③購入に際しての注意点

今月のテーマ:不動産購入の基礎

ニューヨーク市内の物件、特にコープ(Co-op)の購入を検討する際、避けて通れないのがボード(管理組合)の審査。今号は審査の傾向や、見落としがちな購入時のポイントを専門家が解説。

 

Q. 契約書作成時に、買い手が確認しておきたいポイントは?


A.

例えば、照明器具やブラインド、備え付けの棚が部屋にある場合は、購入時にそのまま付いてくるのか、あるいは売り手が退去時に取り外してしまうのか、オファーを出す時点で確認しましょう。

契約を進める上で、弁護士が物件に関する訴訟や破産状況の問題点を指摘したら、購入を再検討する余地があります。住み始めてから何かしらのトラブルに巻き込まれる可能性が予想されるからです。

また金銭面での要確認ポイントとして、管理組合が入居者からプールした資金(Reserved fund)が、しっかり残っているのかも気になります。建物内の修繕費はここから捻出されますが、資金が底を尽きている場合は、追加で一定期間、月々の共益金に上乗せされる可能性が考えられます。

 

Q. 物件購入時のボード(管理組合)審査について教えてください。


A.

ボードメンバーは物件オーナーから選挙で選出された代表者です。コープのボードは理由を明かさずに申し込みを却下できますので、過去の記録や売り手のブローカーに確認したりして対策します。また、コープは金銭的にかなり余裕を持って購入する必要があります。

コープは基本的に住居用の購入で、賃貸、そして物件によっては別荘としての使用も禁止しています。他に物件を保持している場合には、ボードが納得できる説明が必要です。

コンドミニアムのボードは基本的に却下する権利はないのですが、「最初に拒否する権利」があります。ボードに、買い手の申し込みの契約と同じ条件で、購入する権利が与えられるのです。私の個人的な経験上、これが施行されたことは今までありません。

 

Q. コープには書類審査後、さらに面談があると聞きました。


A. 

面接では、購入希望者がボードのメンバーから質問を受けます。内容は物件によってさまざまで、居住ルールの確認をするだけのところもあれば、勤務先や収入、世帯構成などを追及してくるところもあります。

コンドミニアムは面接がない場合がほとんどですので、その分コープに比べると早くクロージングになります。

 

Q. 面接を受ける時のポイントは?


A. 

面接場所はさまざまで、建物の共有施設内、ボードメンバーの部屋、マネジメント会社オフィスなどが例として挙げられます。服装は就職面接のような、ビジネスカジュアルが望ましいです。聞かれた質問に簡潔に答えるようにできればいいでしょう。

ペットがいる場合は、一緒に面接に連れて行くこともありますので、ペットが落ち着けるような配慮が必要です。

 

Q. 購入完了後に、新たにトラブルが見つかった場合はどうしますか?


A.

冒頭に説明したように、物件に付属すると契約書に書かれた照明器具が、売り手の退去時に取り払われていたとします。クロージング直前のウオークスルーで発覚するものですが、その場合には売り手から買い手にその照明器具の費用分のクレジットをあげて、クロージング時の精算で調整します。

〈おことわり〉

当社は、掲載記事の内容に関して、一切責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。

 

北川七菜子さん

ニューヨーク州ブローカー免許保持、同州不動産協会会員、認定交渉専門家。
住宅売買・賃貸のスペシャリスト。
特に投資物件に関しての知識が豊富。
バレリーナとして、カナダ、ヨーロッパ、アメリカで活躍後、2008年より現職。

 

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