第234回 お金の話

〝共感〟をキーワードに独自のマーケティング理論を展開するブランディングコンサルタント・阪本啓一の「マーケティング力アップ講座」。


あなたが会社にお勤めであろうと、自営業であろうと、「自分の家計を経営する」スキルは必要不可欠です。特にニューヨークのような、家賃や物価、つまり、「必要最低限の生活を担保するための固定費」が高い場合は、なお一層。

今日は「家計をうまく経営する方法」についてお話しましょう。次の三つです。

家計改善の三つの方法

第一に、家計の目標金額を建てます。12カ月後、大みそかに、いくらの預金残高があるようにしたいのか。具体的な金額を決めてノートに書きます。グーグルカレンダーを使っている場合、12月31日の欄に記入でもいいです。

第二に、毎月末、「サブスクリプション系の出費」を見直します。これはカードの利用明細が分かりやすいですね。

大してお金を使った記憶がないのに、残らない…。そんな経験は誰しもあると思います。実はこれ、「大の出費より小のコツコツ」が原因です。

人間、大きな買い物のときは注意深く検討し、財布や預金への影響を考えます。しかし、ネットフリックス(動画配信サービス)やスポティファイ(音楽配信サービス)などの小額課金は、契約するときはしっかり検討しても、その後に「本当に支払っている金額以上の値打ちがあるのか?」と検討することは、まれです。

ここにビジネスモデルとしてのサブスクリプションの優れた特質があります。「本人は忘れてしまうのに、コツコツ課金される」(笑)

どちらがより得か?

日本では、月額4000円で飲み放題サービスを提供する居酒屋さん(「金の蔵プレミアム飲み放題アプリ」)まで出てきました。

ビールを飲んでないアタマで冷静に計算してみると、4000円÷30日=133円となり、1日133円です。とはいえ、毎日「金の蔵」に行くか?(笑)月に1回だけしか行かないとすれば、普通に行って、「プレミアム飲み放題サービス」2時間1800円で済むものを、2・2倍の4000円先払いすることになります。

「金の蔵」はこの他に、月額290円で最初のドリンクが無料になる、「ファーストドリンク定期券」も販売しています。290円。忘れてしまいそうです(笑)

「いつか」に要注意

第三に、管理するものを減らす。二度と読まない本、二度と着ない服に、家賃を払ってませんか?

断捨離(だんしゃり)には経済効果があります。「いつか読むかも」「もう少し痩せたらまた着るかも…」どんどん捨てましょう(笑)

管理する時間を、楽しむ時間に割り振りましょう。映画行ったり、散歩したり、友達と話したり…。

意識の問題

お金の貯まる人、貯まらない人の差は、収入ではありません。意識の差です。入ってくる金額が少なくても、意識している人は残ります。

会社経営の場合、「月商の3カ月分」が預金残高にあると安心、というアドバイスをします。個人でも同じです。人生、何が起こるかわかりません。月の生活費の3カ月分をいつもキープするよう心掛けましょう。

それだけで毎日を安心して、楽しめます。

今週の教訓
残す意識が大切です

阪本啓一
ブランディングコンサルタント。大阪大学人間科学部卒業後、旭化成入社。
2000年に独立し渡米、ニューヨークでコンサルティング会社を設立。
06年、株式会社JOYWOW創業、現在取締役社長。
地球と人をリスペクトする、サステナビリティ経営の実現に取り組む。
「ブランド・ジーン〜繁盛をもたらす遺伝子」(日経BP社)などの著書・訳書、講演活動も多数。
www.kei-sakamoto.jp


読めばわかるこの一冊

まんがでわかるECビジネス
仲山進也・著/ 高田千種・まんが

「『成長し続けること』を目指して『膨張し続けただけ』になっていないか」(本文より引用)

 

著者は楽天創業メンバー。知り合ったのが2000年頃だから、「戦友」の気分です。まだ「インターネット」そのものが普及しておらず、「ネットビジネス」というだけで「うさん臭い」「水モノ」扱いされていた頃です。

本書はネットショップ経営の文法書であり、いつまでも変わらない大切な法則を整理してくれます。文法をしっかり身に付ければ、あとは楽。

だからいつもそばに置いて、「うちの店、大丈夫かな?」とチェックするのに最適な1冊です。その意味では、辞典(事典)といってもいいかもしれません。

「集客は成功ノウハウの賞味期限が短い」、マジックワード「それはちょうどいい」など、大切にしたい宝石のような言葉も散りばめられています。

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