①移住地としてのハワイ

今月のテーマ:ハワイの不動産

今月の「スペシャリストに聞く」は、移住地や別荘地としても人気の高い、ハワイについて不動産の専門家が解説する。まずは、ハワイという土地と現地市場の最新情報を理解しよう。

 

Q. ハワイ生活には、どのような特徴がありますか?


A.

ハワイが好まれる最大の理由の一つは、なんといっても気候の良さではないでしょうか。昼夜の気温差が少ないのが特徴です。気候も暑過ぎず、寒過ぎない状態が、1年通して続きます。

また人種の内訳がニューヨークとは大きく異なり、外国人は暮らしやすいと思います。ニューヨークでは、ストリートやエリアで居住者の人種が分かれていることがありますが、ハワイではその境界線が薄く、文化・民族共に、程よく混在しています。

ハワイ生まれの日系人も多い他、日本人によるコミュニティーもありますよ。ミツワなどの日系スーパーも進出してきました。

 

Q. 生活する上で、治安安はいいですか?


A.

ニューヨーク市内に住んでいて考える「危険」、たとえば銃犯罪に巻き込まれるといったリスクは、ハワイでは基本的に低いのではないかと思います。

ただし経済格差は存在し、ホームレスが多く、治安の安定しないエリアなどはハワイにも存在します。過去に、日本人観光客がそういったエリアで公衆トイレを利用し、トラブルが発生したケースもあるので、注意したいところです。

 

Q. ニューヨークに比べると、やはり生活は不便でしょうか?


A.

ハワイも都市化がどんどん進んでおり、都市機能が増え、暮らしやすさがアップしました。

これまでは鉄道も地下鉄もありませんでしたが、オアフ島では現在、住宅地をつなげ、交通渋滞を解消するための、モノレール計画(ホノルル〜アラモアナ間)も進んでいます。またこのモノレール計画に付随して、カポレイ(Kapolei)という副都心も整備され、現在機能しています。

車は現在、どうしても生活では必要になりますが、近年は家電量販店やスーパーを併設するマンションも増えてきています。

小さな土地面積にさまざまな機能が凝縮されているので、ニューヨークでの移動の多い暮らしよりも便利かもしれません。ドア・トゥー・ドアの時間が短いので、せっかちな人にぴったりではないかと思います。

 

Q. 最近のハワイの不動産事情は?


A. 

これまでハワイは住宅規制が厳しかったのですが、最近、一部で規制緩和が行われ、新築や建て替えがやりやすくなりました。それほどまでに、これまでは住宅不足が問題視されていたのです。

現在ハワイは、タワーマンションを多く建設し、効率的な都市計画を目指しています。これは、外国人層にセカンドホームの購入をアピールすることにも、つながっています。

人口自体が大きく増えている訳ではありませんが、アリゾナやフロリダに拠点を置きながら、ハワイでの二重生活を送るアメリカ人も多いです。アメリカのカルチャーとしては定番の様式ですが、最近ではアジア圏にも浸透してきて、二重生活を考える人が多くなってきました。

よい住宅開発をすれば売れる、というのがハワイの特徴です。

 

畑華子さん

スターツ代表。ハワイ、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンノゼなどを担当。
ハワイ在住25年。青山学院大学を卒業後、ハワイ大学大学院にて経営学修士を取得。
宅地取引士、ハワイ州ブローカー免許取得。
NPO法人ハワイシニアライフ協会理事。

Starts International Hawaii, INC.

TEL: 808-947-2280
info@startshawaii.com
startshawaii.com

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