に比べて高いという結果を発表しました。

またスポーツの種目による違いでは、集団スポーツ経験者の方が、非認知スキルが高い傾向があること、スポーツ活動歴が長い方が非認知スキルが高い傾向にあることが分かりました。

同教授はその理由を「周囲の仲間の存在や集団への帰属意識が影響しており、協働学習を通じて非認知スキルを獲得していると思われる」と考察しています。

非認知能力が伸びるとスポーツ技能も高まる

夏原助教授の調査は、スポーツ経験が非認知能力にどう影響するかというものですが、私はさらにこの先に、「スポーツ技能がさらに向上する」というプラスの効果があると考えています。スポーツ経験→非認知能力の向上→スポーツ技能の向上→さらなる非認知能力の向上→さらなるスポーツ技能の向上。

スポーツに従事する経験が非認知能力を高め、否認知能力の高まりがスポーツ技能をさらに高めてくれる。つまり両者は互いに絡み合い、両方のスキルを上へ上へと引き上げていってくれるのです。

 

 

集団の習い事に
従事させる

日本では子どもの習い事というと、ピアノ、バイオリン、水泳など個人種目を選ぶ傾向があります。もし経済的に可能であれば「集団の習い事」を通して技能を向上させる環境を一つ、子どもに与えていただきたいのです。

非認知能力を鍛えるにはスポーツに限らず、吹奏楽、オーケストラ、ダンス、演劇など芸術系の(集団の)習い事でも構いません。

アメリカでは子どもの習い事と言えば「集団活動」です。テニス、ゴルフ、水泳といった個人競技に従事させる場合もチームに属し、チーム単位で対抗戦を行うのが一般的です。

集団活動においては、一人でいくら頑張っても、個人の能力が高くても、周りとうまくコミュニケーションをとり、良い関係を構築しなければ、チームとしてまとまりを欠き、試合やコンテストで勝つことはできません。

子どもの勉強、スポーツ、音楽、演劇、あらゆる技能の習得に非認知能力は大きな影響力を持ちます。まずは、身近な「集団の習い事」に従事させることから始めてみてください。

ポイントは、習い事任せにせず、両親がコツコツとした練習に付き合ってあげることです。子ども一人に「練習しなさい!」と言っても非認知能力は育ちませんのでご注意ください。

 

 

 

船津徹 (ふなつ・とおる)

TLC for Kids代表 教育コンサルタント

1990年明治大学経営学部卒業。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。
しちだ式教材制作に従事。2001年ハワイ州ホノルルにてグローバル教育を行う学習塾
TLC for Kidsを開設。
2015年に
TLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校開設。2017年上海校開設。
アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上のバイリンガルの子どもの教育に携わる。
イエール大学、ペンシルバニア大学など米国のトップ大学への合格者を多数輩出。
著書に「すべての子どもは天才になれる、親(あなた)の行動で。」(ダイヤモンド社)、「世界で活躍する子の〈英語力〉の育て方」(大和書房)。

 

 

 

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